「古い映画」
とある日の夜。
イシュタール財団の食堂では、DDとの起動実験を終えたゼクストの面々が、夜食を取っていた。
何気ない空気の中、ふとアークが口を開く。
「なぁ……“コレ”ってよぉ……」
そう言いながら、首の後ろにあるDコネクターを指で示す。
「なんかさ、めっちゃ昔こういう映画なかったか?」
イノとサムは顔を見合わせ、首を傾げた。
そんな中、クリスがゆっくりと反応する。
「……その作品を知っているとは、意外だな」
「いや、まだオルフェにいた頃、たまたまテレビで流れててさ」
アークは答える。
「内容は全然覚えてねーんだけど、こういうのあったよなーって」
アークは、思い出すように続けた。
「んで、そこにDケーブルみたいなのぶっ刺しててさ」
「DDと一緒だね!」
イノが目を輝かせて言う。
「アフフ……ちょっと見てみたいな、その映画」
サムが続けて言った。
「クリス、その映画の、な、名前知ってる?」
「“A10”という映画だ」
クリスは静かに答えた。
「ねぇ…この後、皆で見ない?」
イノが楽しそうに提案する。
「い、いいね! アフフ!」
サムも嬉しそうに頷いた。
「……なぁ、クリス。ちなみにそれ、どんな内容だ?」
アークが尋ねる。
「…かなり、哲学的な内容だ」
クリスは少し間を置いて答える。
「オレ、絶対途中で寝るわ」
アークは笑いながら言った。
「ボク、お菓子持ってくる!」
イノが立ち上がる。
「アフフ! ボ、ボクも、持ってくるよ!」
サムも続いた。
クリスも、ゆっくりと席を立つ。
アークはその様子を眺めながら、心の中で思った。
(……ま、たまにはこういうのも悪くねーな)




