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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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保冷剤作り 2


「先生実は一ヶ月後までに何とか保冷剤を作りたいんです。何か良い案はありませんか?」


 ミレー先生にルルちゃんの事情を説明する。俺だけだと思いつかないことをミレー先生なら、思いつくかもしれない。


「魔道具にしなければ良いのでは?」

 

 うん?どういう意味だろう。


「魔道具は壊れるまで半永久的に使えるのが良いところです。しかし、高額。今のお話を聞くとその子には作れても他の同じ事情の孤児には高すぎて作れません。だから逆の発想をすれば良いのです」

「逆?」

「はい、別に数日持てば良いのですよね。それならスライムジェルを氷魔法で凍らせたらどうでしょう」


 なるほど。さすが先生!

 

「どのくらい持つかは実際に氷魔法をかけて実験するしかありませんが、スライムジェルなど魔物の素材は魔法効率が良いので、おそらく長持ちすると思います」


 よし。少し見通しが立ってきたぞ。次は氷魔法を使える人に相談してみよう。


「スバル様、良かったらその話辺境伯夫人にもしてみてください。スライムジェルはたくさん採れすぎて活用に困っている素材。もしかしたら商品化して、辺境の産業になるかもしれません。……ですので氷魔法の使い手が見つかったらぜひ私のところにも連れて来てください」


 何か話が大きくなって来たけど、まずは氷魔法の使える人に実際に作ってもらってからだな。


「先生、ありがとうございました!」


「実は私も暑いのが苦手なんです。もし試作品ができたらぜひ試させてください」

 

 エルフも暑さに弱いのかな。じゃあ需要もありそうだぞ。いやまずはできるかどうかが大切だよな。


 今日は外出しないつもりだったけど、目星がついたら作りたくなってくる。

 

「エイダン外出しても良い?」

 

 エイダンはこくりと頷いてくれた


 結局エイダンの自由時間を奪うことになるな……すまない。エイダン。


 ということでやって来ました。パーラーラビットベア。 


「いらっしゃいませ」

「「いらっしゃいませ」」

 

「あら、スバルさんいらっしゃい」

 よく来てるから店員さんにも名前を覚えてもらえるようになった


「店長いますか?」

「はい、奥にいます。少々お待ちください」

 今日も満席である。大人気だなパーラーラビットベア。


「おう、スバルどうした?」

「店長、昨日はありがとうございました。実は……」

 ルルちゃんの事情と氷魔法が使える人を探していることを簡単に説明する。


「店長前に来た時に全員雇えなかったって言ってたから、もしかしたら紹介してもらえないかと思って……」

 そう。俺は店長の言葉を覚えていた。

 

「そうか、それならバイトのフレアの妹がいるな……」

「フレアさんの妹?」

 

「ああ、氷魔法は使えるんだが、接客が無理でな。採用できなかったんだ。確かまだ、仕事を探してると言ってたはずだ。おい、フレア、ちょっと来てくれるか」

 

「はい、何ですか?」

「実はな、スバルが氷魔法を使える者を探しているらしい。上手くいけば仕事になるかもしれんのだが、妹はどうだ?」


「本当ですか!妹が喜びます!ぜひお願いします!」

 フレアさんは笑顔で喜んでくれている。

 

「ただ、仕事になるかはやってみないと分からないんですが……」

「今も職探し中なので見つかればラッキーくらいで大丈夫です。早速行かれますか?」

 

 トントン拍子に話が進むけど大丈夫かな。でも、これもきっと御縁だろう。

 

「お願いします!」


 俺はフレアさんに自宅の場所を聞き念の為手紙も書いてもらって、妹さんのところに向かった。フレアさんの自宅はみーちゃん探しをしたアダムス商会の近くだった。


 チリンチリン


 呼び鈴を鳴らすと、フレアさんによく似た人で少し幼い感じの女性が出迎えてくれた。


「どちら様ですか?」


「フレアさんの紹介で来た、辺境伯の次男でスバル=クリスチャン=バードと言います。実は妹さんに仕事を頼めないかと思い来ました」 


「仕事!!どうぞ、どうぞ、お入りください」

 

 見知らぬ人間だが大丈夫だろうか。念の為お姉さんからの手紙も預かってきたんだけど……という間もなく、室内に案内された。


「あの!仕事ってどんな仕事ですか?」

 椅子に座るやいなや、前のめりで質問してくる。

 

「氷魔法を使う仕事なんですけど……詳しくはお姉さんの手紙に書いてあります」

 俺は渡しそびれた手紙を渡す。妹さんはひったくるように手紙をとると、すぐに開封して目を通し始めた。


「やります!」

 読み終えると同時に俺を見て宣言する。


「実は私、接客が苦手で前の仕事もクビになってしまって……だから、接客以外の仕事を探してたんです!ぜひお願いします!」


「仕事になるかは分かりませんが、とりあえず1週間ほど銀貨7枚で辺境伯家に来てもらうことはできますか?」

 桃で稼いでいるから、今なら俺個人でも人が雇える。


「銀貨7枚!!行きます。すぐにでも大丈夫です!」


「あと、他にも氷魔法を使えて仕事を探している方がいらっしゃいますか?」


「それなら友人がいます!」

 

「その人も来ていただいて大丈夫ですか?」

 念の為何人かに来てもらって実験を進めたい。


「大丈夫です!」

 妹さんの友人に確認せず返事をしているが大丈夫だろうか……。


「では、明日から辺境伯家に来ていただけますか?」


「いいとも!!よろしくお願いします!」


 氷魔法使い2人ゲットだぜ!!(1人は仮だが)

 

 本当に上手いこと話が進むな……これも神様の思し召しか?ま、何にせよ、明日は実験だ!!


 ちなみにこの後、皆で屋台の食べ歩きをして帰りました。ジャンキーな物はやっぱり美味しい!!大満足の休暇1日目になって幸せです!!

 

 


 

  


 

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