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[俺が]遭遇[なにをした]

 



 安宿の窓から日の光が入り込む。日の光と睡魔。僅差で日の光が勝ち意識だけ起きる。

昨日は最悪だった。とはいってもほとんど覚えてないけど。とりあえずすごく痛い。頭が。あと、だるい。これは絶対に二日酔いだ・・・(´・ω・)こんなにツラいとは・・風邪よりきついんじゃないか?

ああ、だるい。はあ・・起きなきゃな・・・

意識が体を叩き起こしにかかる。もぞもぞと体を動かし起床の準備を開始する。

―が、微睡の中のこの体はどうやら起きるつもりはないらしい。困った困った。

しょうがない、もうちょいだけ寝よう。



―――――ん?




 違和感。主に腕の辺り。こう、抱き枕みたいな大きさの。なんか、すげーいいにおい。

そこでふと考える。

あれ?抱き枕なんてあったっけ?高級な宿ならいざ知らず、ここは安宿だぞ?

ほら、その証拠に頭には枕はない。ベッドも硬い、壁は薄い、釣りは正しく返ってこない、文句を並べたらキリがない。安いからいいんですけどね。そんな宿の中でも、すきま風とたてつけの悪いドアが売りの布団以外無駄のないスタイリッシュなお部屋を選んだ・・はず。

まあいいか。

寝起きのユルい頭では考えられないと問題をちゃっちゃと放り出し、ついでに意識も投げ捨てよう―――


「――すう」


――とは、できなかった。

「は?、えっ?」

目を、開ける。なにもありませんように、どうか気のせいでありますようにと激しく祈りながら。


白銀の海。朝日を反射し美しく煌く白銀が、視界を染め上げていた。

光に目が慣れる。少しずつはっきり見えてくる。

――髪だ。長い白銀色の髪が目の前にあった。

とすれば当然この反対側には顔があるわけですよね。おそるおそる体を起こしこの髪の持ち主の顔があるであろう向こう側を覗く。



少 女 が 寝 て い た !!



まあ、ある程度は予想してましたよ。目を開いた時点で。

さて、落ち着こう。人間落ち着きが大切だ。深呼吸して、いったん目を瞑ろう。夢だ、どうせ。酒なんか飲んだもんなんだからバチが当たったのかもな。うん、きっとそうだ。ああ、だんだん落ち着いてきた。

そうだ、昨日報酬を受け取ったから今日は休みなんだ。ようし意識もはっきりしてきた。よし、休みだ休み。オラ、ワックワクしてきたぞっ。ほうら、目を開けば素晴らしい世界が待って・・・・ねえよっ!!はぁ、なんで!?落ち着け落ち着け。

・・えっ?なんで?いや、ほんとに。



さて、皆さん、大変なことがわかりましたよ。これは夢ではないらしいのです。

ですが皆さん、安心してください。この少女、服を着ています。ええ、布団を掛けなおす際に確認しましたよ。だからこの先、R-18になることはないでしょう。いえい、ブイブイ。


空に向かってそんな風に現実逃・・・もとい現状報告をしていると白銀少女(仮)が動きだした。

ちなみに現在の位置関係は、壁、俺、白銀少女(仮)、となっている。脱出はまず不可能。詰みゲーキターっていうかやばいやばいマジでやばいあっ起きやがったあばばばばばばばば。



この瞬間に考えた対処法(箇条書き)


1、「おはよう」と声をかけてみる。

2、とりあえず土下座。

3、後ろの窓(2階)から脱出を試みる。

4、寝たふり。

5、無の境地へ戦略的撤退。



なにをとち狂ったか俺は3を選択。人間あせるとまともな思考はできないんだな。

窓を開け、手を掛ける。なあに人間二階から落ちたって死にはしないさ。さあ、無限の彼方へ・・・

「なにを、してるの?」

いざ、羽ばたかんと跳躍しようとする足、というかズボンの裾を掴まれる。それに気づかず跳躍。

――当然、バランスは崩れる。素晴らしき楽園(外)には脱出できず、ベットにダイブ。もちろん後ろから。

「あはは、変な人ー」

盛大にベッドにダイブし、あげく床に転がり落ちた俺。ベットの上で笑ってる白銀少女(仮)。

「おはよっラグナさん」

「お、おはよう・・・」

あれ?なんかフツーに事が進んでるぞ?俺?俺がおかしいの?

夢ではないことは確かだ。床に衝突した後頭部もそう主張している。

とりあえず立ち上がる。少女も布団から這い出てきた。こら、服が乱れてるぞ。直しなさい。

あ・・・布団たたんでくれた。いい子じゃないか。

「では、ラグナさん。今日はなにするんですか?」

なにが起きてるんです?神様。この子は誰?なんで俺の日常にこんな食い込んでくんの?

「あの~君は・・・誰?」

正直に聞いてみた。とてつもなく失礼だが、ま、しゃあない。

「えっ!?あの・・・もしかして・・ラグナさんではない・・のですか?」

「いや、ラグナだけれども・・・実は、昨日のことをあんまし覚えてないんだ・・」

「記憶喪失さん?」

「そしたら名前も覚えてないでしょう」

「むぅ、変な人ですね」

なぜ、変な人扱いをされなきゃいかんのだ。

「まあ、いいです。自己紹介もう一回します。覚えてくださいね」

おお、待ってました。これで謎は大体解けるんじゃないか?皆さん、解決編ですよ。

「え~コホンッ私の名前はアリスです」

「・・・・・え・・それだけ?」

み、短くね!?自己紹介名前だけなの?紹介しきれんの?

「えっ?・・・えっとあと・・あと・・魔法ちょっとは使えます。あと家事できます。あ・・あとはす、好きな食べ物はリンゴです・・・そ、それでえっと・・きょ、今日からラグナさんの助手になりましたっ!!よっよろしくお願いしますっ!!」

おお、リンゴが好きなのかそうかそうか。後で買ってあげよう。

しかし魔法が使えるのか、すげえ。んで、家事もできて今日から俺の助手になったのか。



・・・おいちょっと待てよ。助手?・・・誰の?俺の?

え?えぇぇぇぇぇぇぇぇええええぇえ!?





というギャグパートでした。

「え」と「・」をみすぎてゲシュタルト崩壊を起こしたのはもう昔の話。

ヒロイン?も登場しましたしね。

誤字、脱字があったら指摘お願いします。


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