赤と金の準備
今回はコガネ目線です。コガネ目線は案外難しかったけど、頑張りました、見てやって下さい。
真っ赤な短い髪の毛の前髪だけを上げて、体は浅黒い、少し子供っぽい顔立ちだけど、そこら辺の女の子よりは可愛い、それが今俺と買い出しに来てるチカちゃん。
相手がチカちゃんってのはまだマシだけど、ツバサ君じゃないだけ良いんだけど、やっぱりヒノ以外の女の子って慣れないんだよな、コテツとツバサ君はやる事があるから、って俺らに押し付けてきやがったし、それにチカちゃんって男っぽいところあるだろ、更にやりづらいんだよな、勝てないんだよな
「コガネ、何ボ〜っとしてんの?」
「別に」
今は飲み物を買ってる、女の子に持たせる訳にはいかないから持ってるけど、チカちゃんの背中って案外大きく見えちゃったりする
「なぁ、こんなにジュースばっかりいらなくない?」
「じゃあ何?お茶とか?」
「酒」
「お酒!?」
チカちゃんが大声で叫んだから思わず口を塞いでた、ってかチカちゃんに触れちゃった、カイはこれくらいじゃ怒らないと思うけど、俺が恥ずかしい
「だ、だから、やっぱり酒は必要だろ」
「アタシ飲んだ事無いし、カイも飲んだ事無いと思うよ」
「あれば飲むから」
俺はジュースを半分近く返して酒を適当に買い物籠に入れた、チカちゃんは若干不安そうな顔をしてるけど、大丈夫大丈夫、それに梅酒とかならそんなに酔わないし。
ある程度飲み物を買った後は、いろいろパーティーグッズ、コテツとツバサ君が変装物は買うなとか言ってたな、何かいない理由が推測がつくんだけど。
チカちゃんは自分が思うがままに走って行く、それに着いてくだけで体力使うって、男っぽいんだけどガキっぽい、変な奴
「コガネ遅い!早く来いよ」
「ちょっと待って、俺荷物持ってるんだから」
「男なんだから大丈夫だろ」
「男にも体力の限界があるから」
「あっそ」
流された、かなり普通に流された、カイ、俺にチカちゃんを操るのは無理だ。
その後も俺は振り回され続けた、女の子って怖い、ってかチカちゃんだけが怖い、やっぱり女の子は苦手だな、うるさい男も嫌いだけど。
俺達は時間が余ったし疲れたから、喫茶店に入って休む事にした、基本的に疲れたのは俺だけなんだけどな、カイは凄い、俺はアクティブな女の子についていけないよ
「…………疲れた」
「だらしない、これくらいで疲れたなんて」
「チカちゃんが俺を使いすぎなの」
「うるさい」
パチンとデコピンされた、ってか痛い、女の子の力じゃないって、額を押さえながら顔を上げた
「………………痛い」
「お疲れ様、ありがとな」
チカちゃんが笑ってる、可愛い、ヒノを好きじゃなかったらヤバい、カイはこれに惚れたんだろうな
「どうした、顔真っ赤だぞ?」
「……………別に」
「何だよ、気になるだろ」
ナイスタイミングで飲み物が来てこの話題は強制終了、そんな女の子に面と向かって、可愛いなんて言えないって、カイなら言いそうだけど。
一口俺がアイスティーを飲むとチカちゃんは目を丸くして見てる、あんまり見るもんだから顔を背ける
「何?」
「ガムシロップは?」
「いらない」
「大人だね」
「そうか?チカちゃんがガキ過ぎるんじゃない?」
“ゴツッ”
今度はグーで殴られた、痛い、女の子に殴られたのは初めてだし、ヒノなら流してくれるのに、頭使わないと帰るまでにボコボコにされる
「ガキじゃない、コガネが爺なんだよ」
今度はフグみたいに膨れてる、これはモテるのも必然だな、ヒノ、俺に理性をくれてありがとう
「今アタシに惚れかけただろ?」
「自分で言う事かそれ?」
「うるさい。で、どうなんだよ?」
「否定はしない、チカちゃんにはカイがいるだろ、それに俺は…………」
「ヒノリの事が大好き、でしょ?」
俺は無言で頷いた、もうみんな知ってるんだろうけど、改めて言われると恥ずかしい
「今日ヒノリにコクっちゃえよ」
「いきなり変な事言い出すんじゃねぇよ」
「だって好きなんだろ?しかももう付き合ってるようなもんでしょ」
ホントにズバズバ物を言う人だな、俺なら引け目を感じて言えないんだけど、チカちゃんってそこら辺がサバサバしてるよな
「何か恥ずかしいじゃん」
「不良のクセに恥ずかしいとか言って、笑える」
「俺は不良じゃない、ピアスもチェーンもファッション、髪の毛は自毛」
「冗談だよ、冗談」
腹を抱えながら笑われた、机に顔を埋めて机をバンバン叩いてる、ってか流石にこれは他人に迷惑がかかるな。
俺は叩いてるてを受け止めて、反対の手でチカちゃんの頭を掴んで起こす、目には涙を浮かべてる、何がそんなに楽しいんだよ
「静かにしろ、迷惑だろ」
「ホントだ、少し笑いすぎたな」
「それに涙」
俺はチカちゃんにティッシュを渡した、チカちゃんはまだ若干笑いながら涙を拭いてる、チカちゃんの笑顔って純粋に眩しい、惚れる惚れないは別として何か輝いてる
「コガネって優しいんだな」
「何が?」
「ティッシュありがとう」
「別に普通じゃねぇの。それと、人の事で大爆笑するな、………………何か恥ずかしいだろ」
顔が熱い、そんな俺の顔をチカちゃんは覗き込んで来た、ビックリして背持たれに寄りかかると、勢い余ってそのまま引っくり返った、俺は慌てて直して普通に座る
「大丈夫か?」
「何とか」
「でもコガネって可愛いな、すぐに顔を真っ赤にして」
「うるせぇな」
「最初の頃なんてアタシと話しただけで赤らめてたもんな」
また古い記憶を、女の子なんてヒノくらいしか免疫が無かったからな、今でも三人以外はまともに喋れないけど
「外見だけ見ると怖いんだけど中身は可愛いんだよね、そのギャップがモテる理由とアタシはみた」
「そうなの?」
「そう、だってコガネホントに可愛いんだもん、なんかいじめたくなるんだよな」
「チカちゃんってS?」
その言葉に顔を真っ赤にしてうつ向いちゃった、そんだけで?って感じだよな、カイと一晩過ごしたのに
「チカちゃんはカイのどんなところが好きなの?」
「何だよいきなり」
「何となく」
「カイって物凄い大きいんだよね、なんか包容力があるっていうか、包み込んでくれる感じ、隣にいるだけで安心出来る。カイはアタシの事を太陽って言ってくれた、アタシが太陽ならカイは海、太陽を映し出してくれる海、太陽は一人で輝いてても虚しいだけだろ、でも海に反射すると物凄く綺麗に映るんだ、だから海があれば太陽は綺麗に輝けるの」
何かチカちゃんとカイって会うべくして会った、運命そのものみいたいだな、チカちゃんが太陽でいられるのは、海であるカイがいるから、か
「それに太陽と海って夏ってイメージがあるでしょ?」
「まぁそうだな」
「アタシの名前は千の夏って書くだろ、太陽だけの夏なんて誰も望まない、海があって初めて千の夏を楽しめるんだよ。無理矢理のこじつけだけどね」
「何かチカちゃんって良い女だな、ヒノより先に出会ってたら惚れてたかも」
「今は?」
「ヒノ以外は親友止まりだね、チカちゃんもツバサ君も親友だと思ってる、分かるだろ?」
チカちゃんは微笑みながら頷いた、今の俺はヒノ以外に興味はない、多分みんなそうだと思う、好きなんだからしょうがないだろ。
いつかはこの気持ち、面と向かって言える時が来るはず