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【第十一話】

第十一話投稿します。


僕は走った。

ただひたすらに走った。

がむしゃらに走った。

これじゃこの前に見た夢を再現しているだけじゃないか!!

〔第六話参照〕

今回こそ止めてみせる。

同じアヤマチを二度と繰り返してたまるか!!

まずは病院に行くべきと判断した。



バンッ



乱暴に扉を開け中に入るが芳佳はいなかった。


ショウ:

どこに行ったんだ!?


僕は頭の中でこの病院の地図を広げる。

誰も立ち入らなくて人気ひとけの無い場所。

そんな場所あるわけ……


ショウ:

あった!!


僕はまた走り出す。

ある場所へ向かって。

その場所とは屋上だ。

なぜならあそこは老朽化が進み工事をする為に一昨日ぐらいに立ち入り禁止になっている。

ちなみに工事開始は四日後の正午。

なぜこんなに詳しいかと言うと昨日、入口に紙が貼ってあったから見たのだ。



バンッ


再び乱暴に扉を開ける。

屋上に出て一番遠い所に芳佳はいた。


ショウ:

待つんだ、芳佳ーーー!!


精一杯の声で叫ぶ。

芳佳はビックリしてこっちを見る。


ヨシカ:

私、生きてちゃダメな子なの!!


ショウ:

待って、今そっちに行くから!!


ヨシカ:

さようなら。

今までありがとう。


飛び降りる体制をする。

僕は走る。


間に合え!

間に合え!!

間に合え!!!


芳佳は動かない。

芳佳のまわりだけ時間が止まったかのように。

僕は一気に駆け寄り一気にこちらに引っぱった。

そして芳佳を受け止める。


ヨシカ:

……イヤ。

死にたくない。

死ななきゃいけないのに彰が頭の中に現れてっ…

ずっとそばにいたい。

そんな気持ちが私を引き止める。

なんで!?

どうして!?

今までこんな気持ちなったことないのに…

うわーーーーーっ



僕は芳佳を抱き締め、


ショウ:

僕もずっと芳佳のそばにいたい。

誰が何を言おうと君のそばにいて君を守ろう。


そう、僕はずっと人を支える力は無いと思っていた。

だから愛することができなかった。

しかし、守りたい人ができた。

支えるよりもずっと大事な事。朝に考えていた問いの答えがようやく出た。

僕は芳佳を守りたい。




病室に戻り、芳佳の話を聞いた。


芳佳:

私の両親は本当の両親じゃないの。

私が5歳の時にお母さんが病気で亡くなったの。

それからお父さんは私を大事に育ててくれた。

本当に感謝してる。

そして私が小学校に入って数ヶ月の時、お父さんは再婚した。

私と義母は最初は仲が良かった。

本当の家族みたいだった。

しかししだいに義母は掃除、洗濯、ご飯を作る事を押し付けるようになった。

さらに、義母はお父さんが私を育てながらもこつこつと貯めてきたお金を湯水のように使い出した。

みるみるに鞄や服が増えていく。すぐに貯金は尽きた。

お金が無くなるとすぐに義母は浮気をしだした。

お父さんが帰りの遅い日は決まって愛人が来る。

こんな生活を耐え忍んで2年。

小学校3年生の時、お父さんはガンで亡くなった。

それからは…

言いたくない。


ショウ:

うん分かった。


話している間ずっと辛そうだった。

聞いている僕がどうにかなりそうなくらいに。


ヨシカ:

そして今日お昼に義母に電話をしたの。

あと一週間くらいで帰りますって。

するとこんな返事が返ってきたの。


『あんた生きてたの。

てっきり死んだと思って荷物全部捨てちゃったわよ。

てかなんで生きてんのよ!!

そのまま死ねばいい』


って。私生きてちゃイケないんだって。


芳佳は震えていた。

僕も震えていた。

芳佳は悲しみで、僕は怒りで。

そんな親がいていいのか、嫌ダメに決まってる。


ショウ:

そんな家に帰る必要はない!!

そうだ僕の家に来たらいい。


ヨシカ:

…いいの?


ショウ:

あぁいいとも。


ヨシカ:

…ありがとう。

ありがとうっ!!


こうして芳佳は僕の家で暮らすことになった。

どうでしたか?

芳佳の過去を書きました。

書いててけっこう難しかったです。


御意見、御感想お待ちしています。

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