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青と焼肉

俺達は盛大に焼肉パーティー、ではない、コテツの尋問を兼ねた焼肉、尋問内容は他校で俺らを使い金儲けした事、恐らく高校生がバイトで稼げるような額じゃないだろ。

俺らは割りと高めの焼肉屋を選んだ、6人で食ったら3万はいくだろうな、コテツは半泣きで入ってきたけどね。

とりあえずジュースで乾杯、酒を飲んで流されたら困るし、一応高校生だし。

「じゃあとりあえず、いくら儲けた?」

「……………10万や」

「「「10万!?」」」

予想以上だ、軽く俺らって凄いなぁって自惚れてみたりする、写真だけで10万ってアイドル並だな、しかもコテツに暇なんてあったのか?

「ツバサ君は知ってたのか?」

「知らないよ」

「コテツ、どうゆう了見だ?」

コガネが半ギレ、俺は焼肉食えるから良いんだけど、コガネは名前が売れるのを人一倍嫌うからな。

「ヒノとかも怒れよ」

「遊園地に行きたい」

「はっ?」

「私遊園地に行きたい、みんなで行こうよ、コテツの奢りで」

それ名案かも、焼肉食わしてもらったうえに楽しめるんなら許すよ、これからやらないならの話だけどね。

「アタシも賛成!」

「僕も!」

「なら俺も」

「おいちょっと待てよ、そんなんで良いの?」

コガネは何故か焦ってる、コテツに発言権は無いしほとんど決定なのに、何故コガネは焦る、ヒノリが喜ぶし俺がコガネの立場なら喜んで行くんだけどな。

「コガネは行かないの?」

「いや、遊園地だろ?乗り物とか乗るんだろ?」

「何だよ、乗り物酔いでもするの?」

「だからさぁ…………」

「怖いんでしょ?」

ヒノリの一言にチカは吹いた、机に顔を埋めて肩を震わせてる、ツバサは大爆笑、コテツは蚊帳の外、コガネは顔を真っ赤にしてうつ向いてる。

「コガネ高所恐怖症だから、観覧車も乗れないの」

「コガネも可愛いんだな」

「だから俺は嫌だ」

「でも私コガネと行きたい」

ヒノリは上目使いのダメ押し、コガネの顔が一気に真っ赤になって考えてる、ヒノリは強いな。

「しょうがねぇな」

「コテツ、よろしくね」

コテツは頭を抱えて机に突っ伏した、許可をとらなかった罰だな、ヒノリが珍しく積極的になったお陰でビッグイベントが入った、ヒノリ様々だな。


俺らは約一名を抜いて大騒ぎした、コテツはツバサに促されて渋々食べてたけど、自業自得だよな、8割は俺らのお陰の金なんだから、後の2割はコテツの腕、そこは俺らの寛大な心意気で食事する権利は残しといてやったよ。

「コテツ美味しいよ」

「ありがとう、コテツ」

「コテツ美味しかったよ!」

「可愛い女の子にそない事言われたら嬉しいやないか」

女の子3人の力で多少元気が戻った、コガネはまだ気が乗らないらしいけど、そこはヒノリの力でご機嫌取り戻してるから良いだろ。

「コテツ、お前本当に商売目的だけで他校に行ってるのか?」

「カイどういうこと?もしかしてコテツが女あさりとか?」

「ホントにコテツ!?僕に飽きちゃったの?」

「チカもツバサも早とちりするな、コテツは何かのついでに行ったんじゃないのか?」

コテツはバツが悪そうな顔をして一瞬うつ向く、そして飲み物を一気に飲み干しいつもの笑顔に戻った、やっぱり俺の勘は当たったな。

「やっぱりカイはんには敵いまへんなぁ!そやで、写真はついでと言うか囮やな。勧誘に行ってたんや、他校に行ってそこの主将と大勢の前で試合して、興味持った奴勧誘して、ついでに写真を売ったんや」

「ちなみに俺らの事門下生とでも脚色したんだろ」

「降参でんがな、でも大丈夫やで、大半は辞めた、空手にハマった奴とか喧嘩強うなりたい奴、そんなんばっか残ったんや、まぁ結果オーライやな」

コテツも頭使ったな、下手な鉄砲数撃ちゃ当たるか、これはツバサには言えないけど、中にはコテツ目当ての女の子がいるだろうな。

コテツも地味にモテるんです、誰とでも気軽に話してるし優しいからな、空手にひた向きな姿がカッコイイって奴もいたし。

「やっぱり俺ら使ったのかよ」

「だから謝るさかい、怒らんといてぇな。あっ、それと忘れとった、カイはんとコガネはんに喧嘩で負けた奴も何人かいるで」

「いやそれは破門しとけよ、俺とコガネが危ないだろ」

「大丈夫やで、うちの道場で腐った根性は育たへん」

「そりゃ師範代が腐ってればおのずと門下生はピシッとするだろ」

「コガネはんは厳しいな」

多分強くなって俺らに喧嘩売ってきても勝てる自信はあるけどね、コテツほど強くなる事はまず無いと思うし。

でもコテツは他校に殴りこみに行ったんだろ、それで毎日無傷って、怪物だな、そして潰された空手部は面目丸潰れ。

「でもどうしてもツバサの写真売れないんや、他の四人はバンバン売れるんやけどな」

「何で?僕の不細工なの使ったの?」

「いや、わいが選んだからそないな事はない」

「どうせ『わいの彼女やで』とか言ったんだろ」

「そやで」

「空手部ボコボコにした奴の彼女にあえて手を出そうとする野郎はいないだろ」

「あいたたた、わいとした事が盲点やった、ツバサのが売れれば2割増しやったのに」

「もうコテツの馬鹿、僕のを売らないでどうするの!」

いやいや、コテツは彼女を売り物にするなよ、ツバサは彼氏に良いように使われた事を怒れよ、なんかずれたカップルだよな。


結局焼肉は予想以上に高く4万もした、俺とコガネが意地にになって食ったからな、後の6万は遊園地で使いきるか。

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