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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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みーちゃんを探せ 2


 捜査の鉄則は現場百遍。

 

 と言ってもどこが現場か分からないからまずは聞き込みをしよう。近所の人から情報収集だ!


「すみません、この猫見ませんでしたか?」

 花壇に水やりをしているおばさんに聞いてみる。

 

「ああ、アダムスさんとこのみーちゃんだろ。この間も聞かれたけど最近は見てないね」

「そうですか……ありがとうございます」


「すみません、この猫見ませんでしたか?」

 玄関先で話し込んでいるお母さん達にも声をかける。


「みーちゃんね」

「そう言えばこの間から見つかってないんだって」

「たまに見かけてたけど最近は見てないわね」

「怖いわね。何か事件かしら」


「……ありがとうございました」


「すみません、この猫見ませんでしたか?」

 猫を抱えたおじさんにも聞いてみる。

 ちなみに猫は黒猫でみーちゃんではない。


「みーちゃんだろ、アダムスが必死で探してる。早く見つけてやってくれ。俺もちょくちょく探してるんだが、みーちゃんの居場所は見つからなくてな……」


「……ありがとうございます!」


 その後も近所の人にせっせと声をかけるが、全く手掛かりは見つからなかった。 


 手詰まり感でいっぱいになり、住宅街の空き地でひと休みする。良い感じの石に腰掛けて、これからの方針を考える。……現場百遍はなかなか難しい。20人くらいに聞いて、手掛かりゼロで少し心が折れそうである。


 ただアダムスさんとみーちゃんのことは有名でほとんどの人がいなくなったことを知っていた。


 つまり、この辺にはいないのかな……。 

 

「エイダン、何か良い方法ある?」

 エイダンは首を横に振る。

 そうだよな……


「スカイ、何か良い方法ある?」

 

 スカイはポケットの中のぺぺと何か相談している。

 

「キュキュ?」

「ぺぺ!」


 ぺぺがよいしょとポケットから出てきた。


「ぺぺーーー!!」


 いきなりぺぺが大声を出すので、俺はビクッとしてしまった。

「ぺぺどうしたんだ?」


 ぺぺは空を見上げて微動だにしない。


 バサバサバサ バサッ バサッ


 みるみるうちに、空からたくさんの鳥たちがぺぺの周りに集まって来た。

 

「ぺぺ、ぺーぺぺ、ぺぺ?」

 

「チュンチュン」

「ポッポ」 

「カー」


「ペーペぺ?」

「クルックー」

「カーカー」


 ぺぺを中心に鳥同士で謎の会議をしているように見える。話がついたのかぺぺが頭を下げると集まっていた鳥たちが一斉にどこかに飛び去って行った。

 

 ……ぺぺはもしや、鳥と話ができるのか?

 

「ぺぺ、ペーペペ、ぺぺぺぺ!」

「キュキュウ」

 ぺぺがスカイに何か伝えている。無事に伝え終えたのかぺぺは定位置のスカイのポケットの中に戻った。

 

「キュキュキュウ!」

 スカイが俺の服を中心引っ張る。


「みーちゃんの居場所が分かったのか?」

「キュウ」

 スカイが頷く。


 ……ぺぺにはどうやらまだまだ隠された能力があるらしい。とにかく今は少しでも手掛かりがあればありがたい。


「スカイ、みーちゃんの居場所まで道案内できるか?」

「キュウ」

 スカイは困ったように首を振る。


 居場所が分かってもそこまでどうやってたどり着くかだな……。本当はこんな時に心話とかでスカイやぺぺとしゃべれたら良いんだけど、残念ながらその力は身に着いていない。


「……どうしたら良いかな」

 

 その時、ミレー先生とのやりとりを思い出した。◯✕で範囲を狭めて行けるかも……。


「スカイ、今から合ってたら◯を、間違っていたら首を横に振ってくれるか?」

 スカイは大きく頷いた。


 よし、やってみよう。


「みーちゃんは住宅街にいる」

 スカイは首を振る。

「みーちゃんは町外れにいる」

 スカイは◯をつくる。

「みーちゃんは俺が行ったことある場所にいる」

 スカイは◯をつくる。


 町外れで俺が行ったことがあるのは、冒険者ギルドか孤児院だな。


「冒険者ギルド」

 スカイは首を振る

「孤児院か!」

 スカイは大きく頷いた。


 よし、本当にみーちゃんがいるかは分からないけど、とにかく孤児院に行ってみよう!!

 


 

 

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