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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第ニ章 新たな世界へ
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スカイのリンゴ 2


「それにしても、スバルくんは本当に聖人なんじゃないか?困っている要望にそう品をポンと出せるなんて」

 

「いや、実は俺じゃなくて、スカイなんです」

 

 ケインのお父さんには、オレンジの件もあるから本当のことを話しておいた方が良いだろう。


「実は……」

 スカイの果物生成の能力について説明する。


「オレンジもスカイに作ってもらった物になります。ですので普通のオレンジよりも味も美味しいし、体力を回復させる効果もあります。娘さんに食べてもらったのもスカイのオレンジです」

 

「そうだったのか……では、悪魔病に効くのはスカイくんが作ったオレンジだけなのか?」

 

「いえ、そもそも悪魔病はビタミンというオレンジに含まれている物資が体に不足することで起こるんですが、このビタミン、海藻類や野菜など様々含まれています。ですので何でも食べる人は基本的にかかりません。おそらく人魚族の先祖返りで魚しか食べない人がかかる病気です。ですから野菜や果物などを食べてくれたらよくなるはずです。ただ……オレンジの方が食べやすいかもしれないので、普通のオレンジも良かったら辺境伯家から輸入していただけたらと思います。これを食べたら悪魔病にかからないというのが分かりやすいですしね」

 

「分かった。では、そうしよう」

 

「あと、数は用意できませんがスカイのオレンジも辺境伯で作られていることにしていますので、輸入は可能です。でも普通のオレンジに比べて値段がかなり高くなるので、悪魔病の重症者や、普通のオレンジを食べない人にのみ薬として配るなど差別化が必要です」

 

「なるほど。……よく分かったよ。スカイくん、家の娘を助けてくれてありがとう」

 

「キュウ!!」

 スカイは嬉しそうに手をあげる。

 

「ですので、ほぼ功績はスカイがもたらした物になります。スカイを聖獣認定してもらった方が良いですかね……?」

 

「いや、そうなるとスカイくんが悪いヤツラに狙われるかもしれない。今のままスバルくんの功績にしておいて伏せてもらうのが1番だろう」

 

「……分かりました」

 とほほ。良いことだけど自分の功績じゃないのが何ともいえないよな。


「あとはリンゴの件だな……スカイくんリンゴはどのくらい作れるんだい?」

 そういえばリンゴは初めて見たもんな。


「スカイ、今作れるだけリンゴをここに出せるか?」

「キュウ!」

 

 スカイはテーブルにリンゴを出す。

 1.2.3.4.5.6.7.8.9

 

「9個か……スカイ1日の量か?」

「キュウ」

 スカイはこくりと頷く。


「私が一ついただいたから、おそらく日に10個出せるということだな……」

 しばらくすれば、おそらく数は増えるだろうけど……。

 

「王家には一つ贈れば良いんですよね」

「ああ、王家にはな。だが、姫様の様子を見て欲しがる者が出てくると思ってな……どうすべきか」

 うーん。やはりここは実家かギルドに丸投げしよう。

 

「王家には10個献上します。これをどう使うかはお任せしようと思います。販売は実家か冒険者ギルドで行おうと思います」

「うん。それが良いな。こちらとしてもオレンジだけでおそらく手一杯になるだろうし……」


「後はどうやって末姫様に渡すかですが……何か良い案はありますか?」

 正面から行って目立つのは避けたい。

 

「ふむ、王家に家に来てもらえないか打診してみようか……いや、ヤドリ侯爵家が良いかもな。婚約者の家に来るのは何の不都合もないし、ヤドリ侯爵に打診してみよう。その際、ヤドリ侯爵にもスカイくんの能力を伝えても大丈夫だろうか?」

「はい、構いません」

 ヤドリ侯爵も信用はできる。


「では、それでいこう。日程調整に少し時間がかかると思うからその間は自由に王都を観光してくれ。ハイドくんの案内人もつけるから、何か分からないことがあれば遠慮なく相談してほしい。では、私はこれで失礼する」


 よし、これで末姫様の件も何とかなりそうだな。

 それにしてもスカイ。恐ろしい子。

 どんどん付加価値が高まっていく。


「スカイ何か欲しい物があれば遠慮なく言えよ。何でも買ってやるからな」

「キュウ?」

 スカイはぺぺとグリンを指す。


「もちろんぺぺもグリンもな」

「ぺぺ!」「キャン!」

 いや、本当に家の子たちはすごい。


「伯爵から滞在中に関しては全て我が家が払うように言われておりますので、遠慮なく欲しいものご購入ください」

 控えていたケインの執事さんが言葉を挟む。

 

「いや、それは……そうでなくても食事や泊まる場所を提供してもらっているのに……」

 それはかなり申し訳ない気がするぞ。

 

「いえ、お金は両侯爵家からもでる予定ですのでお気になさらず。王都にあるものでしたら自由にご購入ください」

 うーん。これはどうすべきか。

「スバルくん、今回はそうさせてください。それでなくても僕の件でお世話になったので」

 ケインにも言われる。

 

「じゃあ、お言葉に甘えよう!!」

 よし。今回はお金を気にせずに遊ぶぞ!!

 

 さて、明日は王都観光だ。

 楽しみだぞ!!

 

 


 

 

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