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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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保冷剤作り 5


 次の日朝食を済ませると、ミレー先生の住む離れに顔を出す。


「おはようございます」

 玄関で出迎えで出迎えてくれたのはフレイさんだった。


「あれ、早いですね」


 勤務時間決めて無かったから、不味かったかな。ブラックな職場にはしたくない。


「いえ、昨日からカレンと一緒にここに住まわせてもらってるんです。実験がたのしくて!」


「そうなんですか?無理せず、休憩もとってくださいね」


「はい!でも、ミレー先生から教えてもらえることがたくさんあって、休憩するのが惜しいくらいなんです。あっ、ミレー先生に用事ですよね。こちらにどうぞ!!」


 楽しく働いてもらえているなら何よりである。案内された部屋では、ミレー先生とカレンさんがスライムジェルを並べていた。


「あら、おはようございますスバル様」

「おはようございます」


「進捗状況がどうかなって思って来ました」

 ふふふ。前世の記憶があるから、進捗状況という難しい言葉も使えるのである。


「昨日作った固さの異なるジェルの状況を確認しているところです」


 机の上にズラリとスライムジェルが並んでいる。


「一つ一つ触って、硬度と温度を確認します。スバル様、良かったらどの固さが良いか触っていただけますか?」


 ミレー先生に促されて、一つ一つ触ってみる。どのジェルも冷たくて、温度は1日保てているようである。一番最後に触ったジェルが柔らかくて、人肌にも良さそうである。


「これが良いです」


「一番緩めのやつですね。了解しました。この硬さで冷たさがキープできるように、二人と練習してみます」


「あと、どのくらい冷たさが持つかもお願いします」


「ええ、とりあえず昨日作ったジェルをそのままにして確認してみますね」


 よし!スライムジェル行けそうだぞ!あとは、2人についても確認しとかないとな。


「そういや先生、2人を離れに泊めたんですね」


「そうなんです。いろいろ実験してたら遅くなってしまって、お家に連絡して、1週間ここで暮らすことにしました」

 

 ブラック一直線だな。一応くぎを指しとかないと。


「先生、ほどほどにしてくださいね。体調第一でお願いします」

 

「大丈夫ですよ。無茶はしませんから」


 いつもと同じ笑顔である。……大丈夫かな。


「2人も何困ったことがあれば、遠慮なく言ってくださいね」


「「はい」」

 2人も満面の笑みである。


 とりあえず様子見だな。

 

「じゃあ、俺はカバーの方を確認しに行きます。ミレー先生、フレイさん、カレンさん、よろしくお願いします」

 


 俺は離れを後にすると、アダムスさんの店に急いだ。


「いらっしゃいませ、あ、昨日の。店長が奥でお待ちです」

 昨日出迎えてくれた店員さんが、すぐに奥に案内してくれる。


「店長、いらっしゃいました!」


「いらっしゃい、待ってたわよ!」

 アダムスさんが満面の笑みで迎えてくれた。


「昨日帰ってからあれもこれもと創作意欲が湧いて、たぎっちゃった。ま、見てちょうだい」


 アダムスさんは、机の上に可愛らしいメーシープの形をしたリュックを置いた。


「めちゃめちゃ、可愛らしいです!!」


 オーダー通り、いや、それ以上かも。本物そっくりというより、メーシープを可愛らしくキャラクター化しており、子どもが喜びそうである。


「そうでしょ!我ながら自信作なの!あとは、エイダンちゃんの物と比べてみないと……作ってきたんでしょ?」


 エイダンはこくりと頷く。


 えっ?エイダンももうできたの?まだだと思って声をかけなかったのに。


 エイダンはアイテム袋から、作ったであろうリュックを取り出した。


「なんて可愛らしいの!!」


 エイダンが作ったのはスカイを模したリュックだった。同じく可愛らしくデフォルメされており、何とポケットまでついている。俺がポケットに手を入れて確認すると、ぺぺの形をした、人形もでてきた。めちゃめちゃ可愛いいし、クオリティーが高い!


「キュキュウ!」


 スカイが大喜びで、早速リュックを背負っている。スカイがスカイを背負って……めちゃめちゃ可愛い!!


「なるほど、ポケットに人形まで……やるわねエイダンちゃん」


「どちらも、めちゃめちゃ良いです」


 本当に甲乙付け難い。


「これは……ルルちゃんに選んでもらっても良いですか?」

 

 俺では選べない。



「もちろんよ!それでね、昨日言っていたスバルちゃんへのお願いなんだけど……」


 アダムスさんの表情が真剣なものへと変わる。


 そういや昨日そんな約束したな。無理難題じゃなければ良いんだけど……。


 俺は固唾をのんでアダムスさんの言葉を待つ。

 

「実はね、このリュック私の商会でいろいろ作らせて欲しいの!」


 言われた言葉は思いもよらぬものだった。


 

 


 

 

いつも安心安全×テイマーをお読みいただきありがとうございます。少しずつですが読んでいただける方が増え最初に書いた作品のため思い入れもあり、とても嬉しく思っています。ただ、リアルが少し忙しくなり毎日2話更新が難しくなってしまいました。大変申し訳ありません。今後は毎日18時頃更新になります。また、良かったら変わらず読んでいただけるとありがたいです!どうぞよろしくお願いします。

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