【第十五話】
十五話登校します。
最近宿題や用事が忙しくてなかなか続きを書けませんでした。
では今回は結構長く書いたのでごゆっくり。
~放課後~
長い長いホームルームが終わり、僕はすぐに家へ帰ろうとした。
アツシ:
彰!!
最悪のタイミングで呼び止められた。
敦士の事だからどうせ…
アツシ:
野球しようぜ!!
ショウ:
やらない。
じゃあな。
そう。
敦士は野球好きなのだ。
人数が足りないなら公園にいる小学生までを巻き込む。
なかなか迷惑なやつに思われるけれど、なぜか野球をした後は心地良い爽快感。
いや、達成感だな。
全力でさせられる。
他でもない敦士に。
敦士とやると軽くするつもりが全力でやらされる。
そんな特殊な能力を持っている。
アツシ:
ちょ、お前最近ちょっと冷たくね?
ショウ:
僕だって暇じゃないことだってあるんだ。
アツシ:
ここ1週間以上聞いてるぞ、それ。
ショウ:
すまんな、本当に忙しいんだ。
アツシ:
分かったよ。
またそこらへんにいる小学生とするさ。
ショウ:
また埋め合わせするよ。
と言い教室を出た。
ショウ:
ただいま。
ヨシカ:
おかえりー。
ショウ:
あれ?
1人?
ヨシカ:
うん。
そうだよ。
グッドタイミングだな。
よし。
ショウ:
芳佳。
僕の部屋に来てくれる?
芳佳は顔を赤らめる。
ヨシカ:
う、うん。
分かった。
何か決心したように言う。
なぜたろう。
おかしなことを言っただろうか…
芳佳はスタスタと2階に上がる。
~部屋~
芳佳はそわそわしている。
初めて入った…でもないし。
まぁいいか。
ショウ:
単刀直入に聞くよ。
今日学校を休んだのは学校に行きたくないからだよね?
芳佳は待ち構えていた言葉とは違ったらしく返事に困っている。
あわあわと。
ヨシカ:
な、なんでそう思うの?
少し落ち着いてから聞き返す。
ショウ:
悪いと思ったけれど芳佳のことを調べた。
ヨシカ:
………………そう。
ショウ:
先に謝るよ。
ごめん。
深々と頭を下げる。
しかし芳佳は、
ヨシカ:
いや仕方ないよ。
突然一緒に登校する約束を破ったんだから。
少し間が空いてから、
ヨシカ:
うん、そうだよ。
行きたくなかったんだ。
私友達いないし行っても意味がない。
私が学校に行っても場違いな目で見られるだけ。
本当に意味がないんだよ。
ショウ:
そんな事はない!!
僕は叫ぶ。
僕はできる限り叫ぶ。
ショウ:
富士最澄に聞いた。
クラスの子はみんな話しかけようとしてた。
しかし芳佳はふさぎ込んで聞こうともしなかった。
そうだろ?
ヨシカ:
…うん。
ショウ:
それは芳佳が悪い。
しかしそれは過去の話。
それは取り戻せない。
ヨシカ:
そう。
あれは私のせい。
だけど今は違う。
彰のお陰で変わった。
変わることが出来た。
本当は学校に行きたい。
行ってみんなに謝りたい。
けど怖い。
どうなるか分からない。
それが本当に怖い。
足が竦むの。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…
途中で僕は抱きしめる。
優しく、赤ちゃんを抱くように。
ショウ:
そんな時は素直に人に頼ればいい。
ここにいるじゃないか。
あの時誓った人間がすぐ近くに。
ヨシカ:
彰…
彰…
ありがとう…
うわぁーー!!
何度目か僕の胸の内で泣いた。
もちろん泣きやむまでずっと。
僕は聞いてみた。
なぜあんなに顔を赤らめてソワソワしていたのかを。
ヨシカ:
私達もう付き合ってるじゃない?
付き合ってる人の部屋に入るのって恥ずかしくて…
ショウ:
………へ!?
付き合ってるって僕達が!?
ヨシカ:
そうよ。
私の事を守るって言ってくれたじゃない!?
ショウ:
うん。
確かに言ったよ。
ヨシカ:
あれって告白じゃなかったの?
ショウ:
そんなつもりで言ったつもりは無かったんだけど…
ヨシカ:
そうなの…
明らか悲しそうな顔をする。
芳佳のこんな顔を見たくない。
僕は決心した。
芳佳の目を見て手を取りゆっくりと噛みしめるように言った。
ショウ:
僕と付き合って下さい。
そして僕はようやく芳佳に自分の気持ちを伝えることが出来た。
僕達は付き合うことにした。
ようやく彰が自分の気持ちを伝えることが出来ました。
変わったのは芳佳だけでなく彰も変わったのです。
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