表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
68/168

神殿へGO 2


 ルリアに頼んで、簡単な朝食を出してもらい何とか気力と体力を回復させた。


「スバル、お待たせ」

 ちょうど食べ終わる頃に、母が視察から帰ってきた。これで馬車が使えるな。


「じゃあ、神殿に行ってきます」 

「待ちなさい。神殿にはお世話になっていますからこれを渡しなさい」

 母からずしっと思い革袋を渡される。寄進ってやつだな。


「しっかりお礼をお伝えするのよ」

 母から念押しされる。


「分かりました。しっかり伝えてきます。じゃあ行ってきます」


 俺、エイダン、スカイ、ぺぺ(スカイのお腹の中)で出発だ。


「そういやエイダン、休みなくてごめんな」

 本当はこの2日間お休みをあげたいが、2日間とも出かけることにしてしまったために、護衛が必要になってしまった。

 

「構わない」

 エイダンはじっと俺を見ている。

 

「どうしたの?」

「……呪い」

 いろんなことがたくさんありすぎて忘れてた。エイダンの呪いについて聞かないと。無口で何でもできるから呪いのことがすっかり頭から抜けていた。

 

「ごめんエイダン、気になってたよな。今日、必ず聞いてみる!」

 エイダンに悪いことをしてしまった。

 

「……違う、逆」

「……逆、どういうこと?」

「このままで良い」


「呪われたままで良いの?」

 エイダンはこくりと頷く。

 呪いを解きたくないのかな。


「よく分からないけど、どんな呪いかは調べてもらっても良い?」

 またエイダンはこくりと頷いた。呪いを解くかどうかは、また後日にしても良いしな。

 

 あと、今日することは……

  

1、エイダンの呪いについて聞くこと。

2、ぺぺについて確認すること。

3、俺の魔法についてとお礼。


 こんな感じかな。いろいろお世話になってるのに全然行けてなかったから、しっかりお祈りしないと。

  

 スカイは、ずっと窓の景色を眺めている。

「キュキュ!」

 スカイか指差すほうに神殿が見えてきた。

 

「そうそう、あれが神殿。よく分かったな」

「キュッキュキュウ♪」

 

 なぜかスカイは嬉しそうである。もしかして、スカイも死神に会ってたりするのかな。


 神殿に着くと、母から連絡があったのか神官たちが並んで出迎えてくれた。

 

「ようこそいらっしゃいました」

 代表して声をかけてくれたのは、天昇式を執り行ってくれたお爺ちゃん神官だった。

 

「これを母から預かりました。お納めください」

 忘れないうちに革袋を渡す。

「いつもありがとうございます。御母上にお礼をお伝えください」

「分かりました」

 

 並んでいた神官たちは俺に一礼すると、その場から立ち去った。残ったのはお爺ちゃん神官だけである。


「それでは参りましょう。」 

 お爺ちゃん神官に続いて、神殿に入る。多くの人で賑わっている大広間を抜け、人通りの少ない、普段は入れない奥に案内される。

 

「こちらです」 

 1番突き当たりに、大きく開けた講堂があり、大きなご神体が飾られていた。ご神体は女性とも男性ともとれる姿をしており、優しくほほ笑んでいる。


「こちらにお掛けください」

 進められるまま、全員1番前列の椅子に腰掛けた。


「改めて、よく参られました。わしはこの神殿の神官長を務めておるキーファと申します。よろしくお願いします」

 

「スバル=クリスチャン=バードです、こっちは護衛のエイダン、テイムモンスターのスカイと……」

「キュウ!」

 エイダンは無言で頷き、スカイは元気に返事をする。ぺぺ起きてるかな?

 

「スカイ、ぺぺも出してくれる?」

「ぺぺ」 

 呼ぶと返事をしてスカイのポケットからぺぺがでてきた。

 

「テイムモンスターのぺぺです」

「ぺぺ」

 ぺぺは手を挙げて返事をする。

 

「スバル様とは縁がありますな。天昇式といい、卵といい、主神のお導きじゃろう」  

「天昇式は神官長が全て執り行うんじゃないんですか」

 何となくそう思ってた。

 

「毎日ありますからな。資格を持った人物が日替わりで執り行っておるんじゃ。普段はわしは裏で仕事をしておりましてな、スバル様の式は久しぶりに執りったものになる。同様に卵の日もたまたま表に出ておったんじゃ」


 そうだったんだ。それなら確かにご縁があるな。もしくは死神の導きか。


「そうだったんですね、その節はいろいろお世話になりました」

「いえ、わしは何も……それではご要件を伺いましょう」

 神官長は優しい眼差しで促してくる。


「何点かあるのですが、まずはエイダンになります。実はエイダンは呪いがかかっていまして」


「呪いですか?」 


「はい、呪いの内容は分からないのですが、タグに『死神の呪い』とあるんです。今分かっているのは、呪いにかかる前の記憶を失っていること。呪いのせいで若返っているらしいことです」


「ふむ、死神の呪いですか……聞いたことがないな」


 俺の中では主神=死神と思ってたけどそもそもそれがあっているかも、俺が思う死神とエイダンの死神も同じかどうか分からないな。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ