表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
14/122

初めてのゲット11(遂に)

 酷い目にあった。

 

 俺はベッドに倒れ込む。

 

 いや、別に酷くはないけど。

 でも、普通友達なら、最後まで付き合うとか……。

 ただ、2人とも用事があったし仕方ないか……。

 俺足手まといだしな……。


 そう。モンスターをテイムしてない俺はぶっちゃけスキル無しと同じである。


 戦闘系スキルなら、体力などの底上げもあるが、テイマーは違うらしく訓練についていくのもやっとだ。

 

 俺強ぇーを死神にねだった方が良かったのかな。


 でも死にたくないしな。


「お前、何時になったら出てくるんだ?」

 隣にいる卵に聞いてみる。

 

 …………返事は無い。


 そりゃそうだ。

 肌身離さずに持ってるんだがな……何か足りないものでもあるのかな?


「あーあ、どうしたらいいんだ」

 やっぱ、力不足は辛い。


「早く出てこいよ」

 独り言がすすむ。


 その時、卵からかすかに音が聞こえてきた。


 ピキッ


 微かに亀裂が入る。


「……まじか、ついに出てくるのか」

 俺は卵をじっと見つめた。


ピキピキ


 少しずつ亀裂が広がっていく。

 よし!早く、早く!!

 亀裂がちょうど真ん中まで入る。

 ドキドキが止まらない。


「……頑張れ!頑張れ!」

 何が出てくるかも楽しみだけど、とにかく無事に生まれてほしい。

 

「……頑張れ!!」


 亀裂が大きくなり、ついに卵が割れた。


「……キュウー」

 目の前には見たことのない、生き物がいた。


 ウサギ?いや、よくファンタジーに出てくるカーバンクル?

 

 体の色はシルバーとアクアグリーン。瞳の色は赤い。二足歩行のウサギとカーバンクルを足して2で割ったような見た目である。のどに赤い宝石がついていて、キラキラ光っている。そしてお腹にポケットがついている。

 

 カンガルー?


「おぉっ……お前何のモンスターだ?」

 お約束のドラゴンやフェンリルではなさそうだ。

 でも、死神との約束では強いモンスターのはず!


「キュウ、キュウ」

 俺の方へと歩いて来る。

 …………めちゃめちゃ可愛い。


「キュウ!」

 ギュッと俺にへばりついてきた。


「ふぉーーー」

 変な声が出た。本当に可愛い。

 

「キュキュ」

 俺を見て何か訴えてくる。

 でも、俺モンスターの言葉分からないしな。

 いや、そうか。

 テイムすれば、分かるようになるのかも。


「テイム!!」


 しーん


 何も起こらなかった。


 いや、テイムってどうやるんだ。


「キュッキュ」

 一生懸命訴えてくるが、何を伝えたいのか全然分からない。


 どうしたらいいんだ……!!

 あー分からん!!


 分からない……そうか、聞けばいいんだ。

 俺はウサギもどきを抱えると、両親の部屋へと急いだ。


ドンドン ドンドン

「……父様、母様、起きてますか?」


ドタン バタン


 扉越しにバタバタした音が聞こえてくる。


ガチャ


 数分後扉が開いた。

「……こんな夜更けにどうしたんだ?」

 父が出てくる。

 

 少し顔が赤い…………。

 ……ごめんよ、父。

 いや、気にすまい。

 

「生まれたんだ!」

 父の目の前にウサギもどきを出す。


「キュウ!」 

 ウサギもどきは可愛いく返事をする。


「ふぉーーー」

 やはり親子だな。

 父はウサギもどきをギュッと抱きしめる。


「あなた、スバルはこんな夜更けにどうしたの」

 いつも通りの母が、部屋から顔をのぞかせた。


「卵が孵ったらしい」

 抱っこしたまま父が母に見せる。


「…………まぁ、可愛い♡」

 父から母の腕にウサギもどきが移る。

 

「父様、母様、何のモンスターか分かりますか?」

「いや、俺は見たことないな」

「私も長年冒険者として、いろいろなモンスターを見て来たけれど、初めて見るわ」

 父も母も知らないらしい。


「じゃあ、テイムの仕方知りませんか?」

「テイムの仕方か……知らんな」

「私も知りません」 

 マジか。…………どうしよう。


「スバル何かやってみたのか?」 

「テイムと叫んでみましたが、何も起こりませんでした」

「額を合わせて、心から願ってみたら?」

 よし!やってみよう。


 互いに額を合わせる。


 そして心から……


「テイム」


 し――ん


 何も起こらない。


 少し恥ずかしい。


 いやいや、恥ずかしがってる場合か。

 どうすればいいんだ?


「よくファンタジーの本には、名前を付けてテイムする場面が出てくるが……」

 それだ!!


 とにかく全部やってみよう。

 …………名前、何が良いかな。

 俺の兄弟はみんな「ス」から始まる名前を付けてもらっているから……

 

「よし、スカイ。お前はスカイだ!!」


 名前を告げた瞬間、スカイの体が光る。


スカイ(✕✕✕の幼体)をテイムしました。


 頭の中に文字が浮かぶ。

 よっしゃー成功だ!!


「お前はスカイ!今日からよろしくな」 

「キュキュウ!!」  

 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ