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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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冒険者デビュー3(打ち上げ)


「思ったより早く終わったから、時間が余ったわね」

 掃除が30分ですんだから、まだ時間に余裕がある。


「じゃあ良かったら俺のおすすめの店に行く?」

「スバルおすすめの店って大丈夫なの?」

 ふふん。行って驚くなよ。


「デザートの店だけど結構人気なんだよ!店長と知り合いだから行ってみよう」

 マジで美味いからな。


「ま、小腹もすいたし、最初の依頼料も入ったし皆で行こうか」

 姉の言葉に皆頷くと、足取り軽く店に向かった。


 お店に着くとちょうど並んでいた人が、お店の中にはいったところだった。


「可愛らしいお店ね」

 外観もファンシーさを感じる明るい色合いで、店内は若い男女が多い。人気なのか席は満席のため、店外で並んで待つことにした。


「よく、こんなお店知ってたわね」

 俺の街歩きスキルをなめるなよ。美味しいお店は大体チェック済みである。


「たまたま、店長が露店で販売してる時に知り合ったんだよ。まだできて間もないんだぜ」

 あの後も何回か露店に通っている内に仲良くなり、新しい店のオープンにもお呼ばれしている。


「そうなの。楽しみね」

 姉もやはり女子なのか、嬉しそうである。フェレナと話しながらキャッキャしている。


「お待たせしました。あら、スバルさん、いらっしゃい」

 出迎えてくれたのは美人の店長のお嫁さんだ。店長とは美女と野獣コンビと心の中で呼んでいる。


「7人だけどいけるかな?」

「ちょっと狭くなっても良かったらお席をご用意しますよ」

「かまわない。早く食べたいんだ」

 姉とフェレナがな。後ろでうんうん頷いている。

 

 そのままテーブルに案内された。予備の椅子をだしてもらい、皆で席に着く。


「スバルおすすめは何?」

「スペシャルパフェ」

「じゃあ私はそれにするわ」

「私も」「俺も」「僕も」「キュウ」

「エイダンもそれで良い?」

 エイダンもこくりと頷いた。実は我々男子チームも甘いモノ大好き男子なのである。


「スペシャルパフェ7個ください」

「分かりました。少々お待ちください」


「はーでも今日は楽しかったな」

 姉が意外なことを言った。

「ですね、やっぱり実践は良いです」

 フェレナも続く。

 あれ、女子組は嫌がってなかったのか?

 

「でも、正直汚い仕事だから姉さん内心は嫌だと思ってると思ってた」

 俺の意見にケインも頷く。


「あの臭いもすごかったですし」

「正直、最初はどうしようかと思ったよな」

 

「だから良いんじゃない」

「えっ?」

「はい」

 姉とフェレナは奇妙なことを言う。


「ランクゴールドの人が選ぶ依頼よ、何か伝えたいことがあるに決まってるじゃない」

「はい。やはり、モンスターを討伐する前の心構えを教えていただいた気がします」

 やはりジェーンさんは狙ってこの依頼にしたのかな。


「近い内に討伐の依頼を受けるでしょ?その時に血の臭いごときでためらってたら、討伐なんて無理じゃない」

「それに討伐部位を持って帰らないとダメですよね、また近い内に解体についても勉強する必要がありますよね」

 確かに。おそらくこの1週間の内のどこかでは討伐依頼を引き受けるだろうから、習っとく必要があるな。

 

「それなら俺ができるぞ」

 ハイドが声を挙げる。

「解体できるのか?」

「あぁ、俺の父ちゃんがハンターだから、たまに解体の手作いをするんだ」

 

 冒険者もハンターもそんなに仕事内容の差は無い。ハンターは森で獲れる獲物を狙い、それを商店に販売している。獲物の種類は問わないし、害獣駆除も行なっている。冒険者は依頼の獲物を狙い、ギルドに納めている。


「やっぱり、今日も思ったけど意外とこのパーティーバランスが良いわよね。2人とも全然足手まといじゃなかったじゃない」

「はい、むしろお二人がいてくださったので仕事が早く終わりました」

 ハイドとケインは姉とフェレナに褒められ、顔を赤くした。


「スバルの采配も良かったしね」

 珍しく姉が褒めてきた。

 皆も俺を見て頷く。


 よせよ。褒めても何もでないぞ。

 俺も珍しく褒められて、少し気分が上がる。


「お待たせしました。スペシャルパフェです」  

 俺たちの前にはスペシャルにふさわしい、大きな器に入ったパフェが置かれた。バニラアイスを中心にクリームとたくさんの果物で飾られており、見た目も熊さんがデザインされ可愛い。


「可愛い!!でも何で熊?」

「店長が熊さん似なんだよ」

 そう、店長は何と俺のアドバイスを取り入れて商品化してくれた。


「美味そう!早く食べようぜ」 

「そうだな」

「スバル、あんたリーダーなんだから何か言いなさいよ」


 え、何この無茶ぶり。

 でも、早く食べたい!


「じゃあ、チームセブン初依頼達成を祝して、いただきます!」


「「「「いただきます!」」」」「キュウ!」


 皆大満足でペロリと平らげた。ただ共有財布はほとんど空になってしまったが……また、明日頑張ろう。

 

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