青のライバル
遅刻してきた上に教師と喧嘩までした俺らは、あっという間にクラスの有名人になった、俺的には好ましくないんだけど周りはおかまいなし
「コガネのせいだぞ」
「何が?」
「コガネがあそこで喧嘩腰になるから、完璧に目をつけられたぞ」
「カイもかなり挑発してただろ」
二人で一緒にいるから更に目立つ、一緒っていうか席が隣なだけなんだけどね
「おい!五百蔵、四色終わったら応接室に来い」
「何で?」
「自分の髪見たことないのか?」
「自毛だよ、俺もコガネも」
「とりあえず来い!」
あぁ、うるせぇな、コガネに至っては終始シカトをしてた、喧嘩されるよりはマシか。
俺らは渋々、応接室に行った、中に入るとチカもいた、ホントに髪の毛のことで呼ばれたんだ
「チカもいたんだ」
「当たり前だろ、髪の毛の事なんだから」
「それが信じられなかったから」
「カイ、誰?」
コガネがチカに近づいて顔を覗きこんだ
「な、何だよ?」
「手を出すなよ、俺の彼女なんだから」
「ふ〜ん」
そういって離れていった
「コイツはコガネ、同じクラスの奴」
チカが目を細くして、コガネを見た、この二人あうのかな?
「カイをよろしくな!」
「カイには借りがあるし、こんな口のたつ奴が近くにいれば鬼に金棒だろ」
「何の鬼だよ?」
「……なんだろ」
馬鹿なんだなコイツ、この調子だから喧嘩ばっかしてたんだろうな、朝みたいな感じで
「お前ら、騒ぐな!」
『うるせぇな』
ボソボソっとコガネとハモった、聞こえたらしく睨まれた、俺らも睨み返すように見た
「お前ら本当に自毛なのか?」
「そうだよ、疑うなら一本提供してやろうか?」
「俺はハーフだからしょうがないだろ、お前らも知ってるだろ」
「そこのは?」
「潤間です」
あぁコイツホントにムカつく、人の話しは聞かないし、無駄に偉そうだし
「しょうがない、でもその服装は何だ?」
「ブレザーとネクタイが嫌いだから」
「趣味」
こっちは案外うるさいけど、この馬鹿ならどうにかなるだろ
「でもあれですよね、ここ公立だし、校則で無いですよねカーディガンもOKだし、光り物も大丈夫ですよね」
「高校生らしい服装を、とあるだろ」
「高校生らしいって人によってそれぞれですよね、俺らはこれが普通なんですよね、先生はどうか分からないですけど、先生の観念を押し付けられても困りますから」
「……」
また拳を握って震えてる、最初に俺が言った事が効いたんだろうな、普通だったら今頃コガネと大喧嘩してるはずだけど
「他に無いなら帰ります」
「……」
俺らはあのアホ教師を残して応接室を出た、その後大きな音が聞こえた、多分アイツが何か蹴った音だろ
「ハハハ!カイ最高、マジ気持ちいい」
「俺も、アイツ馬鹿だから簡単に口で負かせるし、最初に俺が言った事もあって何も出来ないからな」
「教師と喧嘩したのってホントにカイ達だったんだ」
クラスだけじゃなくて学校中に知れ渡ってらしい、明日からが面倒だな
「誰から聞いたの?」
「アイツ」
チカが指差した先には、スカートを短くしてその下にジャージを履いて、明らかにギャルっぽいけど何故かナチュラルメイクの女の子だった
「誰?」
「友達」
「違うでしょチカ、僕はチカの‘オンナ’」
僕?オンナ?もしかしてあっち系の人?
「これがチカの彼氏?」
「そうだよ」
「よろしくね、鷲鷹翼!」
「俺は…」
「知ってるよ、四色海君と五百蔵黄金君でしょ、遅刻して先生と喧嘩した」
何だコイツの情報通っぷりは、フルネームまでしってるし、俺はチカが教えたとしてもコガネは?
「コガネ、知り合い?」
「騒がしい奴に知り合いはいねぇ」
第一印象は最悪だな、コガネとは正反対だもんな
「何でこんな奴と友達に?」
「こんな奴なんてヒド〜イ、僕はただ…」
「アタシがメイクしただけ」
ずっとチカ腕にしがみついてクネクネしてる、もしかしてライバル出現!?
「何で?」
「だってツバサのメイク酷いんだもん、化粧品の無駄遣い」
そういえばチカはメイク得意だったんだよな、まぁそこで手を出すのはチカらしいな
「チカメッチャクチャメイク上手いから感動しちゃって、運命感じちゃった」
すみません俺の彼女なんスけど、軽く嫉妬してみたりする
「カイ、帰ろう、コイツうるさい」
「コイツじゃない、ツバサだ」
うわぁ、仲最悪
「ツバサ君をどこかにやってくれ、じゃないとクズになる」
クズ?あぁ殴るって事か、しょうがないチカと帰りたかったけど、コガネをコイツから離すか
「チカ悪い、コガネと一緒に帰るからソイツくくっといて」
「ソイツじゃないツバサだ!」
「ツバサ君をくくっといて」
「分かったよ、行こツバサ」
「ベーっだ!」
片目瞑って舌を出してる、ホントにイタイ奴だな。
コガネと二人で帰ってる時は凄くイライラしてた、完璧ツバサのせいだよ、この二人は近付けない方がいいな
「あぁ、ムカつく」
「そうカッカするな、もう会わなきゃ良いだけだろ」
「お前がいるかぎり来る」
「何で?」
もしかしてツバサが俺に惚れて、コガネはそれを瞬時に見抜いたとか?
「お前の彼女が来るだろ」
「あっ、そっか。何とかなるだろ」
「いや、無理だ、あの女は生理的に受け付けない」
うわぁ、完全拒否姿勢だよ、何とか二人が喧嘩しないようにがんばんないとな。
ツバサか、また変な奴に会っちゃったな、でもコガネとは巧くいきそう、でもコガネと一緒にいると何か事件が起こりそう