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青のその先

「じゃあ来年度も元気に学校に来るように。解散!」

終わった、高校一年も長いようであっという間、目の前で爆睡してるコガネとの出会いで始まったんだよな、最初はツバサとコガネは仲が悪かったし、ヒノリはあんまり喋らなかったな、コテツは絡み辛かった。

でも終わってみたら色物だけど楽しかった、来年はみんな一緒になれる事を僅かに願ってみたりする。

ヒノリはゆっくりと立ち上がりコガネを起こした、コガネがノソノソと起き上がると同時に騒がしいのが一人。

「まいど!皆はん終わったで!やっとピカピカの一年生も終りや」

コガネが人をかきわけて俺らの所まで来た、この声によってコガネは完全に起床。

「コテツ〜!」

「ツバサ〜!」

ツバサは入って来ると同時にコテツとハグ、少しは他人の目を気にしろよ、皆見てるぞ。

「じゃあ皆揃ったし行くか!」

俺らはこれから6人で打ち上げ、クラスの打ち上げもあるけど俺的にはコッチが無くても行かない、友達がいない訳じゃなくてそこまで思い入れがあるクラスじゃないから。



とりあえずカラオケに行くことになった、俺は全身全霊をかけて拒否したけど多数決には勝てない、別に歌わないからいいんだけど。

カラオケで意外な事実が発覚、コテツの歌がメチャメチャ上手い、プロ並の上手さ、俺にとってのカラオケは傍聴するもの。

「カイは歌わないの?」

「歌えないの」

「何で?」

「超絶音痴だから」

チカの心配は嬉しいんだけど俺に歌わせたら可哀想なんだよな、俺も歌ってて不思議なくらい下手、リズム感はあるけど音程が取れない、カラオケは聞いてるだけでも楽しいから良いんだけど。

「いやぁ、歌った歌った」

「歌上手いんだな」

「そうでっか?上手いかどうかは分からへんけど歌うのは好きやで」

俺は歌うと凹む、歌ってると楽しいんだろうけど俺には分からない、コガネが高い所の気持良さが分からないのと同じようなもん。

「わいは皆はんと出会えて良かったで、最初はツバサと話せればええと思っとった」

「知ってるよ、俺もコテツが何考えてるか分からなかった、今も時々分からないところもあるけどね」

「よく言われる、思ったままに動いてるんやけどな」

考え方が人とは違うんだろうな、いつも何かのついでに何かしてるし、コレって俗に言うとケチなのかな?




腹も減ったし飯、俺らみたいな打ち上げ組が街にはいっぱいいる。

店に入って乾杯、コガネが酒を頼もうとしたけど制服だから無理だった、残念だったなコガネ、高校生なら高校生らしくジュースだよジュース。

「クラスの発表って登校日だっけ?」

「そうだよ、また張りだし」

「僕達一緒になれるよね?」

「わいは一人は嫌やで」

「アタシはカイと一緒になりたい」

「楽しければそれで良いよ」

皆思い思いだな、ヒノリは相変わらず冷めてるけど、それにヒノリの楽しいの定義って何だ?やっぱりコガネと一緒とかかな。

「俺はカイと一緒の方が良いな」

「俺にそんな趣味無いし」

「……………意味違うから!」

反応遅すぎ、しかもコガネの顔で言われたら若干まに受ける奴がいるだろうし、チカの顔を見る限りホモだと思ったな。

「カイがいると楽なんだよ、頭が良いから教師に何か言われても言い返してくれるんだよ」

「そうなのカイ?」

「まぁ教師が好きじゃないからな」

「カイと先生の喧嘩観戦も楽しいよ」

ヒノリは楽しんでたんだ、口喧嘩は俺の得意技の一つだからな、内心楽しんでるし。

「カイはん先生に喧嘩売ってるん?」

「楽しみで、かな」

「悪いやっちゃなぁ、先生は味方にするもんやで」

コテツの場合教師にもヘラヘラしてるからな、教師の好感も良いから学校で商売出来るんだろうな、裏取引もしてるだろうし、要領が良いというかケチというか。

「わいはツバサと一緒になれれば満足や」

「そのクラスにはなりたくないな」

「なんでやねん?カイはんは妹が嫌いか?」

「うるさいだろ、常にコテツとツバサを相手にしてたら気がおかしくなる」

「酷いお兄ちゃん!」

「そうやで、お兄さん」

頭が痛い、色んな事が俺を追い詰める、誰かツバサとコテツの暴走を止めてくれよ、心配してるのはチカだけじゃん。

「私もこの二人と一緒は嫌かも」

「ヒノリはんまで」

「大丈夫だよコテツ、僕達二人でも愛だけは残る、愛があればなんでも出来るよ!」

「そうやな、わいらは二人でも大丈夫!」

つっこまないぞ、この夫婦漫才に絡んだら俺の負けだ、妹ながら可哀想になってきた。

「アタシはカイと一緒じゃなきゃ嫌」

「学校でまでカイとチカちゃんにイチャつかれたらファンが減るぞ」

「それなら率先してやるんだけどな」

「イチャつかやいよ、でもカイが一緒の方が落ち着くから」

確かに俺もだな、一緒にいれば馬鹿も近寄ってこないだろ、コテツかコガネがいても来ないと思うけど。

「カイは浮気できなくなっちゃうけど良いの?」

「浮気してるの!?」

「しないしない、ヒノリもサラッと嘘付くなよ」

ヒノリが嫌な顔で笑ってる、怖い、ヒノリが怖い、何を言い出すか分からないし。




解散後の帰り道、ツバサとコテツはいつの間にか消えてた、だから俺とチカの二人だけ。

チカはコウさんの所に住んでるから会える時間が増えた、その分コウさんの監視がキツくなったのも事実だけど。

「一年楽しかったな」

「そうだな、騒いで騒ぎ通した感じかな」

「カイの思い出は?」

「不良達の喧嘩…………」

「あれは怖かったよ、カイが来てくれなきゃどうなってたか」

「……の後の退院した時かな」

チカの顔が真っ赤になった、暗くも分かるくらいだからかなり赤いんだろうな。

でも全部が全部印象的だから優越つけがたいよ。

「エッチなんだから」

「冗談だよ、色々ありすぎた一年だったから、全部が印象的だな」

「カイって初めて会った時より変わったよね」

いきなり変な事言うよな、変わったのは確かだけどね、昔のままだったら今頃はアオミしかいなかったかも。

「チカのお陰だよ、今の俺の世界は全部チカが造ってくれた世界だ」

「何だか照れるな」

「チカも変わったぞ」

「どこが?」

「女の子っぽくなった」

チカは顔を膨らまして俺の肩をポコポコ叩いてくる、こういう一つ一つの行動が俺を惹き付けるんだよな。

「それも認める、今まで男の子を異性として見てなかった、兄貴やユキがいたから男の子とばっかり遊んでた、今でもダイチやミッチーは異性の部類には入らないよ。でもカイは違った、何か全てがアタシと違って輝いて見えた、アタシもカイがいなかったら今頃は可愛げの無い女の子になってた」

あの日あの路地で会ってから俺らの価値観は変わり始めたんだろうな、好きな人が出来れば世界が変わる、それは本当だと思う、今までの俺なら世界がこんな明るいなんて分からなかった。

でも俺にはチカという太陽が俺の世界に光をくれた、だから俺はチカの世界のデッカイ海になって、チカの全てを包み込む、それが俺のチカに対する愛。









でも、全てを燃やし尽すのも太陽、太陽に近付きすぎれば燃え、地に落とされる。







――つづく――

最後まで読んで頂きありがとうございます。

最後にあったように続きます、予定では後2つで完結予定です、もしかしたら最後にもう1つあるかもしれません。

それと番外編やるとか言ってましたけどそれは次のでそれっぽい事します。

よければコメントやメッセージお願いします、次回作等の励みになります。


それじゃあ次回作、楽しみにしててください。

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