キャンプに行こう 3
さて、気を取り直してやって来ました。初心者の森。inキャンプ。
昨日は家に帰るとなぜか母が俺が騙されたことを知っており、お説教コースであった。トホホ。
そんな時でも変わらずに慰めてくれるスカイとぺぺ。お前達本当に可愛い!!
さ、今日は特に依頼は受けていないけど、どうするのかな?
「それではまず、キャンプ地に向かいます。その間出てきたモンスターは退治してください」
「「「「「はい!」」」」」こくり
今日もモンスター退治があるんだな。
前回はスライムとワイバーン(差がありすぎ)しか討伐していない。今回は念の為中層に出るモンスターも確認してきた。
ゴブリン
モンスター。知能があり、道具を使ったり、仲間とコミュニケーションをとったりする。
使える技 それぞれのゴブリンによって異なるが、一般
的には棍棒で襲ってくる。
弱点 頭 心臓
生息地 初心者の森中層より奥
討伐証明 右耳
採取物 ゴブリンによって異なる
そう、ファンタジーでおなじみゴブリンが中層以降は出るのである。個々の能力はそんなに高くないが、知能がある分やっかいらしい。
人と同じで、心臓や首を切らないと死なないらしいから、小心者の俺は正直戦いたくない。しかもちょっと人に似てるし……見たことないけど……多分。
それと前回姉とフェレナが狩り尽くして居なかった、ツノウサギが出てきそうだ。
「ケイン、ツノウサギの弱点って、何だっけ?」
分からないことはすぐに確認!
「頭のてっぺんです。見つかると突進してくるらしいので、それをなんとかかわして、頭を叩くのが良いと思います」
ケインがメモを確認して読み上げてくれる。
「姉さん達はツノウサギどうやって討伐したの?」
一応経験者の姉達に聞いてみる。
「どうって……」
2人は顔を見合わせる。
「普通に避けて剣でグサッと」
「私は槍でグサッと」
はい。全く参考になりませんでした。
どうするかな。やっぱり1人囮で、背後から頭を叩くか。射るかかな。
いや、ハイドとケインは魔法も使えるから、それで攻撃もありか……。
「とりあえず、案1は1人シールド貼って囮になる。その背後からツノウサギの頭を狙う、案2は魔法で直接攻撃だな。どうしよう?」
「……まだ魔法はコントロールに自信がないから、ツノウサギにあたるか分からないな」
ハイドが呟く。
「同じく、強い魔法で一撃という案もありますが、たくさんは使えません」
ケインも魔法攻撃には消極的のようだ。
じゃあ、やっぱり怖いけど案1か……。念の為ジェーンさんにも確認しておこう。
「ジェーンさん、シールドでツノウサギの攻撃を防げますか?」
「確認しますので、シールド貼ってもらえますか?」
「あ、僕もお願いします」
そうか、ケインも魔法が使えなかったら俺と同じ囮要員になるんだな。
「「シールド!」」
2人でそれぞれシールドを張る。
「……多分、大丈夫だと思います。いえ、いけます」
ジェーンさん、多分って。……大丈夫かな。でも俺は攻撃できないしな……。適材適所やるしかないか……。怖いけど。でも、やっぱり怖いよな。
「一度僕がやってみますね」
ケインがそう言ってくれる。
いや、ここは俺が……と言えない。すまないケイン。
作戦は決まった、後はツノウサギがどこにいるかだな。
「それでは、キャンプ地に向かいますね。ケインさん30分程索敵できますか?」
「はい!毎日訓練したのでおそらく大丈夫です」
ケイン、毎日訓練してるのか。
そういう俺も毎晩部屋でシールドを張っている。(とにかく安心安全のため)
ということで、俺達は出発した。
いつツノウサギが出るか……と身構えていたのだが。
「前方に敵です」
グサッっと姉が一突き。
「右斜め前敵です」
シュパッとフェレナが一刀両断。
俺達3人、エイダンも入れると4人だが、全くやることがない。と言いながら俺以外はスライム狩りはおこなっている。
見かねたジェーンさんが一言、
「キャンプ地まで後10分程ですが、ステファニーさんとフェレナさんは、攻撃禁止です」
「……えーっ」
「……そんな」
さすが2人とも戦闘狂。
「避けるのも訓練になります。それに、他のメンバーにも経験させないと後々困ることになりますしね。ということで、後は4人にお願いしますね」
俺達はこくりと頷いた。
ケインの索敵にモンスターが引っかかる。
「左斜め前に反応有り。動きが素早いから恐らくツノウサギだと思う」
「じゃあ、作戦通りケインが引きつけて木の上から射るでいけるか?」
「「了解!」」
ハイドが木から木へ飛びうつる。そして矢をつがえた。
「確認できた。ツノウサギだ!準備もオーケ」
「では行きます。シールド!」
ケインがツノウサギの前に躍り出る。
ツノウサギに気づかれこちらに突進して来た。
ガン
ツノウサギがシールドにぶつかる。よし、ツノでもシールドは破られない。
シュパッ
ザクッ
ハイドが撃った矢がツノウサギに直撃し、ゆっくりと地面に倒れた。
「よし、成功!」
次は、俺の番だな……ドキドキ。




