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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
50/170

冒険者デビュー7(お金稼ぎ 1)


 1階はさっきとはうって変わってがらんとしていた。


 冒険者たちで溢れかえっていたのが嘘のように、誰もいない。依頼書も、ずいぶんまだらに貼られている感じになっていた。

 

「さっきまでが嘘みたいね」

「はい。でも探しやすくて良いですね」

「どの依頼が良いんでしょう?」


 姉、フェレナ、ケインが顔をしかめながら依頼書を眺める。ハイドはまだ漢字の読み書きが怪しいらしく、スカイと少し離れたところで待機していた。

  

 今まではジェーンさんに選んでもらっていたからな。


「ジェーンさん、どの依頼を受けても大丈夫ですか?」

「ええ、取り敢えず選んでもらって、難しそうなら声をかけるわ」


 俺も探すか。どれが良いかな。目を皿のようにして見ていると、支給品 布手袋の文字が目に入ってきた。


「これ、どうかな?」

 

畑の整地。(主に雑草抜き)半日

孤児院隣接の田畑として開墾するための整地を行う。

支給品 布手袋

報酬 出来高制 目安5銅貨

依頼主 孤児院長 リーン


「良いんじゃない。出来高制ならこれ以上稼げるかもしれないし」

「手袋代が浮きますね」

 皆も頷いてくれたので、これに決めよう。 


「じゃあこれで受付してきますね」


 オリビアさんに依頼書を渡す。

「チーム依頼で大丈夫でしょうか?」

「はい」


「それでは受付しましたので、依頼書を持って孤児院に行ってください。もう一つの依頼、キズナズナ草については、分かりましたか?」 

「はい。2階の資料室で調べれました。ありがとうございます」

「良かったです。お気をつけて」


 あれだけたくさん受付しているはずなのに、俺との会話をきちんと覚えていてくれているなんて、やっぱりオリビアさんは仕事ができる。また、次もオリビアさんの受付に来よう。  

 俺は頭を下げると、皆のところに戻った。

 

「孤児院に行こう」


「「「「おー!」」」」 「キュウ!」


 よし、やっと今日の依頼に行けるぞ。


 孤児院は冒険者ギルドから5分も歩かないところにある。入口では、ちょうど院長先生が掃除をしていた。


「先生、おはようございます」

「あら、スバルくんこんにちは、今日はお友達と遊びに来たの?」


 いつもにこにこ笑顔を絶やさない院長先生が、今日も笑顔で迎えてくれる。俺はチームの皆を紹介した。


「まぁ、スバルくんもついに冒険者デビューしたのね」

「はい、やっとですが」


 孤児院の子は昼からお金を稼ぐために、冒険者登録している子が多い。小さい子だと6歳くらいから年上の子たちに連れられて冒険者として依頼を受けている。毎日ではないが、昼から遊びに来ても俺と同年代の子はおらず、下の子と遊ぶことが多かったため、同年代の子には一緒に冒険者ギルドに行こうと誘われることが多かった。

 

「畑の整地の依頼を受けてくれたのね。ありがとう。最近、子どもの人数が少し増えたから、今後のことを考えて少し畑を広げることにしたのよ。土地は相談したらスバルくんのお母様が用意してくださったのよ。またお礼を伝えてもらえると嬉しいわ」


 母もやはりできた人だよな。


「分かりました。その畑はどこにありますか?」 

「孤児院の裏なの。今ある畑の右側になるわ。案内するからいらっしゃい」


 皆で院長先生についていく。


「ここよ。元は畑だったらしいんだけど、長年手入れをしてなくて草だらけになってしまってるのよ。半日で6分の1くらい綺麗にしてもらえたらと思うんだけど、大丈夫かしら」


 なるほど6分の1か。じゃあ残りはまた別に依頼を出すのかな。


「先生、もし全面綺麗にできたら6倍の3銀貨もらうことはできますか?」 

「ええ、もともとその予定で予算を組んでいるから大丈夫よ。でも、無理せずね。あと、布の手袋が畑の倉庫に入っているから、1人1つ使ってね。また終わったら院長室に、呼びに来てちょうだい」

 

 院長先生はもと来た道へ戻って行った。

「目標は全面ね」 

「3銀貨あれば欲しい物は手に入りますしね」

「じゃあどうやって早く綺麗に整地できるか考えないと」

「スバル何か案ないの?」


うーん。 

どうすればより早く草を抜けるかな。

 



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