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生きていたい







こんにちは、無子です。お元気ですか?


早速ですが、皆様にクイズです!


Q.俺は何処に居たでしょう?


1.夢の中


2.城の中


3.獣の胃の中



どれでしょう?


正解は〜全部です。何処に(.)(.)かなので過去にいた場所ならOK。他にも神界や学校、教室なども正解だよ。それと獣に指を食われたから3番も正解だよ。


そしてぇ〜、今居るのわ〜洞窟であります。何故、洞窟に居るのかをざっくりと説明しよう。

天使に落とされた後、気がつくとレッドカーペットが敷かれた城らしき住居の中?そのカーペットは、玉座まで敷かれていて玉座には偉そうなジジイが座って踏ん反りかえっている。そして、玉座の右隣に立っていた姫様がこちら向かって近づいてくる。

あれ?って事は、玉座の左隣に立っている人って王妃?姫様と歳変わんなくね?やっぱ、異世界だねぇ〜。


姫様は、謝罪とか今のこの国の状況とか、其れはもう色々と喋りだした。まぁ、所謂テンプレだな。しかし、この国の姫はバカらしく言葉つらつら並べながら矛盾点をボロボロ出してくる。「これ、ジャガイモです」と言ってリンゴを持っている感じだ。それでいて、気付いていない。本当に自分が言ってる事を分かっているのか心配になってくる。

まぁ、そのおかげで八割方は嘘である事に気付けた。てか、八割が嘘って酷くね。

だが…俺以外のクラスメイト全員気付いていない様だ…彼奴らもどうやら救いようの無いバカらしい。最後に踏ん反り返っていた国王が【ステータス】の見方を教えてくれた。まぁ、既に皆は気付いていた様だが。【ステータス】の見方は、至ってシンプルで「ステータス」と呟く、以上だ。そして、今俺が洞窟に居る理由も【ステータス】の所為だ…。



「ステータス」と呟く。すると、ステータス画面が浮かび上がる。


____________________________________


名前: ユイト ナギ


種族:人間の上位種(ハイヒューマン)


職業:無職(ニート)


LP: 50/100


MP: 20/20


固有オリジナル技能スキル


強制奴隷ギアス



称号


【神を狂わせる者】


【使徒を狂わせる者】


【狂神に創り変える者】


【狂天使へと変える者】



____________________________________



何度見てもツッコミたい。「この世界でニートが通じるのかよ!?」と。


本当だと、職業は勇者になってるのが正しく称号にも【勇者】があるらしい。つまり、俺のステータスは異常だった。


当然ながら、勇者召喚で召喚したのに勇者じゃない人間がいると大騒ぎになった。そして、騒ぎの中クラスメイトの1人が俺のステータスを見て「おい、能無しの名前が変わってるぞ!?」と叫んだ。すると、ぞろぞろと俺のステータスを見に来る。正直な所、見られたくなかった。昔の名前などもう(.)(.)(.)(.)(.)(.)だったから…。俺は、ステータスを周りに見られるのを避ける為ステータスを閉じた。すると、「バーカ、ステータス閉じても【鑑定】があるから見れるんだよ」と1人の生徒が笑いながら此方に向かって告げたのだ。


「ユイト?ナギ?」


「コイツのスキルは…っと…ん?【強制奴隷】…分かんネェ〜。えっと説明欄っと」


どうやら、生徒の幾人かはステータスを覗けるスキルがあるらしい。多分、女神の願い事を使って手に入れたのだろう。


スキルの説明欄を読んでいた生徒達の顔がみるみる青くなっていく。そして…


「こ、国王様、コイツは危険です!!今すぐ捕縛して下さいっ!」


俺のスキルを見ていた生徒が叫ぶ。

おい、城に着いていきなり捕縛とかふざけるなよアホ。


「コイツは、人を強制的に奴隷にするスキルを持っています。明らかに危険ですっ!」


危険なのは、 平然と人を虐げる貴方達では?


其れを聞いた国王は…


「何?いや、しかし彼は勇者であるし…」


「いや、コイツは勇者では有りません。職業、称号どちらにも【勇者】は有りません」


「何じゃと?いや、しかし…ふぅむ…。」


「それに、もしかしたら国王様を奴隷にする可能性があります」


おい、俺はそんな事はしねぇよ。勝手にデマかせ言うな。


「なっ、…。わ、分かった。グラマスよ今すぐに、そのものを殺せぇー」


はっ?何の冗談?召喚されたその日に殺すとか有り得ないだろ。てか、クソジジイの思考はちゃんと機能してるのか?初対面で殺せとか意味が分からん…しかも、捕縛が殺傷に変わってるんだけど?耳、大丈夫か?それとも、脳に異常があるのか?


「ハッ」


えっ、ちょ。なんか厳つい鎧を着た騎士おっさんが…


「すまんな、坊主。この国の未来を脅かすかも知れんのだ」


ふ、ふざんけんな。何が、「この国の未来を脅かす」だ。善良な人間さんを殺す方が未来を「脅かす」だろ。殺戮国家にしたいのか?アホなのか?そうなのか?お前達おまえらは、それでいいのか?


「う、うわぁあぁぁあ」


逃げよう。そうだ、逃げよう。震える足を無理矢理動かす。


「お、おい逃げるな小僧」


殺そうと騎士が「逃げるなぁ」と叫びながら追いかけてくる。

アホか?殺されると分かっていながら「うん、分かった」って言う奴いるかアホ。


くっ、こうなったらヤケクソだ。


「【強制奴隷ギアス】」


そう、騎士のおっさんに向けて。


「1分間、動くな」


遂にスキルを使った。すると…


「やはり、コイツは危険だっ!!」


とクラスの連中が次々に言う。そして、国王は…


「グラマスっ!何をしておる。殺せぇー」


「ハッ、しかし動け…な…くない?」


えっ?動けるの?はっ?マジで?もしかして不発?ウソーン。



ここで、補足だが…


本当に不発だったのか?と問われれば、答えは否だ。発動は、確かにしたし、命令も通っている。では、何故グラマスが動けるのか?答えは、簡単だ。【強制奴隷ギアス】によって奴隷にされたのはグラマスでは無かったという事だ。【強制奴隷ギアス】は、強力な能力スキルが故に発動条件が幾つか存在する。詰まり、グラマスは発動条件を充していなかった。しかし、【強制奴隷ギアス】は確かに..していた。そう、..していたのである。とある2人には…。



「小僧、騙したな。死ねぇー」


うわ、剣を振り回すなよ。危ないだろ。もう良い、と、とにかく逃げよう。てか、効いてないなら素直に喜べよ。


それから、必死に騎士から逃げた。走って、走って、走って気付いたら森の中。既に騎士の姿はなかった。そう、逃げ延びたのである。シャー!?


そして、あー、これで一安心(フラグ)と思ったのだが…いつの間にか、狼らしき群れが…(回収乙)


結果、右手の指を全部食われたOh…。まぁ、そのお陰で生き延びて洞窟にいる(今に至る)


むごい、酷すぎる。幾ら、何でもあんまりだよ。僕、泣いちゃうよ?まぁあ、「いつも通り」と言えばその通りなのだが(ケロリ)


「しっかし、する事無いなぁ。それに、腹減った…食いモンないかなぁ〜」


そう、彼は朝から何も口にしていないのだから。仕方がないだろう。


「はぁー、外に出たら。きっと、俺が食いモンになっまうよ。さっき、成り掛けたばっかだし…」


「はぁー」と、溜息をつく。剣と魔法のファンタジー世界で何もせず飢え死にとか泣ける…一つぐらい魔法を覚えから死にたかった。それにしても、不思議だ。あんなに、死にたいと思っていたのに殺されそうになった時「生きたい、生きていたい」と思えた。そして、今も「生きていたい」思えるのだ。


「はて、どうしたものか…」


「ステータス」と呟く。彼は、する事もないので自分のステータスをよく確認しようと考えたのだ。もしかしたら、新しい情報が得られるかもと…


____________________________________


Lv. 1


名前: ユイト ナギ


種族:人間の上位種(ハイヒューマン)


職業:無職(ニート)


LP: 50/100


MP: 20/20




固有オリジナル能力スキル


強制奴隷ギアス



称号


【神を狂わせる者】


【使徒を狂わせる者】


【狂神に創り変える者】


【狂天使へと変える者】



____________________________________



名前に関して、本名になっている。古傷が痛むな。称号は…触れない様にしよう。俺も何が何だかサッパリだし、ツッコミ所も満載なので体力が持たないだろう。

えーと種族は、どうやら人間より上の種族らしいな。

職業は…それも触れないで置こう。


LP、うーん…ライフポイントの略だろうか?さっき、狼らしき群れに襲われて指を食われ出血したために減っているのだろう。


MP、ゲームでは魔法を使うと減るアレであるが…この世界では如何なのだろうか?魔法が使えないので今の所は深く考えなくてもいいだろう。

固有オリジナル能力スキル、クラスメイト数人は【鑑定】という能力スキルがあった。そして、俺は【強制奴隷ギアス】だ。という事は、固有オリジナル能力スキルは種類があり複数あるという事が分かる。しかし、詳細は不明だ。取得する事は出来るのか?複数持つ事が出来るのか?など分からない事の方が多い。


「にしても、【強制奴隷ギアス】か…」


そう、人を奴隷にする能力スキル。自分のいた世界には、(裏世界では知らんが)奴隷は存在しなかった。しかし、この世界には存在するのだろう…。裏社会がハッキリ見える世界なのだ表向きで奴隷を売ってそうな気がする。それに城にいた時、国王は奴隷になる事を恐れていた事から、この世界の奴隷の存在と扱いが良く伺えられる。


「咄嗟にあの時、使っちまったが…」


逃げる途中で使ったのだが不発に終わったのだ。詰まり、奴隷にするには何らかの条件が必要なのだろうか?彼は、【強制奴隷ギアス】を詳しく知るため駄目下でタップした。


____________________________________


強制奴隷ギアス】奴隷数: 2人


以下の条件を充している場合、相手を強制的に奴隷にする事が出来る。奴隷にした場合、次の効果を得る。


★奴隷の所持している能力スキルを会得出来る。


主人あるじと奴隷はお互いの位置感覚が分かる。




発動条件


以下の条件に、一つでも充していた場合、発動可能。



・対象者が異性であり、対象者が尊敬や好意を抱いていた場合


・対象者が異性であり、対象者が接吻や肉体関係があった場合


・対象者が異性あり、お互いの血を体内に入れた時




『奴隷』

※奴隷になったものは、主人あるじに対する暴力行為、侮辱行為を禁ずる(主人が了承がある場合を除く)


主人あるじの命令を拒む事を禁ずる。(主人が了承がある場合を除く)


※【強制奴隷ギアス】によって奴隷された者への老い、死、痛みを味わう事を禁ずる。但し奴隷が、背負う筈であった痛みは主人あるじが倍の痛みで請け負う。更に、奴隷が【強制奴隷ギアス】により生きながらえる度に死の痛み(苦痛)主人あるじに与える。(解放された場合のみ死ぬ事が可能)


主人あるじ死んだ場合、解放を不可になる。

____________________________________



え、発動してた?しかも、2人?名前っ

て分かるかな?奴隷数のとこタップしてみる。



____________________________________


強制奴隷ギアス】奴隷数: 2/3


ユイトの奴隷


如月きさらぎ 皐月さつき


影隠かげがくれ 九乃重くのえ


____________________________________



「ま、マジか…あはは」


約束の2人が、俺の奴隷か…笑えねぇな…。


そう、4歳の時に一緒に遊んだ友達だ。しかし、半年で2人とは離れ離れになった。事情は、よく覚えていないが、離れる前に自分達の名前を言いあって「何時か、また会おうね」という約束をしたのだ。しかし、良くもまぁ名前を知らないまま半年間も遊べたものだ。子供って、凄いね。

その約束の2人なのだが、高校で偶然ながら再開した。


けれど2人は、俺を覚えていなかった…。4歳の記憶だ…鮮明に覚えてる方が少ないだろう。忘れられて当然だ。


でも、それでも、嬉しかった。


だが、この再開は俺を絶望させた。


「ユイトみたいに誰かを守れる人になるぅ〜」と言っていた皐月は、虐められてる俺を蔑み虐めに加担した。そう、今の生徒会長だ。覚えてるだろ?クールに左目を潰した人だよ。

そしてもう1人、

「ウチは、ユイトさんを守るッス」と言ってくれていた九乃重は、暗殺者になっていて俺を殺す為に学園に送り込まれた。覚えているだろ?親父の手紙を…。どうやら、那岐家の情報と武刀技は門外不出にしたいようだ。武刀は、囓った程度でしかしてなかったのにな。えっ、?何で知ってるて?本人に告げられたからだよ。

乃羽いくの 無子なでこ、学校にいる間ウチが監視するッス。妙な行動が目に入った瞬間、監視対象から暗殺対象に変わるんで、其処のところ注意ッス。正当防衛での暴力行為も禁止ッスから。それと、3年間宜しくっスね」とな。そして、九重も俺が虐められてるのを見て…

「アハハハ、ウケるッス。マジウケるッス、抵抗出来ない姿、滑稽過ぎるッス。プークスクス」と言って俺を笑って蔑んだ。





2人共、俺を覚えいなかった。






だが、覚えいたら…。

覚えていたら何かが変わっただろうか?





答えは、否である






逆に俺に幻滅し侮蔑するだろう。そして、虐めに加担しただろう。彼女達は決して悪くない。学校のクラスメイト達も悪くない。悪いのは…








本当に悪いのは…











俺だった










そう、俺が存在して(いな)かったら良かったのだ。俺が産まれなければ良かったのだ。


何故、虐げられるのか?其れは…






俺が(.)(.)(.)(.)(.)からだ。







この時、俺の弱り果てた心が砕けた…








そして、死にたいという欲求を抱えて生きてきた。死ぬ事を渇望して今まで生きてきた…






だが、今は違う。俺は「生きていたい」


心の底から思う。「生きていたい」と思える。理由は、分からない。だが、確かに「生きていたい」のだ。


だから、「生きなければならない」何としても。









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