表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第ニ章 新たな世界へ
131/169

人魚族の国へGO 3 (水中タクシー)


 途中、盗賊に遭遇するハプニングはあったが、その後は特に問題なく順調に旅程は進み、無事昼食にシチューを、夕食にステーキを食べ、港まで着いた。ベッドも馬車とは思えないほど快適で熟睡でき、元気もいっぱいである。


「エイダン体調は大丈夫か?」

 エイダンはこくりと頷く。

 おそらく一睡もしてないだろうエイダンが少し心配だが(途中で執事さんと御者を交代した)本人が大丈夫と言っているのでおそらく大丈夫だろう。


「これが海か!!なんだか少し匂うな」

 ハイドは海が初めてらしい。海は独特の磯の匂いがするよな。

「綺麗だな!!」

 かなり透明度が高い。イメージは前世の沖縄の海である。ヒトデやナマコなど前世で見たことがある生き物の姿も見える。


「……しょっぱい!!なんでだ?」

 ハイドが海を舐めて舌を出している。

 なんでかは俺もよく知らない。

「なんでも岩石から塩が溶け出してしょっぱくなったらしいです。海水から塩も採れますよ」

 さすがケイン、物知りである。


「ケイン様、皆様、水中タクシーのご用意ができました」

 馬車を返しに姿を消していた執事さんが現れる。

「水中タクシー?」

「はい!見てもらう方が早いと思います」

 イメージは潜水艦だけど、どんな乗り物か既に楽しみである。


「皆様、こちらの薬を服用ください」

 執事さんが1人一粒渡してくれる。前に見た、水中で息ができる薬だろうけど、色が違う。

「これは一カ月水中で息ができる薬だから、一カ月は薬を飲む必要が無いです」

 一カ月!!それは便利。でも切れる日をきちんと覚えておかないとな。薬が切れて溺死したらシャレにならない。


 スカイたちの分もちゃんと用意してくれており、みんなで薬を飲み込む。

「じゃあ、水中タクシー乗り場まで行きましょう」

 そう言ってケインはザブザブと海の中に入っていく。

 俺たちも少しためらったが、ケインの後をついて行った。

 池も不思議な空間だったが、海はもっと不思議で綺麗である。色とりどりの魚が目の前を泳いで行く。俺とハイドはその美しい景色に言葉を無くした。スカイ、ぺぺ、グリンは魚が気になるらしく追いかけている。


「こちらです。目印が分かりにくいのではぐれないように着いて来てください」

 その言葉にスカイたちを呼び寄せると、慌ててケインの後をついて行った。 


 体が全て海に浸かり、歩いて10分くらいのところに小屋があり、その前に馬車の荷台だけが置いてあった。


 小屋から足がヒレの人魚族の人が4人出てくる。 

「お待ちしておりました」 

「どうぞお乗りください」

 そして、荷台の扉を開ける。


「乗ってください」

 どうやらこれが水中タクシーらしい。

 俺たちはみんなで荷台に乗り込んだ。窓が大きく開いており、外の景色が見やすくなっている。また広いスペースにクッションが置かれていた。これは皆で座っていく感じだな。


「それでは、出発します」

 そう言うと、人魚族の人たちが荷台の前の棒につかまり、ヒレを動かしだした。スイスイ前に進んでいく。


「人力タクシーならぬ、人魚タクシーだったんだな」

 思ったよりスピードも出て、景色がどんどん変わっていく。


「ケイン、どれくらいで作んだ?」

「今回は快速タクシーにしたので6時間くらいで到着できます」

「……ちなみにトイレってどうするんだ?」

「途中トイレ休憩がありますので、そこでします。ちなみに形は地上のトイレと同じです。原理は不明ですが、神がもたらした建造物で今もトイレ大工のみトイレが作れます。ただどうしてもトイレまで間に合わない場合はこちらの簡易トイレもあります。中にスライムが入っていてすぐに消化してくれます。使いたい時は馬車を止めて離れたところでしていただくので声をかけてください」

 スライムトイレ!?使ってみたいようなみたくないような……。どうしてもピンチのときのみが良さそうだな。


「じゃあ、あんまり地上と暮らしは変わらないのか?」

「はい。ただ、二階、三階には泳いで行きます。階段はありません」

「俺たちヒレがないけど……」

「大丈夫です。足をバタバタ動かすと前だったり、上だったり行けますので、また実際やってみましょう」

 イメージは無重力世界かな。何にしろ楽しそうである。


 窓の外を泳ぐ魚の名前を教えてもらいながら、どんどんタクシーは深海へと潜っていき、辺りの景色も薄暗く泳ぐ魚の種類も変わってきた。


 ただ、真っ暗というわけではなく微かに光を放ち、道が示されている。


「……これは、苔?」

「はい、光苔です。道にまいてあるので迷いません。街には魔道具で電気がついているので、もっと明るいですが、道にはコストの関係で光苔がまかれています」

「便利なんだな」

「はい!光苔を発見した方はかなり偉大だと僕も思います。あ、街が見えてきましたよ!!」

 微かに光っていたのが、だんだん明るく変わっていき街の姿が見えてきた。

「うわぁ、華やかだな!!」

「思った以上に眩しい!!」

 前世のネオン街のように光輝いている街が見えてきた。


「あれが僕の父が治める街シェルになります!!」

 

 


 

 

 

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ