赤との帰り道
部活の輪にも入れて最近は学校が楽しくなってきた、女の子達さえいなければ…、練習中の女の子の量が半端ない、軽くスタジアムと化してる、これが普通らしいけど活力はどこから来るんだよ
「最近女の子増えたな」
一年の面倒をみるのが大好きな林さん、この人もカッコイイけどそれが埋もれるのがサッカー部の凄いとこ
「何でですか?」
「お前らのせいだぞ」
『俺ら?』
普通に俺らも埋もれてると思ってた、だってレギュラーなんて各学校の一番カッコイイ人が集まった感じだから
「気付けよ、時期生徒会長」
「林さんもじゃないんですか?」
「俺は無理だ、樹々下がいるかぎりな」
「そういえばユキは何部なんですか?」
講座は2年まで必修だから気になった、ユキがどんな事やるのか
「アイツはバスケ。四色は樹々下の事知ってるのか?」
「義理の兄弟ですから」
『嘘っ!?』
後ろで水を飲んでるコガネが吹き出した、それよりユキはバスケ部か
「カイ、聞いてないぞ」
「おかしいな…」
「そうか、なら蘭も知ってるだろ?」
「まぁお姉ちゃんみたいなもんですから」
林さんが顔を真っ赤にして頬をかきながら言った
「実は惚れてたんだよな」
「そうなんですか!?」
「あぁ、あっけなくフラレたけど」
「でも林さんならすぐに出来ますよね?」
「その気になればな」
そうだ、サッカー部はナルシストが多いんだよな、サッカー下手くそな奴でもサッカー部にいるからな、肩書が欲しくて入ったアホがちらほら。
帰りはバレー部に寄ってから帰ってる、チカとヒノリ目当てで、おまけでツバサが付いてくるけど
「チカ終わった?」
「今ね」
「にしても、上凄いな」
「ん、あぁ、まぁね」
サッカー部同様エネルギーを持て余した男達が、そのせいで体育館の熱気が異常だ、大型扇風機が置いてあるくらいだ
「おい!お前誰だよ!」「いくらイケメンでも潤間さんを独り占めにする権利はない!」
「金髪手前もだよ!」
ある意味女の子よりたちが悪い、コガネも軽くキレかけてるし
『サッカー部の…』
「四色と!」
「五百蔵」
『文句あるならサッカー部に来い!』
はい、予行演習通りに決まった、って浸ってると走って下りてきた、流石に喧嘩する理由もないし逃げるか
「コガネ行くぞ」
「チカちゃん、ヒノいつもの所でな」
「僕も!」
そういえばツバサの存在を忘れてた、そんな事考える暇もなく男達が走って来た。
遅かったからあっという間まけた、いつもの場所こと学校の裏門を少し行った空き地にチカ達がいた
「お待たせ」
「大丈夫か?」
「余裕!ってかツバサは?」
ツバサだけがいなかった、いつもチカのくっつき虫なのに
「バイトだって」
「そうなんだ、なら久しぶりに二人で帰ろ」
チカがコガネとヒノリを見て頷いた、チカも分かってるじゃん
「じゃあねコガネ」
「ヒノリもコガネ君にちゃんと守ってもらいな」
「おい!カイ、チカ…」
「…バイバイ」
案外ヒノリは勘が鋭いし素直だな、それに比べてコガネときたら。
俺とチカは街に来てた、チカと二人で帰りたいってのも半分だったし、たまには楽しまないといつ足元をすくわれるか分からないからな
「カイ、クレープ食べよ」
「良いよ」
クレープ屋の商品にビックリした、半分は普通なんだけどあとの半分が、コロッケとかキムチとか納豆とかクレープとは思えない物ばかり、普通のを頼んだけど興味がある
「クレープおいひ〜」
「チカ、クリームがついてる」
何か最近いろいろ疲れてたから癒されるな、慌ててクリームを拭き取ってる
「取れた?」
まだついてたから親指で拭き取った、指についたクリームを舐めるとチカが真っ赤になった
「とれたよ」
「…ありがと」
「久しぶりだから免疫が低下した?」
無言で頷いた、やっぱりチカは可愛い、あんなクソどもには死んでも渡せないな
「まだそれつけてるんだ」
ブレスレット、俺がチカの誕生日プレゼントであげたやつだ
「当たり前だろ、運動とか風呂とか以外はずっとつけてるよ」
「何か嬉しい」
「何で?」
「高校入ってチカが遠くに行っちゃった気がしたから、これでも寂しかったんだから」
チカがモテて、何か嫌だった、ヤキモチって言われればそれまでだけど、やっぱり彼女がモテて嬉しい奴はいないだろ
「それはアタシもだよ」
「大丈夫だよ、チカ以外は興味のきの字も無いから」
「アタシも!」
いつもより寄り添って歩いた、途中同じ学校の生徒に会ったけど無視していった
「カイ、コガネ君とヒノリどう思う?」
「二人とも消極的だね、完全に両想いなのに一歩踏み出す勇気がないとみた」
「やっぱり、アタシもそう思うんだよな」
チカが心なしかウキウキしてる、他人の恋を楽しんでるよ、まぁ少なからず俺もだけど
「ヒノリ可愛いもんね。でもコガネ君は何か不思議な感じ」
「悪そうなんだけど、怖くない?」
「そう!」
指をパチンと鳴らした
「あんなにピアスもいっぱいつけてるし、髪の色も色だから怖くてもおかしくないんだけど、何か爽やかで話易いんだよね」
「コガネマジックだよ」
「だね」
その後公演のベンチに座って学校の話をした、最後はキスで絞めて、久しぶりだったから心臓がうるさかった