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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第ニ章 新たな世界へ
152/161

王城 3


「……とはいえ、テイタン。やはり、法をねじ曲げると歪みがでるのも事実。それをいかに抑えるかはお前の手腕にかかっているぞ。よろしく頼む」

「はっ」

 

「陛下、当事者のセリン嬢からお話を聞いておりませんわよ」

 王妃様が釘をさす。

 

「そうだったな、セリンよ。今回の話、そなたは納得しておるのか?」

 

「はい、陛下。今回の話そもそもは我が家門についてのこと。全て納得しております。残念ながら我が親戚に継ぐに足る人物がおらず……テイタン様にお力添えをいただき本当にありがたく思っております」

 

「……そうか。ならば、後はその身で証明してみせろ」

「はい」

「悪いが現段階では承認するが、今後領地運営に支障が出た場合この話を取り消す可能性もある。……罪のない民に苦労はかけたくないからな」

「承知しました」

 いや、やはり王様。しっかり考えてくれている。

 

「よし。話はまとまったな。では、王妃あれを持ってきてくれるか?」

「はい、かしこまりました」

 王妃様は、豪華な箱を持ってきた。


「スバルよ。これは王家からそなたへの個人的な礼だ。遠慮なく受け取ると良い」

 

 俺!?

 周りを見ると皆頷いているので、遠慮なくいただくことにする。


「開けてみろ」

 王様に言われるまま蓋を開ける。

 中には、王家のプレートと瓶に入った薬が100粒ほど入っていた。


 この薬、似たものを見たことがあるぞ……。

 そうか!水の中に入れる魔法薬!!


「これは水の中に入れる魔法薬ですか?」

「そうだ。一粒で1年持つ。いつでも我が国に遊びに来てほしい」

 地味に嬉しい。これだけの量があれば一生困らなそうである。

「ありがとうございます」

 

「それと、これはお願いになるのだが、そなたの領地で採れるオレンジを定期的に我が国に卸して欲しいのだ」

 悪魔病の対策だな。もちろんオッケーだ。

 

「両親に相談してからになるのと、量がどれだけ降ろせるかは分かりませんが、可能な限り叶えたいと思います」

 この返事で良いだろう。

 

「その輸入についての細かい話の窓口は隣接しているシェル伯爵へ頼もうと思うがどうだろう?」

「はい、謹んでお引き受けいたします」

 また、シェル伯爵やお医者さんと話をつめないとな。

 

「よし。これでオレンジの話もまとまったな。後は……スバルは婚約者はおらんのか?」

 

「はい。しがない次男坊ですので」

「……王家にも今は釣り合う娘はおらんが……そなたは人魚族をどう思う?」 

 この流れ、まさか俺に婚約者を!?

 人魚族に偏見はないけど、婚約者は自分で見つけたい……。


「正直に言います。人魚族に偏見はありませんが、婚約者は自分で見つけたいと思います」

 不敬にあたりませんように。

 

「ははははは、そうかそうか。偏見はないか。それだけで十分だ。また、機会を見て話をしよう。では、話はここまでとするが、皆の者良いか?」

「「「はっ」」」

 

「陛下、スバルさんに、この後個人的なお願いがあるのですが……」

 そこに王妃様が待ったをかける。

 

「王妃よ。それはダメだと申しただろう。我らの私利私欲に聖人を巻き込んではならん」

「分かっております。ですが……」

 先程までの和やかな雰囲気が一変し、王様と王妃様の間に緊迫した空気が流れる。

「分かっておらぬから、話をだしたのであろう。皆の者すまぬな。ここからは我が家の私的な会話になる席を外してくれるか?」

 

「「「はっ」」」

 俺の名前が出てるけど、良いのかな……。聞くくらいならできるけど……。

 

「陛下!!お願いします。スバルさんに……」


「スバルよ。かまわぬ退室してくれ」

「待ってください!!」


 王様に言われるまま、俺達は部屋を退室した。


 王妃様、かなり取り乱していたけど大丈夫かな。いろいろお願いを聞いてもらったし、高価な物ももらったからできることなら叶えたいけど……。


 城をでると、皆ここで解散になった。

 

「また、何かあれば遠慮なく頼ってくれ」

 とヤドリ侯爵。

「息子の件では今後も世話になる。またよろしく頼む。家もできることがあればいつでも言ってくれ。また、いつ訪ねて来てくれても構わない」

 とコンフ侯爵。

 

 皆でお二方に礼を言うと、侯爵様方はタクシーに乗って帰って行った。


「私も早急に手続きをすすめる必要がありますのでここで失礼します。スバル様、本当にありがとうございました。ケイン様、また……」

「うむ。わしも手伝おう。皆の者またな」

 セリン嬢とケインのお祖父さんともその場で別れる。

 

 残った俺達もとりあえず王都にあるシェル伯爵別邸で一時休憩をすることになった。


 シェル伯爵家の別邸もかなりの大きさの建物である。ドアを開けるとハイドやスカイたちが出迎えてくれた。


「お帰り!うまくいったか?」

「キュウ」「ぺぺ」「キャン」

 3匹を撫で回しながら、答える。


「とりあえず、オッケーが出たよ」


「ケイン!良かったな。これでまだしばらくは一緒に冒険者をやれるぞ!!」

「はい!!」


 皆で喜びを分かち合う。とりあえずミッションコンプリートだな!!


 




 

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