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青と赤の同居

コガネの家を出てからは意外にコガネの家から近いということが判明したコテツ宅にコテツを送ってから帰った。

玄関に入ると靴からみてツバサとヒノリがいる事が分かった、ってか何時までいるつもりなんだろ、もう9時を回ってるぞ、それにキャイキャイ騒ぐ声が、入り辛いけどしょうがない

「ただいま!」

そういうとすぐにチカの返事が帰って来た

「お帰り」

リビングか、ってか会話が完璧に無くなった、何でだろ。

リビングに行くとフリーズしたツバサとヒノリがいた、そんで理解が出来ない俺とチカがいた

「何でカイ君が?」

「ここってチカチカの家だよね?」

「うん」

もしかして、俺の説明不足っていうか、想定の範囲外というか、とりあえず今考えてる事は十中八九当たってるだろうな

「カイっちは何で?」

「俺んちもココだから」

『えぇぇぇ!』

やっぱり、説明をしてなかったらしい、俺もチカも言ったと思ってたからこっちもビックリしてるし

「もしかして、チカチカとカイっちは同棲してるの!?」

「近からずとも遠からずかな、正確には俺とチカとユキとマミ姉でくらしてる、かな」

ヒノリの鋭い目が真ん丸になってる、尋常な生活じゃないのは分かるけどそれっぽい事を言ったような気がするんだよな

「チカチカ!何もされてない!?」

「されてないよ」

「それにする暇も無いから」

「不純」

「だから何もしてないって!」

ツバサとヒノリの間で色々な妄想が飛び交ってるらしいけど、ユキとマミ姉がいたらそんな事出来ないし、する気は……、無いって事で

「じゃあヒノノ二人の時間を邪魔しちゃ悪いね」

「うん、営みの邪魔はいくら友達でも出来ないからね」

「じゃあ、また明日!」

逃げるようにツバサとヒノリが帰って行った、何か物凄い勘違いしてる気がするんだよな

「する?」

「しねぇしユキとマミ姉が帰って来るぞ!」

「冗談だよ」

目がそれっぽかったから冗談っぽく聞こえないし、しかもチカにそんなこと言われてドキドキしてるし。


部屋で着替えて雑誌を読んだり音楽を聴いたりして暇を潰してた時だった、いつものように窓を叩く奴が一人、犯人は分かってる、チカだ、部屋が隣だからたまに屋根をつたって来る事がよくある。

窓を開けて俺も外に出た

「今日は星綺麗だな」

「ホントだ。ってか今日コテツが悲しんでたよ」

「何で?」

チカは本気で分かって無いらしい、無知って罪だね

「ツバサを連れてっちゃったじゃん」

「あぁ!盲点だ」

「まぁ良いけどね、男同士の話ってのも楽しかったから」

チカは笑って空を見た、この屋根にいるときが俺は好きだ、夜風が気持良いし街の灯りが綺麗だから今見てるもの全部手に入れた錯覚に陥る、その錯覚が気持良い

「コガネはヒノリの事好きなんでしょ?」

「そうだよ、ヒノリもだろ?ヒノリは告白する気は無いの?」

「今一つ勇気が出ないんだって、好きだけど言ったら幸せが逃げそうで怖いんだって」

「コガネも全く同じだよ、無理に俺らが引っ付けても本意じゃないだろうな」

俺らが無理矢理機会を作ったりコクらせる事は簡単だけどそれは望まないだろうな、二人はスローペースな恋がお好みと

「ヒノリは待ってるのに」

「でもコガネが一人暮らしなのは知ってるだろ、その時に助けてくれたのがヒノリなんだって、だから現状を壊したくないらしいよ」

「ならヒノリの好き好きアピールしかないな」

「好き好きアピール?」

「そんな気を見せればコガネも決心がつくんじゃない」

そうだよな、不安ならその不安要素を取り除く何かがあればどうにかなる、コガネの場合はヒノリの確かな気持ちか、ヒノリはそんなに表に出すタイプじゃないから難しいんだよな

「明日ヒノリに相談してみるよ」

「頼んだ、俺もコガネをどうにかしてみるから」

そういって部屋に戻ろうとした時に後ろ手を掴まれた、まだ何かあるのかな、それとも俺がいないと寝れないとか?多分後者の可能性は少ないだろうけど

「何?」

「おやすみのキスは?」

あまりの事にむせかえった、チカから始めて聞く言葉だったから、それにおやすみのキスなんて一回もしたこと無いし、同居マジックか?

「何、恒例っぽく言ってるの?」

「出来ないの」

チカから顔を背けて、チカが手を掴む力を強くしたのを確認したら、振り返って素早くキスをした、俺って策士だな、顔を離すとチカは顔を真っ赤にしてうつ向いてる、これが本来のチカだよ

「おやすみ」

「……おやすみ」

チカを屋根に残して部屋に戻った、すぐにチカが部屋に戻ったのを確認して、明日に備えた。



翌日、昼休みいつものように弁当を食べてるとツバサがあの話を蒸し返してきた

「コテツ、コガネん、カイっちとチカチカが同棲してるの知ってた?」

「俺は知ってたよ」

「ホンマかいな!?わいは知らんかったで、隠すなんてきたないで」

「別に隠した訳じゃないし、知ってると思ったんだよ」

そっか、コガネには言ってたから皆に言った気になってたのか、でもコガネは何でヒノリとこの話をしなかったんだろ、他人を話の種にするのは嫌いなのかな

「ヒノは知らなかったの?」

無言で頷く

「知ってると思ってた」

コテツが静かに寄って来て周りに聞こえないように耳打ちをしてきた、何となく予想つくけど

「やったんか?」

ビンゴ、高校生だから気になるのは分かるけど、それを出来る状態にする親はいないだろ

「ツバサも同じ事聞いてきた」

「で、どうなんや?」

「残念ながら、期待通りの応えは出来ないようだ」

「何や、おもろうないな」

やっぱり同居っていうとみんなそっちの方に考えるのかな、でもユキとマミ姉がいるから出来ないもんな、お互いがお互いを監視させるのが目的だろうな

「おやすみのキスくらいはしてるだろ?」

コガネの問いにチカが弁当を詰まらした、無言で応えてくれてありがとう、コガネでも分かったらしい

「流石カイ」

「一回だけだよ」

「僕にはキスしてくれないのに、カイっちにはおやすみのチューまで」

落ち込むところか?だんだんツバサが本気か冗談かが分からなくなってきた、それに彼氏がいる前で言わないだろ

「チカちゃんも気を付けろ、カイは危ないぞ」

「危なくねぇよ」

「大丈夫、そこまで弱い女じゃないから」

「チカも普通に返すな」


その後、男子だけになって

「終わったら報告しろ」

だってよ、青春ボーイズが、報告するわけないだろ、こっちにも黙秘権があるんだよ

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