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エーテルコード:サイドストーリー  作者: エトコッコ


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1/18

「玉ねぎ女」


とある日のの昼頃。


閃とリオは、2人で街をぶらぶらと歩いていた。


リオは上機嫌で、閃の腕にぴったりとくっついている。


「閃ちゃん、今日は付き合ってくれてありがとねっ♡」


「リオっちの頼みでしょ? 当たり前じゃん」


閃も、にこっと笑った。


2人は、ふらりと入った喫茶店で席に着く。


注文を終えると、リオがさっそく口を開いた。


「んでさ……“例のアイツ”よ」


「トオルくんでしょ?」


閃は、いたずらっぽくニヤリと笑った。


同時に、アホ毛がくるっとカールする。


トオル――リオの同棲中の彼氏で、交際歴は約3年半。


そして、ほぼ2年近く無職。


閃は彼と直接会ったことはないが、リオの愚痴で存在だけはよく知っていた。


というか、正直その“トオルトーク”が面白くて、閃は結構好きだった。


「あのヤローさ。毎月お小遣い渡してるのに、足りないとか言い出してさ。“何に使うんだよ”って聞いたのよ」


閃は、目をきらきらさせて続きを待つ。


「そしたらさ、わけわかんないVアイドルに投げ銭したいんだって」


「――っ、あははははは!」


閃は思わず吹き出した。


「トオルくん、ブレないね!!」


「投げるのは勝手だけど、小遣いの範囲でやれって話でしょ」


「小遣い、月2万だっけ?」


「うん。月によっては5千円プラスしてる」


「で、トオルくんはいくら投げたいって?」


「2万」


「あはははは!!」


閃、再び爆笑。


リオは呆れたように言った。


「ったく……あんな“玉ねぎ女”の何がいいんだか」


「あっ、トオルくんの推しって“オニョ姫”なんだ」


「え、閃ちゃん知ってんの? 意外〜」


「V界隈は詳しくないけど、オニョ姫は知ってるよ。めっちゃ有名な“ニャンダルフリーク”だし」


ニャンダルフリーク――ニャンダル社の熱狂的ファンのこと。


閃も、その1人だった。


「それにプレイスキルもすごいし、トークも上手いから、プレイ動画はよく見てる」


そう言いながら、届いたカフェをくるくるとかき混ぜる。


「へぇ〜。私にはさっぱり」


「それにしても、リオっちは本当に優しいよね。トオルくん、幸せ者だと思うよ」


閃は、柔らかく笑った。


「でもムカつくから、今日は閃ちゃんと浮気しちゃう!」


リオは、コーヒーをぐびっと飲み干す。


「いいよっ。付き合う」


「やだぁ、閃ちゃん……リオお姉ちゃん、理性がもたないかも……」


リオが泣き真似をすると、


「その時は、感電ね♡」

と閃がイタズラな笑みで返した。


2人は顔を見合わせて、声を上げて笑った。

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