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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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桃を売ろう3


「あとは、偽装についてですね」


「はい!桃を売れるようにしたいです!」

 万が一の時に生活費を稼ぐ手段は得てないとな。

 

「それはもちろんですが、エイダンさんの偽装も必要でしょう」


 暗殺ギルドトップ疑惑だからかな。

 あれ、俺ミレー先生にそのことは言ってないよな。

 

「何で必要なんですか?」

「黒髪の影狩りスキル持ち、影の王ダンと言えば暗殺ギルドのトップとして有名です」


「エイダンではなくダン?」

「はい、私が聞いた話ではそうです。おそらく偽装スキルで偽名を使っていたのではないでしょうか」

 名前は良いとしてスキルや髪色を変えるほうが無難なのかな。

 

「エイダン希望がある?」

 エイダンはゆっくり首を横に振った。


「先生スキル無しの人っているの?」

「前にお話したように純血の方は才能のみです」

「じゃあエイダンのスキルを偽装スキルで消したら大丈夫だね。エイダンできる?」

 エイダンはこっくり頷き、「偽装」と唱えた。そして俺にタグを渡してくる。

 

エイダン

魔族 才能 武術 剣術 馬術 黒魔法

状態 呪い(死神) 主 スバル 


「よし、スキルが消えてる。あとは念のため髪色を変えるか……何色がいいかな」

 今も影のあるイケメンだけど、どうするかな。


「護衛ならば目立たぬ色がおすすめです、魔族に多い銀髪はどうでしょう?」

 銀髪か……イケメン度が増しそうだけど、ま、いいか。


「エイダン銀髪でも良い?」

 エイダンはこくりと頷くとまた「偽装」と唱える。みるみる内に髪色が黒髪から銀髪へ変化した。


「何で変わるの?」

「黒魔法で変えた」

 毛染めで変えようと思っていたのに、その必要は無さそうだな。 

 黒魔法便利。何でも偽装できるなら、確かに暗殺とか潜入とかにもってこいな魔法かも。


「よし、これでエイダンは大丈夫かな」

「はい。年齢も違うらしいので、気づかれる可能性はかなり減ると思います」

 一つ片付いたな。

 

 あとは桃だ!桃!


「先生桃も偽装したいです!」

「そうですね、それが今回の大きな目的でしたね」

「はい!」


 出どころがバレないように、でもたくさん売りたい。


 スカイがすかさずポケットから桃を出してくれた。

「キュキュ!」

 

「とりあえず一つ偽装してみますか?エイダンさん、スカイさんの桃の『スカイの』の部分を偽装してもらえますか?」


 エイダンは俺の方を向く。律儀に確認してくれるんだな。


 俺はもちろん大きく頷く。


 エイダンはスカイの桃を手に取り「偽装」と呟いた。そして俺に渡した。 


「もう偽装できたのか?」

 エイダンはこくりと頷く。


 確かにさっきのスキルの偽装もすぐだったもんな。


「スバルさん良かったら鑑定鏡で確認してみてください」

 俺は鑑定鏡を覗き、鑑定とつぶやいた。

 

桃 効果 少し傷を治す(初級ポーションとほぼ同じ効果) 美味


よし!ただの桃になってる!


「エイダンさん、一度にたくさん偽装することも可能ですか?」

 エイダンはまたこくりと頷いた。確かに一つずつ偽装してたらきりがないよな。


「スカイ、ポケットにあるだけ桃を出してくれる?」

「キュキュ!」

 スカイは大きく手を挙げると、ポケットからたくさんの桃を取り出した。思ったよりたくさんあり、テーブルの上に山盛りになっている。

 

「エイダンさっきと同じように全て偽装してくれる?」

「偽装……終わった」


 先ほどと同じように一瞬で終わった。鑑定で確認しても全て桃になっている。

 

「エイダン偽装って何個くらいできるの?」

 エイダンは首を横に振る。


「まだまだ余裕?」

 今度はこくりと頷いた。 


「エイダンさんは魔族ですから、種族的に魔力量が多いはずです。売る前にスカイさんに出してもらい偽装をかけるのが、効率が良いですかね」

 

「偽装って解けないんですか?」

 そういや、聞いてなかったな。


「偽装魔法に気づいて無効化しない限り、半永久的にかかり続けるので心配ありません」


「よし、これであとは桃の効果の検証だな」

「そうそう、桃に変化はありましたか?」

 ミレー先生が前のめりになり、尋ねてくる。 


「今のところ変化無しです。フェレナに傷の確認もしてもらっていますが、大丈夫そうです」

「良かったです……ちなみに私も桃をいくつかいただいても良いでしょうか。あの味が忘れられません」

 

 先生もか!!


 桃、中毒性がありそうだけど大丈夫かな。

 スカイに頼んで5個くらい、先生に渡す。


「個人的に欲しいので、売ることになったら私にも同じ値段で売ってもらえますか?」

 おおっ。お得意様第一号。


「もちろんです。あとはいくらで売ったら良いでしょうか?」

「値段つけは冒険者ギルドや商人ギルドに、持ち込めば勝手にしてもらえます。価値に見合った金額をつけてもらえるので心配ありません」


 よし、あとは効果の検証が終わったらギルドに持ち込もう。


……でも、姉たち女性陣に食い荒らされないよう、気をつけないとな。

 



 

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