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エーテルコード:サイドストーリー  作者: エトコッコ


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10/18

「正反対な2人 リオ×カリン」


とある日の、昼下がり。


ここ最近、勤務は非常に暇だった。


もっとも、暇ということは平和な証拠でもある。


リオとカリンは、そんな穏やかな時間の中で雑談をしていた。


「ねぇ、ミチからめっちゃ美味しいラーメン屋さん教えてもらってさ。勤務終わったら行かない?」


“ラーメン大好き宝生さん”ことリオは、目を輝かせながら言った。


「アンタ……つい最近『さすがに腹出すぎてるから、ラーメン控えるわ』とか言ってなかった?」


カリンは、呆れたように返す。


「1週間我慢できたから十分!十分!」


リオは笑いながら答えた。


「まぁ、いいけどさ。ところで、どんなとこ?」


カリンが尋ねる。


「なんかね、“闇麺”って地下にあるお店でさ。麺もスープも真っ黒なんだって!1杯2000円でちょっと高いけど、めっちゃ美味しいらしいんだよ……」


(*´﹃`*)←こんな顔で語るリオ。


「へぇ……ちょっと気になるわね」


カリンも、少し興味を示した。


カリンはリオとは正反対で、普段からキックボクシングで身体を鍛えている健康志向。


とはいえ、ジャンクフードが嫌いなわけではない。


こうして2人は、“闇麺”に行くことになった。



勤務を終え、リオのエレカで向かう。


最寄りの駐車場に停め、そこから徒歩5分弱。


地下へ降り、さらに歩くこと5分。


――闇麺、発見。


外観からして、少し怪しい。


ミチが、店は表に出てなくて、場所がかなり分かりにくい、と言っていた理由がよく分かった。


早速、店に入る2人。


薄暗い店内は、ほぼ満席だった。


スキンヘッドにサングラスの、いかつい店員が現れる。


「シェイ!シェイス!シェシェシェイ!!」


何と言っているかは分からないが、おそらく「いらっしゃいませ、こちらの席へどうぞ」なのだろう。


空いていたカウンター席に座る2人。


この店のメニューは、闇ラーメン一択。


当然、メニュー表などはない。


待っている間、カリンがリオに声を掛けた。


「ところで……例の彼氏さんとは、最近どうなの?」


リオには、同棲中の無職の彼氏がいる。


「相変わらず、玉ねぎ女に夢中」


リオはため息まじりに答えた。


「……まだ無職なの?」


リオは、こくりと頷く。


「はぁ……リオ。アンタ、絶対他にいい人いるって」


カリンはそう言った。


「いないよー。そもそも出会いないもん……」


リオは肩をすくめる。


「そもそも、そんな甲斐性なしと一緒にいるくらいなら、独り身のほうが良くない?」


「……んー。アイツもヒモなりに家事は毎日やってくれるし、浮気とか絶対しないし……。まぁ、玉ねぎ女は推し活だし、小遣いの範囲内だから……」


リオはそう答えた。


「まぁ、アンタがそう言うなら、いいんじゃない?私には理解できないけど」


カリンは淡々と言う。


「逆にカリンは? 彼氏」


リオが聞いた。


「経済力があって、自立してて、私の邪魔にならない相手がいるならね」


カリンは、ニヤリと笑って答えた。


「私は1人だと、なんだかんだ寂しいなぁ……。アイツと別れても、他にいないし。閃ちゃんに手出すわけにもいかないじゃん?」


リオは笑いながら言う。


「アンタ、それ犯罪よ」


カリンも笑って返した。


そうして、ラーメンが運ばれてくる。


真っ黒な器の中身も、真っ黒。

まさに“闇”だった。


一口食べると――美味。


濃すぎず、薄すぎず。


豚骨、醤油、バターの香りが絶妙なバランスで混ざり合っている。


2人は、あっという間に完食した。


それぞれリスバで会計を済ませ、店を後にする。


「アッシャシャイシタ!! シャムシェイド!!」


店員の言葉は、最後まで分からなかった。



帰り道。


リオが、笑顔でカリンに言った。


「ね! また行こっ!」


カリンも微笑み、頷く。


(彼氏、か……)


両親の顔を思い浮かべながら、カリンはそう思うのだった。

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