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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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神殿へGO 1


「スバル様朝ですよ!」

 いつものようにルリアがカーテンを開ける。

「スバル――訓練行くわよ!」

 姉が俺へダイブする。

「早く起きて下さい。訓練が逃げます」

 フェレナが無慈悲に布団を引っ剥がす

 

「……訓練は逃げないから……っていうか訓練あるの!?」


 俺は不穏な言葉を聞いて、覚醒する。

「……キュキュウ」

「……ぺぺ」

 

 スカイとぺぺも起きてくる。ベッドを別にしてもいつの間にかくっついているので、今は一緒に寝ている。


「……今日は別行動じゃないの」

 俺は今日はゆっくり二度寝する予定だ。


「何言ってんの、朝の訓練はできるでしょう」

「そうです。そうでなくても弱いんですから、体力はつけとかないと」

 

 グサッ。

 相変わらずフェレナははっきり言うな。

 でも、昨日も俺のせいで怒られたようなもんだしな。

 

 少しへこんでいると姉に頬をつねられる。


「何、辛気臭い顔してんのよ。スバルくらい簡単に守れるくらい私が強くなるわよ。次期辺境伯としてね」 

 

「……にぇさん」

 頬をつねられているから、締まらない。

 

「でも、体力ないと話にならないから、行くわよ」

 え、今の流れでいけば俺は守られとけば良いってことじゃ……。

 

「……いや、今日は朝から神殿に……」

 

「行くわよ」 

 頬をつねられたまま、引っ張られる。


「……ひがえ、着替えがまだすんでない!!」

 姉の手をほどくと、俺は叫んだ。まだパジャマのままだ。


「誰も気にしないわよ」

「俺が気にします」

「じゃあ、5分後に集合ね、フェレナ行きましょう」

「はい!スバル様、今日は久しぶりの訓練ですので特別メニューです、!楽しみにしておいてください」

 2人は楽しそうに部屋を出ていく。


 全然楽しみじゃない。

 ……これはヤバいんじゃないか。


「ルリア、姉さんたちに、スバル様は神殿に行ったって伝えてくれる?急に母様に呼ばれたって!」

 ルリア様、お願いします。


「奥様なら朝早くから、領内の視察に行かれてます。ですので、馬車も昼にならないと帰って来ないですし、難しいのでは……」

 なら、他の理由だ。何かないか何か。

 急病は使えないし、用事もないし……。


「あの、スバル様。お早く着替えられないと時間になりますが」

 まずい。まずいぞ、このままではただ遅刻するだけだ。とにかく先に着替えよう。ルリアから服を受け取り、シャツを着替える。


バーン  


 閉じていたドアが開く。

  

「遅い!!行くわよ」

 

 まだ、ズボンも履けてない!!

 時間も5分経ってないし。

 心の準備が……


「……まだ、あと2分のこ」 

「行くわよ!!」

 俺は最後まで言い切ることができなかった。とほほ。

 

「スカイちゃんとぺぺちゃんは私と先に降りましょう」

「キュウ」

「ぺぺ」

 スカイとぺぺが人質のようにフェレナに抱っこされ俺に手を降って部屋を出る。


 俺もそのまま姉に引きずられ(ズボンは何とか履いた)地獄のスペシャルメニューを行った。……もちろんその後しばらく使い物にならず

 

 ちなみに一言もしゃべっていないが、エイダンは、ずっと一緒にいた。

 

「ぺぺちゃん、小さいのに強いわね」

「ぺぺ」 

 俺がひっくり返っているのを横目に、姉とフェレナがぺぺの相手をしていた。ぺぺは武闘というスキルを授かっており、ギルド長も吹き飛ばす威力があることから2人に検証をお願いした。


「ぺぺちゃん私が持っている木片を割れる?」

 姉が、両手で木片を持つ。

「ぺぺ」

 ぺぺは頷くと飛び上がり、綺麗に2枚に木片を割った。

「すごいわ!」

「ぺぺ」

 褒められてぺぺも嬉しそうである。


「ぺぺちゃん、今度は石だけどいけるかしら」

 フェレナが、両手で石を持つ。

「ぺぺ」

 ぺぺはまた頷くと飛び上がり、足で石の中心を蹴った。

  

 石は音を立てて、粉々になる。


「……すごいです」

 

 どうやらぺぺは強そうである。自分で自分の身を守れたら言うことがないからな。

  

「じゃあ、ぺぺちゃん。あの的に向けて、火魔法使える?」

「ぺぺ」

 ぺぺは頷くと10メートルほど奥に立てられた的に向けて火を吐く。(何と口から火を吐いた)」

 残念ながら親指ほどの炎が口からでて、それで終わりだった。どうやら火魔法はまだ上手に使えないらしい。


「……ぺぺ」

 ぺぺは的に当たらなかったのが残念だったのか、しょんぼりしてしまった。すかさずスカイが近寄り、オレンジを渡す。

 

「キュキュウ」

「ぺぺ」

 ぺぺは喜んでオレンジにかじりつく。


「……尊いです」

 フェレナは2匹をうっとりした眼差しで見つめる。

 いや、確かに可愛いいけど……。 


「こんなもんかしら」

 姉が俺に聞いてくる。俺は床に伏せたまま、頷いた。


「じゃあ、私たちは朝食を食べに行くわね。スカイちゃん、ぺぺちゃんもいらっしゃい」

「キュウ!」

「ぺぺ!」

 それぞれがスカイとぺぺを抱っこすると、そのまま訓練場を後にした。


「……俺は?」

 1人残された俺は、どうすれば……。足が痛すぎて、立つと小鹿のようにプルプルする。


 すっと、エイダンがやって来た。持つべきものは護衛である。

 

「ルリアに呼ばれた……先に行く」

 

 そう言うと、そのまま消えるように訓練場からいなくなった。


「ねぇ、俺は!!」


 その後プルプルする足で時間をかけて、家に戻った。朝食はすでに片付けられていた……。  

 


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