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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第ニ章 新たな世界へ
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コンフ侯爵家(密談&トランプ)


「ヤドリ侯爵から聞いていた通り本当に欲がない子たちですね」

 コンフ侯爵はダミアンとテイタンが椅子に座ると、人払いをして話しだした。


「ああ、皆驚くほど人が良い。だが、逆に金や名誉では動かん」

「なるほど。だからヤドリ侯爵も良縁を結ぶべきと言っていたんですね」

「おそらくな」

 

「末の息子さんの容態は?」

 ダミアンが尋ねる。

 

「先程も述べたように回復傾向にあります。少しずつ、悪かったところが治っているようです」 

「そうですか……良かった」

 

「ダミアン殿の娘さんはどうですか?」

「やはりご存知でしたか……我が娘は幸い初期の段階でオレンジをいただいたので、ほぼ完治したと妻からは連絡が入っています」


 コンフ侯爵は少し難しい表情になる。

「……それは……今後が心配ですね」

 

「ええ、おそらく病が完治すると分かれば、スバルくんは聖人扱いになるでしょう」

「本人は望まないでしょうね」

「ですから、スバルくんをできるだけ表に出さないように我らで手を打つ必要があります」

「我が家の恩人です。全力で裏工作いたしましょう」

「ええ、我が家にとってもです」


「方針は決まったか?」

「だいたいは」

「ヤドリ侯爵も手伝ってくれると言っていたから、三家が寄ればなんとかなろう」

 

「はい。王家は動くでしょうか?」

「おそらくもう動いておる。我らの話も筒抜けじゃろうて。だからこそどう交渉するかじゃな」

 

「王家もおそらくスバルくんを欲するのでは?」

「可能性は高い。じゃがあいつは簡単には動かん気がするがな」

「……意外と情に訴えられたらころっといきそうな気もしますが」

「それも否定できん。セリンと我の件を叶える変わりに王家が何を欲するかだな……」

 

「末姫様ではありませんか?」

「……そうだな。だが、それならあいつになんとかできるものならなんとかしてほしいのう」

「そうですね。やはり同じ親としてなんとかならないかと思ってしまいます」

「ま、何にしろ明日は王宮へ参内することになっておる。くれぐれもよろしく頼むぞ」

「承りました」

 

「では、一度部屋に戻るとしよう」

「はい」


◇ ◇ ◇ ◇


「なあ、なんか暇だな」

「確かに……」

 今日はまだ夕食まで時間がある。


「スバルなんかないのか?」

「なんかか……何かを用意しました!!」

 

「「おおっ!!」」

 

 修学旅行といえばトランプ!でも、今世ではあの材質の紙は見たことがない……ないなら、作ってしまえ、ホトトギス!


 と思っていろいろチャレンジしてみましたが、残念ながらあの厚紙は作れず……どうしようかと考えたところ材質そのものを変える案を思いつきました!


 うちには何でも切れるエイダンがいる!

 エイダンに曲がらない木材を1ミリ幅で切ってもらうと……無事にトランプの形は成功!後はどう数字とイラストを書くか悩んでいたところ、木材に印字するのに使っている焼きゴテを作ればよいのではと思いつき、職人に発注をかけ作ってもらいました!ふふん、なんと俺は今お金持ち!少しお高めの値段で急ぎでお願いしたら、なんと昨日完成品がケイン宅に届いたようです。それが今日俺のところに届き、みんなで試してみようとなったわけです。


「何だ?これ」

「これか、トランプだ!」

「「トランプ?」」

 

「簡単に言うと、 JOKER、このカードが最後に残った人が負け!順番にカードを引き合い、同じ数字のペアができたらその都度捨てる。 最終的に手札がなくなった人から勝ち抜けていき、最後までJOKERを持っていた人が負けとなるゲームだ。ま、習うより慣れろやってみよう」

 

 ちなみに11ジャックはグリン、12クイーンはぺぺ、13キングはスカイのイラストを焼き印してもらいました!結構可愛い!!


 ということで、第一回JOKER抜き大会開始!!

 今回は俺、ケイン、ハイド、エイダンの4人で行います!


「えっと最初に……同じ数字のカードを捨てるんだな」

「そうそう!」

 場に同じ数字のカードを捨てていく。残り4枚!まずまずのスタートである。

 

「これ、横についてる♡のマークは何か関係あるのか?」

「今回はないけど、別のゲームで使うんだ。また教えてやるよ。じゃあ俺から引いていくぞ」

 ケインから1枚引く!よし、数字があった後は3枚。ケインハイドから引く。合わなかったのかそのまま。ハイドはエイダンから引く!


「うわぁ、JOKERだ!!」

 あちゃあ。言っちゃったな。

「ハイド、JOKER引いてもポーカーフェイスで隠すのがこのゲームの面白いところだから、次から言うなよ」

 ハイドは顔に出そうだけどな。


 というふうにどんどん引いていき、1番に俺、2番にエイダンがあがり、残るはハイドとケインの一騎打ちなった。


 ハイドが持っている2枚のカードのうち、1枚はJOKER。ケインは無事にひかずにいけるのか……。ハイドはやっぱり顔に出る。右の方を引きかけると焦った表情になるからアタリは右だな。


 ケインは右のカードを引いて、今回はハイドの負け!


「何で分かったんだ?」

「……ハイド、顔に出過ぎ!」

「難しいな、次は目をつぶるか……な、もう一回やろうぜ!!」


 その後もJOKER抜きは盛りあがり、楽しい時間を過ごすことができた。


 やはり修学旅行にはトランプだよな。

 

 

 

  


 

 

 

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