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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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冒険者デビュー15(神もどき)


「そう言えば神と神もどきって何が違うんですか?」


「俺も神もどきという言葉は初めて聞くが、おそらく神になれる存在とか神の卵とか、そういう意味だと思う」

 なるほど、最初は神もどきで皆が信仰したら神に格上げするのか。

 

「後はこいつも伏せ字があるってことは、唯一神も何かかかわってるってことですか?」

 死神、俺の元へ変なヤツばかり送るんじゃない。

 

「おそらくな」

 長々俺とギルド長が話していると、疲れたのかぺぺがうとうとしだした。生まれたばかりなら、疲れたよな。

 

「スカイ、ポケットでもぺぺは休めると思うか?」


「キュウ!」

 スカイはポケットからバスケットとタオルを出すと、簡易な寝床を作った。そしてポンポン叩く。

「キュキュ!」

 

 そうか、もしかしたらぺぺが初めて見たのがスカイなら、スカイはお母さん(オスだからお父さんか……)と認識されてるかもな。スカイも可愛いがってるし、満更じゃないのかも。

 ぺぺをバスケットに入れると、バスケットごとスカイはポケットにしまった。


「……スバル、さっき聞き忘れたが、スカイの袋はアイテム袋か?」


 ヤバい……ギルド長とオリビアさんがいるのをすっかり忘れていた。でもオリビアさんは桃でバレてるし、ギルド長も信頼できるから、良いだろう。


「……はい」


「あんまり、言うんじゃねぇぞ。ただでさえ、珍しいのに、欲しがるヤツがうじゃうじゃでてくからな」 


 はい。分かってます。……でも、そのうちどんどんバレそうだけど。


「今回は、タグに邪教神もどきってあるから、違法取引モンスターに間違い無いと思うが、人のもんテイムする時は気をつけろよ」

 そうだ。そもそもその話だった。いろいろ脱線しまくったけどお咎め無しで大丈夫かな。


「はい。ありがとうございます」

 ペナルティなくて良かった……。

 頼むよ、死神!!


「とりあえず、宿屋のヤツの情報が分かったら教えつやるから、しばらく大人しくしとけよ」


 まるで俺がトラブルメーカーみたいだけど、俺じゃなくてテイムモンスターが変なだけだから。俺は安心安全な暮らしのために、普通の依頼を受けただけだから。

 

「俺のせいじゃないのに……」

 不貞腐れた俺の髪の毛をギルド長がくしゃくしゃにかき混ぜる。


「分かってるよ。それでも何かあってからじゃ遅いからな。……とにかく、しばらく様子見だな」

 やっぱり俺はガキだよな。ギルド長の対応に少し照れくさくなる。

 

「スバル様、そろそろチームの皆様が帰ってくる時間となります」

 オリビアさんが時計を見て、声をかけてくれた。

 もうそんな時間か。

 

「ギルド長、とりあえず今日はここまでで大丈夫ですか?」

「ああ、また何かあったら連絡する」


 ぺぺの件上手くいくと良いけどな。


 俺はギルド長に頭を下げるとオリビアさんと下に降りた。


 受付は朝と同じように人で溢れていた。いや、朝よりも混雑してるようだ。列がなかなか進まず、皆少しイライラしているようである。

 

「いつもより、遅くないか」

「時間かかりすぎだろ」

「すみません。順番にご案内になります」

「もう結構並んでるぜ」 

「あ、オリビアさんがいない」

「それでだな」


 冒険者たちもオリビアさんの有能さが分かってるんだな。オリビアさん、仕事できるからな。

 

「それでは私は受付に戻ります」

 オリビアさんは一礼すると、受付へ戻った。


 とりあえず、チームメンバーが戻ってるか探さないと。


「スバル!!」 


 列の真ん中辺りでハイドとケインが並んでいた。手を降ってくれているが、今そこに行くのは難しそうである。


「食堂で待ってる!」

 食堂を指さして大声で叫ぶ。

 

 ハイドが手で◯をしたから大丈夫そうだな。後は姉たちはどこだろう?

 

「スバルさん」

 

「うわぁ」

 いきなり背後から声がかかって、ビビる。

 後にジェーンさんが立っていた。

 

「あら、びっくりさせてしまいすみません。ステファニーさんとフェレナさんは報告を済ませ食堂で待っています」

「……ありがとうございます」

「私は今日はこれで失礼します。また明日、明日は皆で初心者の森に行きましょう」

「はい!」


 ついに俺も冒険者デビューか。明日、なんだかんだ楽しみだな。さ、今日は終わりだ、俺も食堂で休憩しよう。


 食堂も昼と比べると、ガヤガヤとにぎやかな雰囲気である。依頼を終えた後だからか、皆お酒を酌み交わしながら笑顔で話をしている。


「スバル!」

 姉が手を降ってくれ、そのまま隣の席につく。


「楽しかったわよー!!」

「はい、案内は任せてください」

 2人は疲れを感じさせない笑顔で、今日の出来事を話をしてくれる。

 

「スライムやツノウサギを結構たくさん討伐したの。ただ、討伐よりも解体に時間がかかるから練習しないといけないわね」

「周りの冒険者たちも同じように解体してるんですが、テキパキできていて私たちの解体した物と比べると差がはっきりしていましたね」

「最初に解体したツノウサギはジェーンさんに売り物にならないと言われてしまったわ。……練習あるのみよね」

 姉とフェレナは解体を完璧にできるようになりたいらしい。


「そうですね。それでスバルさん悪いんですが、今日は解体ナイフはジェーンさんに借りたのですが、解体ナイフが2人分欲しいこと、スライムの解体は簡単だったので、受付で素材を売ったのですが、ツノウサギは私たちの練習のために売らずにアイテム袋に入れてるんです。解体したものから売ることにしても大丈夫ですか?」

 

「もちろんそれで大丈夫」

 姉とフェレナが討伐したモンスターなんだから、その後始末については、俺が口出ししない方が良いだろう。

 

「きっとスバルはそう言ってくれるだろうと思って、解体ナイフは先に買っちゃったの。スライムジェルと核の代金で賄えたから。あとは、これが今日の残りのお金、チームのお財布に入れといて」

 そう言って渡された革袋は結構な重さがある。


「これも2人のものにしても良いのに……」

「いいのよ、チームに入れて必要に応じて出してもらえるほうが手間がないもの」

「はい、どうしてもお金が必要なときは言いまずので、入れておいてください」

 とりあえず言われた通りにチームの財布に入れる。


「これで心置きなく食べられるわね。体動かした後はお腹がすくから」

「はい!ここの食堂おいしいですからね、上から全品制覇しますか?」

「いいわね!」 

 いやいや、無限に食べたらお金足りなくなるからほどほどにして欲しい。ほどほどに。

 

「チームのお金も無限じゃないからほどほどにね」

「「わかってる(ます)」」

 2人とも満面の笑顔である。


「店員さん、注文良いですか?メニューのここからここまでお願いします」


 本当にわかってる?

 もしやお金を入れたのも確信犯か……

 お金大丈夫かな……。

 


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