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エーテルコード:サイドストーリー  作者: エトコッコ


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6/16

「繰り返し」


とある日の、夕方頃。


イシュタール財団の施設内で、アークはスマカで好きな音楽を聴きながら歩いていた。


ふとラウンジを見ると、ソファーにイノとクリスが並んで座っているのが目に入る。


イノはゲームを、クリスは絵本を読んでいた。


――割と、いつもの光景だ。


アークは二人に声をかけた。


「よっ。サムは?」


「サムなら、たぶん部屋にいると思う」


イノが答える。


クリスも無言のまま、こくりと頷いた。


「そっか。てか、お前らまたそれかよ」


アークは苦笑しながら言う。


イノが手にしていたのは、“BW2”という携帯ゲーム機。


元々イノが拾ってきたものを、サムが修理したものだった。


そのため本体は傷だらけだが、動作にはまったく問題がない。


イノは、この中に元からデータとして入っていた“マッシュチーム3”というソフトが大のお気に入りだった。


もう何回プレイしたか分からないほど、繰り返し遊んでいる。


一方、読書好きのクリスは、ジャンルも国も問わず、さまざまな本を読んでいた。


他のメンバーが見ても内容が分からない書籍から、コミックまで実に幅広い。


その中でも、クリスが特に好んでいるのが“絵本”だった。


なぜ絵本が好きなのか、クリス自身にも理由はよく分からない。


ただ、感覚的に惹かれるものがあった。


今、クリスが読んでいるのは、お気に入りの1冊――

“いねむりバク”という絵本だ。


「何回やっても楽しいんだ。このゲーム」


イノが笑顔で言う。


「飽きたりしねーのか?」


アークが聞く。


「うん!」


イノは即答した。


珍しく、クリスも自分から淡々と口を開く。


「…本当に好きなものは、飽きないものだ。…アークも、同じ音楽を何度も繰り返し聴くだろう?」


「あぁ……確かにそうだな」


アークは納得したように頷いた。


イノは、少し期待するような表情で言う。


「ねぇアーク。良かったら、ちょっとやってみない?」


「ゲームとか、やったことねーよ……」


アークは肩をすくめる。


「大丈夫だよ。マッシュチームは、初心者でも楽しめるから」


“マッシュチーム”。


ゲームに詳しくないアークでも、その名前だけは知っていた。


“世界で最も有名なゲームと”して記録されているほどの作品だ。


少し興味が湧いたアークは言った。


「……ちょっとやってみっか。イノ、どうやればいいんだ?」


イノは、嬉しそうに操作を教え始めた。


――そして、1時間後。


「クソッ!! あとちょっとだ!!あとちょっとで、砂漠エリア行ける!!」


アークは、すっかりハマっていた。


イノは、それを楽しそうに眺めていた。


クリスは、ハーブティーを飲みながら、相変わらず読書をしていた。

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