最高神セリア
思い瞼を開けるとそこは知らない場所だった。
「あら、目が覚めた?」
そこにはにこやかにほほ笑む綺麗なお姉さんがいた。
「ここ・・・・は?」
「ちょっと待っててね、今からお水を持ってきますから」
そういってどこかへ行ってしまった。
「・・・・・・・・。」
ここはどこだろう・・・
私はあのとき・・・・・
あの日の記憶がフラッシュバックした。
おかあさんは・・・・?
みんなは?
街は?
ガバリと音を立てて布団がめくれ上がる。
と・・・・・たいして長くなかったはずの神が背中にかかる感覚を覚える。
不思議に思い、そっと後ろを向いた。
「ひっ?!」
そこにはエメラルドグリーンのとてつもなく長い髪。
それは窓からさす光を反射して輝く。
こんな綺麗な髪、初めて見た
そっと触れてみる。さらさらと手から零れ落ち、パサリと掛布団へかかる。
「・・・・・ながすぎ・・・」
「何が長すぎるのですか?もしかして、わたくしが・・・」
「え?あ、いや、そう言う訳じゃ・・・!!」
バッと振り向くとそこにはさっきと違った女の人がいた。
「あ、あの・・・・」
「?・・・ふふっ、わたくしはリネと申します。あなたの世話役です」
そういって軽く会釈をする・・・・リネさん。
「あの・・・・・私・・・・・というか・・・此処は?」
「!!・・・・あぁ、すみません。そういえばここに来たのは初めてでしたね」
「え?あの・・・・」
そう言う事じゃなくてと口を挟もうとしたところでリネさんはそっと髪を下し、床に膝間づいた。
「ようこそ、わが庭園へ。我が善良の最高神にして、最高神位をお持ちの・・・―――」
顔を上げた。
「最高神セリア様」
すっと意識が遠のきそうになるのを必死に食い止めた。
セリア・・・・・様?
「セリア様って・・・・?」
「あなたの名前です。あなたは今日、最高神位を持つ全知全能の存在に生まれたのです」
全知全能?
最高神位?
今日、生まれた?
思考がぐるぐると渦巻いてループから離れられない。
「ど、どういう・・・」
「あなたは、前世の記憶を覚えていますか?」
「・・・・・はい」
前世・・・きっと、地球のことを言っているんだろう。
「なら、あなたはきっと人々の欲に満ちた瞳を、行動を、本質を・・・知っているのですね?」
「・・・・・・っ」
あのおじさんも、お母さんも、周りにいた人たちも・・・
「私が見たのは、みんな生きたいと願って・・・水を求めてさまよっていました。そして、物欲に負けてしまったんです。いかにも有毒そうなものを・・・・」
「ジヒル様から聞きました。あなたのいた世界は、もうありません。前世界の最高神ゼウス様は、世界の天秤を見つめ、最後に一言、言いました」
重い沈黙。
何かに吸い込まれていく感覚を覚えた。
そこには数々のビジョンが並べられてあり、その中かr太一つを選び出す形となっているのだろう。
まるで、映画館に行って掲示板を見るような・・・
***
『この世ももう終わりだ。この世の住人は皆、実用に押しつぶされて終わるだおう。』
『ですが!!』
リネさんの声
『私の仕事はこの世を見届けるまでだ。この世を壊してしまうまでが私の命をつなぎとめ、縛りつける唯一の鎖。私の力もそろそろ限界だ。なら、ここで終わらせるべきだとは思わないか?』
そこには、地獄絵が広がっていた