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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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鑑定に行こう! 2


 冒険者ギルドの外観は昔の西部劇のお店みたいだった。


 入口が広く、二階建てである。入口から入ると、今はあまり人もおらずがらんとした店内の様子が見えた。お約束では、三下冒険者に絡まれ、ベテラン冒険者に助けてもらうパターンだが、どうやら今回はそれは無いらしい。


 確かに今の時間はだいたい11時。冒険者は朝一で依頼をとりに来て、普通は今仕事中である。

 ちなみに時計もだいたいどこでも見かける。前世と同じ仕様なので分かりやすい。

  

 父との待ち合わせまでまだ時間が有るので、店内をぶらついてみることにした。


 壁には依頼書がところ狭しと貼られている。どうやらランクによって貼られる場所が違うらしい。右に進むとまた別の入口があり、ご飯処になっていた。今日の日替わりは「オークの唐揚げ」と書いてある。美味しそう……。


 左に進むとこちらもまた、別の入口になっていた。広いスペースが広がっており、「素材持ち込み処」と書かれている。そして中央奥はもちろんカウンターだ。受付のお姉さん方が待機している。


 俺ぐらいの小さい子が来たら、目立つかと思ったが、受付のお姉さんたちも別に気にしていない。そう言えば前遊んだ子どもたちも昼から冒険者ギルドに行くと言っている子が多かった。依頼を受けに普通に子どもも来るんだな。


カラン カラン

 ドアの開く音がした。 


「スバル、スカイ、待たせたな」

 父が到着したらしい。父は目立つ(かっこいい&貴族の目立つ格好をしている)ので一気に注目を集める。

 

「父様!いえ、いろいろ探検してたので、楽しかったです」

「キュキュ」

 リュックからスカイも返事をする。


「そうか、では行こう」

 父様と一緒にカウンターに移動した。

 

「すまないが、ギルドマスターを呼んでくれるか。スチュアートが来たと伝えてくれたら分かると思う」

「お待ちしておりました。ギルドマスターから伺っております。2階へどうぞ」

 俺たちを担当してくれた受付嬢は、眼鏡をかけた知的な感じの美女である


「ありがとう」 

 スマートな対応である、さすが!!


 受付嬢に促され階段を上がる。途中、階下からきゃぴきゃぴした声が耳に入ってきた。


「今の辺境伯のスチュアート様でしょ!かっこいい!」

「3人の子持ちには見えないわよね」

「金髪、碧眼、引き締まったボディー、色気がムンムンよね」

「さすが鮮血のスチュアート様!でもお子様は普通だったわよね」


「申し訳ありません。あとで指導しておきます」

 案内してくれている受付嬢が丁寧に頭を下げる。彼女が一番ベテランなのかな。

「いや、このくらいよくあることだ。気にしないでくれ」

 そう、そう。父がイケメンなのも俺がフツメンなのも今更である。

 

「いえ、我々の仕事は守秘義務もありますから。誠に申し訳ありませんでした。またお坊ちゃまにも不愉快な思いをさせてしまい申し訳ありません」

仕事ができそうな人である。

「いえ、大丈夫です!気にしないでください」

 言われ慣れていて、本当に全然平気なので気にしないでほしい。(これは本気と書いてマジである)


 そうこうしているうちに2階の一室に案内された。

 

トントン

 

「ギルドマスター、スチュアート様がいらっしゃいました」

「入ってくれ」

「失礼します」

 

 ドアを開けると熊がいた。

 いや熊ではなく人か。

 無精髭を生やし、髪もライオンみたいに逆立っている。筋肉もムキムキである。


 ちなみに父は細マッチョ。脱いだらすごいやつである。

 

「久しぶりだな。スチュアート、そっちが次男か」

「あぁ、次男のスバルだ」

 父と、ギルドマスターは肩を叩き合う。どうやら結構親しいらしい。


「スバル=クリスチャン=バードです。今回はよろしくお願いします」

「俺はギルドマスターのアランだ。よろしくな!」

 握手を求められて手を握る。本当にごつい手だ。俺の手の何倍あるかな。


「さっそくだが、鑑定するのはどいつだ?」

 俺はリュックを降ろして中からスカイを取り出す。


「この子です、スカイと言います」

「キュー」

 スカイが可愛く手を挙げる。

 

「……こいつは、俺でも見たことねぇな」

「アランもないなら、やはり、新種かもしれないな」

「少し触っても大丈夫か?」

「キュキュ」

 スカイが大丈夫と返事をする。


「毛質はシルバーウルフと似ているな、宝石があるのはカーバンクルと同じか……やっぱり分からねぇな。でもこいつ触っても全然嫌がらねぇな」

 そうだろ、そうだろ、家のスカイは人懐っこくて、激可愛である。


「一応スバルが主なんだが。誰に対しても人懐っこのも特徴だ」

 ギルドマスター見た目は熊みたいだけど、スカイは全然怖がる様子もない。

 

「ま、鑑定したら分かるだろう。オリビア頼めるか」

「はい、それではスカイ様をこちらへ」

 受付嬢のオリビアさんが鑑定するのか。ギルドマスターがスカイをオリビアさんに渡す。


「それでは、始めます。…………鑑定」


 オリビアさんは目を閉じてスカイに手をかざした。

 オリビアさんの手が光る。次第に光が小さくなり最後は消えてしまった。そして手の中には鉄色のプレートが握られていた。


「こちらがスカイ様の鑑定結果になります」 

 鉄色のプレートが渡される。


 表にはスカイと彫られており、裏には何も書かれていない。

「これ、どうやって見るの?」

「スバル握って、スカイの名前を心で呼んでみろ」

握って、心で呼ぶか。やってみよう。


「スカイ」







 

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