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【第九話】

九話いってみましょう。


結局、昨日はモヤモヤとした気分のままだった。

そう。

霧がかかったようなモヤモヤ。

なかなかに気分が悪い。

しかしその霧の中に1つの点がある。

その点に視点を合わせ、徐々に近づいてみる。

『ずっと芳佳のそばにいたい』

これが恋?

やはり分からない。



放課後。

ダイソーと果物店に寄っていく。

彼女の所に近づくにつれて楽になっていくような気がする。


ショウ:

芳佳ちゃん、また来たよ~。


芳佳ちゃんはふくれっ面になる。

僕は何かしたか!?

記憶を辿ってみる。

新しい順から…


挨拶をした。

病室に入った。

学校をでた。

授業。

家を出た。

起きた。

寝た。

家に帰った。

病室を出た。

約束をした。


約束…

あぁ、そういうことか。


ショウ:

今日も来たよ、芳佳。


僕は訂正をした。


ヨシカ:

いらっしゃい。

待ってたよ、彰。


僕はバスケットを芳佳ちゃ…

訂正。

バスケットを芳佳に渡し、近くの椅子に座る。


ショウ:

調子はどう?


ヨシカ:

良いわよ。

先生がね、足の治りが早いから来週には退院できるかも、だって。


ショウ:

マジで!?

おめでとう。


そう。

芳佳の足は、たいした怪我じゃない。

治りが早いのも頷ける。


ヨシカ:

ありがとう。


嬉しそうに答える。

僕も素直に嬉しい。

その時、

ぐぅ~~

と僕の腹がなる。


ヨシカ:

…ップ。

あははははは。


ショウ:

あはは…


恥ずかしい。

ちょっとした沈黙の時に鳴ったため響いた。

顔から火が出そうだ。


ヨシカ:

彰が持って来てくれたリンゴを食べましょう?


ショウ:

ありがとう。


芳佳はバスケットからリンゴを取り、僕に渡す。

僕は百円均一で買った果物ナイフを手にとりリンゴをむく。

僕はリンゴを初めてむいた為かリンゴがイビツな形に精製されていく。

そんな様子を見た芳佳は耐えきれなくなったらしく、


ヨシカ:

ナイフの握り方はこう。


と僕の手をとり正しい握り方にする。


ドクン


胸が苦しくなった。

けれど辛くない。


ずっとそばにいたい。

ずっと触れていたい。

僕はようやく理解した。

これが恋なんだなぁ。


半分綺麗にむけたリンゴを八等分にする。

皿にのせ、芳佳に渡す。


ヨシカ:

はい。


芳佳はリンゴの1つを僕の口に向かって持ってくる。


ショウ:

あーん。


食べる。

リンゴは甘く、そして美味しかった。


ありがとうございました

今回は彰が恋をようやく理解するという話でした。

御意見、御感想をお待ちしています。

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