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エーテルコード:サイドストーリー  作者: エトコッコ


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13/18

「タツノオトシゴ」


「ねぇ、みのりん。Wデートしてみたくない?」


唐突に、クレアが切り出した。


「Wデートかぁ!いいねー!」


みのりは即答で、にっこり笑う。


「でしょ!」


「ところで、誰と?」


「まぁ……みのりんは閃で、アタシは……あ、新井くん……」


クレアは少し照れながら言った。


「うんうん!ちなみに、どこに?」


みのりは食い気味に身を乗り出す。


「んー……ベタだけど、水族館とか動物園とか……?」


「いいねっ!で、いつ行く?」


「い、いや……そんなこと出来たらいいな〜って……」


どうやら、まだ妄想段階らしい。


「なら、あたしが閃先輩たちに聞いてみようか?」


「えっ!?お願い、みのりん!」


どうやら、みのりのフットワークの軽さを当てにしていたようだ。



オルフェの大庭。


閃はテツのお腹をツンツンしていた。


「せ〜んぱいっ♡」


後ろから、みのりの声。


「な〜んだいっ♡」


同じイントネーションで返す閃。


「Wデートしません?」


満面の笑みで言う。


「いいよぉ。どこ行く?」


相変わらず、ツンツンしながら返事をする閃。


「……ん?Wデート?」


少し間を置いて、ようやく引っかかった。


「烈先輩とクレアも一緒に」


「あぁ、そゆこと」


すぐに察したようだ。


「烈には俺から言っとくよ」


「お願いします!」


みのりは元気よく返した。



数日後、水族館。


「わぁ!ペンギンさんだ!かわいいー!」


みのりは、さりげなく閃の腕に絡みながらはしゃいでいた。


一方、クレアは烈の少し後ろを歩いている。


「な、なんかあの2人、カップルみたいだねー!」


クレアが唐突に言った。


「…そうか?俺には、ちょっと歳の離れた兄妹に見えるけど」


烈はあっさり返す。


「た、確かに……そっちかも……」


クレアも妙に納得してしまった。


「あ、新井くんって、好きな魚介類とかいる?」


「んー…マグロかな?いつか捌いてみてぇな」


「さ、捌く……」


「クレアは?」


「う〜ん……ヒトデ……?」


「ヒトデかぁ。食えんのかな?」


(新井くん、基準そこなの……?)


クレアは心の中で、そっとツッコんだ。



望んでいた状況のはずなのに、本人を前にすると途端に内気になる。


(はぁ……アタシ、全部ダメダメ……)


みのりのストレートさが、少し眩しかった。


烈はというと、様々な魚介類に興味津々で歩き回っている。


いつの間にか、2人はタツノオトシゴの水槽の前にいた。


そこへ、閃とみのりが戻ってきた。


「そこで写真撮る?」


閃が提案する。


「「えぇ?」」


同時に照れる2人。


「あたし達はもう、いっぱい撮ったから」


みのりが笑顔で言った。


「…..なら、お願い」


クレアは照れながら、水槽の前に立ち、烈も隣に並んだ。


「もっとくっついてー!」


スマカを構えたみのりが声をかける。


クレアが戸惑っていると、烈がぐっと距離を詰めた。


心臓が跳ねる。


「肩も組んじゃってー!」


今度は閃がニヤリと続く。


「……アホか」


烈がツッコんだ。


シャッターが切られる。


写真を見て、閃とみのりが目を見開いた。


背景の水槽では、タツノオトシゴが偶然にも寄り添い、ハートの形を作っていた。


「うぉぉ!すげぇー!」


烈が素直に声を上げる。


(……ありがとう、タツノオトシゴさん)


クレアは、そっと胸の中でそう呟いた。

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