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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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冒険者デビュー20(討伐を終えて  1)



 ギルドに戻ると、まるで英雄のように迎え入れられた。あのまま、街にワイバーンが侵入していたら、甚大な被害が出る恐れがあったらしい。


「さすが光のジェーン!」

「今回は、ジェーンだけじゃなくて、一緒にいる奴らも活躍したらしいぞ」

「やっぱりジェーンがガイドを引き受けるだけだあるな」

「まだ、ちっこいのに大したもんだ」

「やっぱり、チームに入らないかと声かけとくべきだったな」


「ジェーン!!」

 ギルド長がやって来る。


「皆、無事か?討伐してくれて本当に助かった。ギルドを代表して心から礼を言う」

 ギルド長は深々頭を下げた。


「いえ、たまたまいただけですから。あと、4体の死体を初心者の森の入口に残してきてるから、解体をお願いしますね」 


 ジェーンさんは何でもないことのように言う。ワイバーンはそのままにしてきたけど、素材は高く売れるらしい。

 

「割合はどうする?」

「1体は私、2体はチームセブンに、後1体はその場にいた冒険者たちで分けてもらうで良いかしら」


「「「「はい!」」」」

 全く異存はない。

 

「1体の取り分はお前たちも含まれてるからちゃんと受け取れよ!」


 シルバーランクの冒険者で今回みんなの中心になった人から声がかかる。結局名前を聞き忘れたな。


「いや、僕たちはほとんど活躍できてないですし、2体分チームに報酬が入るので、冒険者の皆さんで分けてください。いいよね、ハイドくん、スバルくん」

 ケインが俺たちを代表して話をしてくれる。


「ああ」「もちろん」

俺 なんか何もしてないから、本気でもらうのが申し訳ない。

 

「そうか……すまんが、甘えていいか。結構装備を溶かされてるやつが多くて、その代金にあてさせてもらいたいんだが」


「「「はい」」」


「ギルドから報奨金も出るから、それも使ってくれ」

 

 命懸けで戦ったのに収支がマイナスでは割に合わないからな。たとえ街の人の命を救ったとしても、これからの自分たちの冒険者としての生活を守らないといけない。

 

「それにしても怪我人もいないとは大したもんだ」

「ギルド長、それなんですが……」

 俺は桃のことを説明する。

 

「ふむ……初級ポーションにブレスの火傷を治す効果があるとは考えにくいな」 

「やっぱりあの桃だからですかね」 

「分からん……とりあえずあとでオリビアに鑑定してもらえるよう頼んでおこう」

「ありがとうございます」

 桃の件もとりあえず、鑑定待ちだな。


「じゃあとりあえず、俺はワイバーンの解体に行ってくる。ハヤテお前たちも行けるか?」


 一緒にワイバーンを倒した冒険者たちにも解体の声がかかる。

「ああ、場所の案内がてら一緒に行こう。俺はシルバーランク、チームフェンリルのハヤテだ。また機会があったら一緒に冒険しよう」 


 最後の最後で名前がわかったな。頼りになる人だったから、また機会があればぜひご一緒させてもらおう。


「「「よろしくお願いします」」」

 全員と握手して別れる。


「桃ありがとな、本当に助かった。また何か困ったことがあれば遠慮なく言うと良い。俺たちはこの街ではそこそこ名前が売れてるからな」

 ちゃんとしゃがんでスカイの目を見て話をしてくれる。本当にできた人たちである。


「キュキュ!」 

 スカイも手を振り、チームフェンリルの皆を見送った。


「ジェーン様、チームセブン様こちらにどうぞ」

 残された俺たちはオリビアさんに案内されて2階の個室に向かう。


 皆が席に着くと、オリビアさんが話し始めた。


「ワイバーン討伐、本当にありがとうございました。報奨金と素材の代金は後日支払わせていただきます。支払いですが、個人への支払いも可能ですがどうしましょうか」

 エイダンと姉さんとフェレナがほぼ倒したものだから、3人の意思に任せよう。

 

「今回私たちは良い経験を積ませていただきました。これは他の何物にもかえられません」

 フェレナが言い切る。


「もし、街に被害があればそれに使ってもらおうと思っていたんだけど……被害がないようなので素材の代金だけチームにいただけたらと思います」

 姉が2人を見ながら話をする。

 エイダンもこくりと頷く。

 

「報奨金はジェーン先生の分をのぞき、チームフェンリルの皆さんに渡してください」

 確かにフェンリルさんたちは装備にお金はかかりそうだけど。 


「姉さんたち個人の取り分がなくなるけど良いの?」

「チームのお金は結局私のものでもあるから良いの。これからもチームで引き受けた依頼は同じようにしましょう」

 今回は個人の気もするけど、3人が納得しているならそれ以上何も言うまい。


「それでは皆様への話は以上です。スバル様には他にお伝えしたいことがあるので、のこっていただけますか」 

 桃の件だな。

 

「ささやかですが、今日は食堂を貸し切りにして無料でビュッフェ形式で食べられるようにしています。皆様そちらでスバル様をお待ちください」

 

「「「「やった――!!」」」」


今日1番の歓声が上がった気がする。

 

 



 

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