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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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冒険者デビュー8(お金稼ぎ 2)


まずは準備だな。


「エイダン、倉庫から全員分の布手袋持ってきてくれる?」

「了解」


 エイダンの姿が消えたかと思うと、手に布手袋(軍手みたいなやつ)持ち、皆に配っている。


「ありがとう」

 早いな。いつの間に行って帰って来たんだろう。


「キュキュウ」

 スカイもつけるのか?上手くはめれるかな……うん、ぶかぶかだけど、取り敢えずはめれて良かった。

 

「じゃあ、今日の方針を伝えます」


「「「「はい!」」」」「キュウ!」


 手を挙げた拍子にスカイの手袋がすっぽ抜ける。


「……キュウ」

 すまんスカイ。

 そんなに悲しそうな顔をしても、難しいものは難しい。


「スカイちゃんいらっしゃい」

 ジェーンさんが、手袋をヒモでくくってくれた。

「キュウキュウ♪」

 スカイも本当に嬉しそうである。さすがゴールドランク!何だが見ているとほっこりしてくる。

 

 いや、違う違う、方針だ。方針。


「まずはハイド、風で草をひざ丈くらいに刈れる?」


「ウィンドカッターだなできるぜ!でも、ひざ丈でいいのか?」

「ああ、念のためひざ丈でお願いする」

「了解、全面すればいいんだよな?」

「頼んだ」


 ハイドはさっそくウィンドカッターを唱えてひざ丈に草を刈っていく。思ったよりも1回で結構な範囲の草が刈れている。

 

「最近魔法も練習しているせいか、前よりも遠くに飛ばせるようになった気がするぜ」

 良い傾向だな。実際前よりも楽に魔法を使っている気がする。

 

「次にケイン少し練習して、草が抜きやすいくらいに水をまけるか?」

「うん、やってみるよ」


 昨日に引き続き、ケインには少し魔法の調整が必要になってくる。水の量が多すぎると、沼みたいになりむしろ抜き辛くなってしまう。


 ケインは別の土地で少し練習すると、俺を呼んだ。

「スバルくん、どっちが良いかな?」


 2箇所水の量を変えているらしい。右の方が水の量が少し多すぎて足がとられそうである。左の方がちょうど良い。


「左で全面行けるか?」

「うん。大丈夫そう」

 ケインも広範囲に水を撒いていく。


「姉さん、エイダン、フェレナ、ハイドで草を抜いてくれる?」

「「「了解」」」

 

「エイダンのこと気になってたのよね。どちらが早く抜けるか競争しない?」

「良いですね。私も混ぜてください」

「俺も良いですか?」


 姉、フェレナ、ハイドが草抜き競争をするらしい。

エイダンが俺の方を見たのでこくりと頷いておいた。

「かまわない」

 

 エイダンも加わって、誰が一番をとるかな。

 お楽しみ要素が入る方が早く抜けるかもしれないしな。


「じゃあ、よーいドン」


 4人一斉にスタートする。やはりエイダンが抜きんでているが、他の3人も負けてはいない。


「エイダンやるわね」

「でも、ハイドさんも早いです」

 獣人族の身体能力を生かし、エイダンを追い上げている。


 さ、どうなる!?

 

「……あの、スバルくん、僕はどうしたら?」

 ヤバい。草抜き競争を夢中で見ていて、自分の仕事を忘れていた。


「ケインこのアイテム袋の中に姉さんたちが抜いた草を入れてくれる?」

「了解」

「スカイも悪いけどポケットの中に草を入れてくれる?」

「キュウ!」


 2人(1人と一匹)で抜いた草をどんどん入れていく。

さて、俺は畑に残された大きめの石を集めるか。

 

 30分くらいで、畑の草はキレイに抜けた状態になった。


草抜き競争、初代チャンピオンは……やっぱりエイダン!


 2位ハイド、3位姉、4位フェレナという結果になった。


「腰を低く落とした体勢で移動するのは、なかなか大変ですね」   

「ほんと、普段の訓練より疲れたわ。良い訓練になりそうね」

「はい。同じ仕事があればぜひ引き受けたいです。次こそは負けません」

「私だって。エイダン!リベンジよ!」


姉とフェレナは盛り上がっている。


「盛り上がってるとこ悪いんだけど、まだ、草が回収できてないんだ。姉さんとフェレナ、エイダンってアイテム袋持ってたっけ?」


「持ってるわよ」「私も持ってます」

 エイダンもこくりと頷く。


「じゃあ、皆で草の回収をしよう。ハイドは俺と同じ、石拾いをしてくれるか?」


「「「了解」」」


 人海戦術であっという間に、畑は綺麗になった。


「よし!」

「今回も結構早く片付いたわね」

「はい、これなら昼から森に行けるかもしれませんね」

 

「それなんだけど……良かったらアイテム袋貸してくれない?」

 皆がアイテム袋を俺の目の前に置いた。

 スカイ、お前の袋は外れないから大丈夫だ。


「……キュウ」 

 心なしかしょんぼりしてしまった。


「スカイは後で俺がちゃんと確認するからな」

「キュウ!」

 ええ子や。

 

 俺の勘があたっていますように……


「確か、名前を思い浮かべて取り出すんだよな……」


 キズナズナ草と思い浮かべて袋をひっくり返す。

1つ目の袋から、結構な量のキズナズナ草がでてきた。同じことを他の袋でも繰り返す。どの袋からもキズナズナ草がでてきた。


「……これは、キズナズナ草ですか?」

 

 イラストを描いていたケインはやはり鋭い。


「森じゃなくても生えてるかもと思って、良かった!当たったな」

 スカイにもポケットからキズナズナ草を出してもらう。


「あんた本当に変なところで頭が回るわよね」

 ふっふっふ。楽をするためなら、頭をふる回転させるさ。


「なるほど、ハイドさんにひざ丈と指示したのも、万が一傷をつけないためですね」 

 そう。さすがケイン。キズナズナ草の背丈は10センチくらいと書いてあったからな。


「じゃあ、残りは捨てに行こう!」

 俺がスカイとアイテム袋を持って移動しようとすると、フェレナが待ったをかけてきた。

 

「スバル様、詰めが甘いです」

 え、でもキズナズナ草結構ゲットしたぞ。


「はい、僕もそう思います」

 ケインが追従する。


「キズナズナ草がこれだけあるなら、他の薬草もあるかもしれません」

 そうか。確かにそうだな。


 確認した結果、キズナズナ草 45本 ドクケシケシ草 36本 ゲッコウ草 42本が見つかった。(ゲッコウ草は花の咲いてない状態だが) 


 これ、売ったら結構な額になるんじゃね。

 皆で喜びを分かち合い、院長先生を呼びに行った。 

         

 

 


 

 

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