【第五話】
第五話投稿します。
ゆっくりとどうぞ。
芳佳ちゃんはその後、何回も何回も噛みしめるように僕に尋ねる。
ヨシカ:
本当に見捨てない?
僕は優しく答える。
ショウ:
あぁ、見捨てない。
僕の特技は知り合った人とは、ずっと仲良くいられることなんだ。
これは嘘ではない。
ヨシカ:
嬉しい!嬉しい!!
芳佳ちゃんは嬉しそうに受けとめる。
~数分後~
ようやく芳佳ちゃんの感情の高まりが静まりベッドに戻った。
僕は頃合いを見計らって切り出した。
ショウ:
落ち着いた所で僕といくつか約束してくれる?
ヨシカ:
内容によるわ。
ショウ:
分かった。
まず1つ目。
絶対に自殺をしようとしないこと。もし自殺をしようと思ったらすぐに僕に連絡すること。
僕がこの命にかけても君を救う。
2つ目
私はいらない子だって絶対に言わない事。
君とは、まだ知り合って間もないからこれだけだけど、ダメだと思うことはどんどんこの約束の中に入れていくからね。
ヨシカ:
分かった。
約束する。
そのかわりあなたも1つ約束して。
私を…見捨てないで。
僕は芳佳ちゃんの手を握りしめ
ショウ:
絶対にその約束は破らないよ。
と答える。
芳佳ちゃんの手は震えていた。
ショウ:
あ!
そうだ!!
もう一つ約束…って 言うか、これはお願いかな?
前髪を切らないかい?
ほら、こうすれば可愛いじゃないか。
僕は、鼻の頭まで伸びている芳佳ちゃんの前髪を上げる。
マジで可愛い。
前髪がある時はまるで貞子みたいだ。
誰が見てもそう思うだろう。
ヨシカ:
い、嫌よ。
なんで切らなくちゃならないのよ!!
真っ赤な顔で否定する。
初めて人の顔が赤くなるのを見たかもしれない。
と言うわけで、
今日はただひたすら喋った。
趣味、特技、好きな歌手、好きな食べ物etc.
いくつか同じだという所もありさらに盛り上がった。
あっと言う間に時間は流れ、
ショウ:
そろそろ帰らないと。
ヨシカ:
うん。
そ、その…
ショウ:
また明日でしょ?
言うのが恥ずかしかったみたいだから先に言ってあげる。
ヨシカ:
また明日ね。
えへへ。
恥ずかしげに言う姿がさらに可愛い。
だけど思い出す。
学校がある。
ショウ:
ごめん!!
明日は学校に行かないと。
芳佳ちゃんは淋しそうに言う。
ヨシカ:
そう…。
これはダメだ。
後に付け足す。
ショウ:
けど、夕方に来るさ!
芳佳ちゃんは明るくなった。
良かった。
ショウ:
それじゃまた明日。
ヨシカ:
うん。
僕は病室を出る。
そう僕らはまた明日会える。
今回初めて芳佳の明るい場面を書いてみました。
なかなか"可愛い"を表現するのが難しかったです。
さてこのへんで。
次回も良かったら読んでって下さい。