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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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奴隷商に行こう5


「解放」


 ゴルダ氏はエイダンのバングルに手をかざすと俺を呼んだ。


「スカイ様、主登録をしますので、バングルに手をかざし『我に従え』と声をおかけください」

 バングルをすると主登録が必要なのか。俺はエイダンのバングルに手をかざす。

 

「我に従え」

 

 バングルに特に変化はないように見える。ゴルダ氏はバングルを確認して言った。


「……スカイ様の名前がバングルに刻まれておりますので、これで登録完了です。解除したい時は『解放』とおっしゃれば、主登録が解除されます。今回は逃げることやその場で暴れることは想定しておりませんのでこのやり方をしましたが、信用ができない場合は反対の手に新しいバングルで主登録してから、古い方を解除なさってください」


 なるほど、犯罪奴隷なら最悪の可能性を考えないといけないんだな。


「エイダン、スバル様、スカイ様の護衛として頑張るんだぞ」

 エイダンはこくりと頷いた。


「エイダンよろしくな」

「キュキュウ!」

 俺とスカイも声をかける。

 

「そうそう、あとは情報を偽装して欲しいことがあるのだが」

 そうだ、忘れてた。

 さすが父、忘れずにお願いしてくれる。

 

「それならば、心配はいりません。エイダンが闇魔法を修得しており、偽装魔法も使えます」

 エイダン、オールマイティだな。


「では、帰ってエイダンに相談することにしよう」

「はい、それではエイダンをよろしくお願いします」

 ゴルダ氏は頭を下げると、エイダンの方を向いた。


「幸多きことを……私はこれで失礼します。また何かご入用の際は遠慮なくお越しください」

 エイダンの頭を一度撫でると、そのまま部屋から出ていった。


「エイダン、何か取ってくるものある?」

 エイダンはゆっくり首を振った。


「じゃあ、このまま帰るぞ」

 父の言葉を合図に、奴隷商を皆で後にした。


〜 馬車の中にて 〜

 

「エイダン、護衛任務だけど、お休みは週に1度でいいかな?」

「必要ない」


「勤務時間は俺が起きてから寝るまででもいいかな?」

「ずっと一緒で問題ない」


「バングルは外したくなったらいつでも外すから遠慮なく言って」

「外したくならない」


「護衛任務も辞めたくなったら、次の護衛を探すから早めに言って」

「辞めない」


 雇用条件を1つずつ、確認するが、全く表情を変えずしかも超絶ブラックな仕事を自分から進んで希望してくる。仕事ジャンキーか?

 無理にでも言わないと休みを取らなさそうだな。

 

「家で寝る時は、俺が一緒にいると寝れないから、別室で休んでくれ。後は、俺が町に遊びに行く時は、護衛兼友達として接してくれ」

「……友達?」

「ああ、食べ歩きしたり、買い物したり、遊んだり、あと、エイダンの欲しい物があったら買っていいから」

 エイダンは少し迷う素振りをしたが、こくりと頷いた。


「よく分からないから、また教えてほしい」

「もちろん、いろいろ教えてやるよ!」 

「キュキュウ!」

 よし、一緒にいろいろやるぞ!楽しみが増えたな。


「そういや、呪いの影響は大丈夫か」

 エイダンはこくりと頷く。


「自分ではどこが呪われているのか分からない」

「それって、痛みやしんどさはないってことであってる?」

 エイダンはまたこくりと頷く。


「でも今までの記憶はないし、おそらく年齢も若返ってるんだろう?」

「記憶はない。年齢は分からない」

 

 死神――!

 いったいどんな呪い何だろう。

 

「でも、悪い呪いじゃない」

 エイダンはそこだけはきっぱり言い切る。


「なんで分かるんだ?」

 エイダンは首を振る。


「うーん。ま、呪いについては追々考えよう」 


「エイダン、死神に言われたと言っていたが。どう言うことだ?」

父が口を挟む。

そういや、そんなことも言ってたな。


「夢で死神に言われた」

「夢で?何て言われたんだ?」

「スバルと共にあれと」

うーん。分からない。

 

「死神とは何なんだろう?」

 父が尋ねてくる。


 確かにこの世界では精霊と神の話は聞いたことがあるが死神という言葉は聞いたことがないかも。


 エイダンは首を振った。


「スバルは分かるか?」

「俺もよく分からない」


 知ってるけど、どんな存在かは分からないからな。


「……そうか、また、神殿でも行くかな」


 そうだ神殿。スカイのお礼もできてないし、呪いについても分かるかもしれないしな。また、近い内に行こう。


「明日にでも行くか?」

 いや、いや、父よ。そんなに、騎士団不在にして大丈夫?


「いや、さすがに怒られるか……でも、気になるしな……」

「父様、とりあえず、エイダンとの生活が慣れてからでも良いですか?」

 焦っても、神殿は逃げないからな。


「……そうだな」

 父も納得したのか、そこで話は途切れた。


♢ ♢ ♢ ♢


 薄暗い室内で今日の出来事を話す。 


「死神の呪いらしい」

「あなた、よく許可したわね」

「これだけ神がかっているんだから、おそらくエイダンはスバルの護衛になるべくしてなったんだと思う」


「あとは神殿に行かないと」

「今日お休みしてた仕事を終えるのに、暫くかかるわよ」


「分かっている。スバルにもエイダンが慣れてからと言われた」

「それなら、きっと待っても大丈夫よ」

「おそらくな……ただ、出来るだけ早くしないと」

「えぇ、神よどうかお願いします……」

 

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