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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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果物生成 2


「あとは、どのくらい日持ちするかですね。スバルさんスカイさんに出せるだけ多く、桃を出してもらうようお願いしてもらえますか」

 

 俺はスカイに出せるだけ桃を出すように言ってみた。スカイは桃をポケットから取り出す。

 

1.2.3.4.5.6.7.8.9

 

「やはり、今のところ1日10個出せるようですね。ではこの9個の桃をしばらく観察しましょう。スバルさん、2日おきに、この桃を食べてもらえますか?普通の果物なら腐りやすいのでもって5日くらいですが、この桃は分からないので」


 なるほど、初級ポーションは1ヶ月くらいもつと言ってたし、どのくらい日持ちするかは売るにしても大切だな。

 

「また明日も桃を最大限スカイさんに出してもらってください。どのくらい持つかの確認と、もしかしたら使い続けたらスキルが成長したり、魔力が成長したりして効果が上がったり、出せる個数が増えたりするかもしれません」


 なるほど!一石二鳥だな。桃の日持ちの確認と魔力量を伸ばせる。また、効果がアップすれば、売ったときの金額も上がる!


「あとはスバルさんには大変申し訳ないのですが、桃を食べる前にナイフで腕を刺してもらえますか?」


 今、さらっと先生すごいこと言わなかった?

 しかも先生笑顔だし。

 

「いや、いや、いや、先生、それは無理です。俺痛いの苦手です」


 断固拒否!

 痛いの反対!

 

「困りましたね。では効果が日持ちするのかはどうやって検証しましょう」


 ……確かに。でも俺は腕を刺さんぞ!


「先生、鑑定鏡は?」

「おそらく劣化など表示は出ると思いますが、効果はやはり食べてみないとどう劣化しているか分からないと思います」


「じゃあ、訓練生で怪我をした人に食べてもらったらどうでしょう?」

 そうだ。うちは訓練で怪我する人が山程いる。そのうちの誰かに食べてもらえば良い。

 

「あまりこの桃のことを知られるのは……しかし、結局いつかは知られるなら少しずつバレても同じですかね……」

 

 先生は目を閉じてしばらく考え込んでいたが、目を開けると俺の方を見て言った。


「スバルさん、スカイさんは大変珍しいモンスターです。しかも有用性も高い。誘拐のリスクがかなり上がります。ですが、いつまでも隠してはおけません」

 確かに。外出先でも、いつまでもリュックの中に入れておくのも可愛そうだしな。

 

「ですので、まず1つ目は、日常生活にいることがあたりまえにすること。日頃から人の目を避けずに、普通に過ごしてみたらどうでしょう?」

「先生、それって誘拐とか大丈夫でしょうか?」

 スカイは珍しいらしいからな、誘拐なんかされたらと思うと、本当に心配になる。


「そのリスクを減らすためにも、いることが珍しいではなくあたりまえにするのです。人間隠されるほど価値が高く感じます。ですから、開き直って堂々と過ごす方が結果的にリスクは減ると思います」

 そう言われるとそんな気がする。


「あとはやはり護衛を雇うべきです。今ももちろんいらっしゃるでしょうが、常に側にいてもらえる護衛を、奴隷市場に行って見つけてきてはどうでしょう」

 

 奴隷。

 そう、この世界普通に奴隷がいる。

 何かしら犯罪を犯すと、前の世界では刑務所に入っていたが、こちらの世界では奴隷に落とされる。罪の重さによって奴隷として過ごす年数が違うらしい。


「戦争で奴隷にされた方は、武力も強く、人柄も悪くありません。また辺境伯様に相談なさってはどうでしょう?」


 戦争で負けても奴隷になるらしい。

 ある意味、俺のかわりに戦ってくれるテイムモンスターと同じようなものか。

 俺の安全率も上がるし、良いかも。

 

「分かりました、父様に相談してみます」

「はい。訓練生に桃を食べさせることも一緒にご相談してみてください」


「あ、あと、最後になりましたが、桃の出どころを、辺境伯の秘密農園にすることです。幸いなことに、スカイさんはポケットから桃を出します。収穫した桃をポケットに入れていることにするんです」


「でも、先生。鑑定したらスカイの桃とでてしまうので難しいのでは……」

 さっきの鑑定でバッチリスカイの桃と出たもんな。


「偽装の魔法使いに頼めば大丈夫です」

「偽装?」

「はい。自分のスキルや才能を隠したい場合、偽装のスキル持ちに隠してもらうよう、お金を払って依頼します」


「そんなことができるんですね」

「やはりプライベートなことは隠したい方が多いので。おそらくこちらも辺境伯に伺えば、どなたかご存じだと思います」 


 いろいろ便利な世の中だな。

 でも俺もスカイも安全第一!使えるものは全て使おう。


「分かりました。先生いろいろアドバイスありがとうございます!」

「いえ、まだまだスカイさんは興味深い。たとえばポケットの容量や、他の果物は生成できるかなど」


 確かに!他の果物も生成できるかも!!


「ですので、また一緒に検証させてください。あと、他の果物は桃の検証が終わってからが良いと思います」 

 

まずは一つずつ、焦らず検証だな。

 

 あれ、でもスカイは魔法を使えるようになった……ということは魔法が使えないのは俺だけ。


 トホホ。





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