ナナとリョーコのちょっと一息~歴史の授業後の休み時間~
「ねえナナちゃん、歴史って両極端よね。」
「どうしたのリョーコちゃん、急に。」
「教科として両極端って話よ。できる人はいっつも高得点だけど、できない人はどうやったって高得点は取れないじゃない。」
「それはそうかもね。国語や数学と違って、点の高い人が固定されてるイメージ。」
「結局は才能なのよね。あんなの暗記ゲーじゃない。本の中身全部覚えてれば満点なんてつまらないわ。もっとフレキシブルな、格ゲーのような要素を取り入れていくべきよ。」
「いまだに波動拳すら出せない人が何を...。それに日本の勉強なんて全部暗記ゲーだよ。先生とかいう人が言ったことを覚えて、先生とかのたまう人の好みに合うよう書くことが前提っていう教育をしてるんだもの。」
「その傾向が強いわねって言ってるの。そういう日本の歴史教育が見直されない限り、若者の歴史離れは止まらないわよ。」
「うーん...暗記ゲー要素と、歴史離れは関係ないと思うけど。たぶんみんな飽きちゃったのよ、そういう歴史とかっていう話が。」
「ん?...どういうこと?」
「だから、武将だの軍隊だのピラミッドだのって話が飽きちゃったんだよ。小説と同じ。好みじゃない話は読まない。興味がないから勉強しない。」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。歴史は小説じゃなくて実際に起こったことよ?」
「でもその記録が正しいとは限らないでしょ?アポロ13号とか、あれ映画のセットでとったって噂が出るくらいだし。」
「いや、遺跡とか土器とか発見されてるし」
「日本のものづくりの技術ってすごいみたいだね。なんでもそれっぽく作れちゃう。」
「戦争とかはその時代を生きた人がまだ残ってるわよ。」
「年寄りがさみしくて嘘ついてるんじゃない?」
「それから、えーっと...」
「今みんなが知ってると思ってる歴史がホントな保証なんて、どこにもないんだよねー。歴史から離れた人はそれが本能的に分かったのかもよ。あと、そんな奪い合いと環境破壊の話より、ずっと面白い話が他にあることも。」
「うう、何も言えないわ...」
「私も歴史は好きじゃないんだ。私がいなかった時間が、私とよく似たのが殺し殺され奪い奪われしてただけなんて、なんか味気ないし。」
「でも好きな人もいるわよ。武将マニアの人とかいるじゃない。」
「そういう人だって自分の好きなストーリー、ひどい人だとゲームのキャラを好きっていう人もいるけど、まあ自分の好みな部分を信じてるわけでしょ?それは小説好きな人が好きなシリーズの本を読んでるのと変わんなーいよー。」
「くッ」
「私はね、私が存在してなかったその時は、大きなドラゴンが空を飛び回って、きらめく宝石のお城で、トランプたちがケンカしながら魔法のクッキーを持ってカエルのお姫様のところに行く。そのくらいがいいと思うの。過去は絶対見れないんだから、そのくらいの夢を見たっていいと思わない?」
「ところでリョーコちゃん、歴史のテスト何点だったの?」
「98点。最後の問題、書き方が悪いのよ。」
「そっかー。私も実は引っかかりそうになったんだよね。貴重な満点教科が消えるとこだったよ。」
「ナナちゃんって、さっきあんなに言ったわりに毎回歴史満点よね。」
「まあね。そこは勉強だし。好みとか興味とは割り切っていかないと。」
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