表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第ニ章 新たな世界へ
114/122

猫探しパート2 4 (シロチビちゃん探し1)


  赤、青、黄色の鳥たちと共にチビシロちゃん探しの旅にでかける。最初は赤い鳥に先導してもらい後を付いていく。


 最初のシロチビちゃんの場所はアダムス商会のある通りに近いらしく見慣れた景色が目の前に広がる。そして、お店の前を通りかかった時、アダムス商会の隣の店、F&K商会から男の野太い怒鳴り声が聞こえてきた。


「次、こんな馬鹿な真似してみろ、お前の✕✕✕ちょん切ってやるからな」

 

 ……この声、聞いたことあるぞ。

 俺がちょん切られるわけではないが、なんとなくアソコを押さえてしまう。

 超こえー。

 

「……だ、誰がこんな店二度と来るか!!」

 男が逃げるように店から飛び出し這々の体で去っていった。


「大丈夫だった?大きな声がしたけど」


 ぺぺと鳥たちにその場で待機するように告げ、念のため店に顔をのぞかせる。

 店の中にはフレイとカレン、そして隣の店にいるはずのアダムスさんがいた。アダムスさんの今日の服装はパープルの華やかなデイドレス。見た目のゴツさとアンマッチな安定の装いである。


 ……やはりあの声はアダムスさんか。

 

「あら、スバルちゃん!いらっしゃい」

 そのアダムスさんは俺の顔を見て、笑顔で声をかけてくれる。

 

「スバルさん!はい、アダムスさんが助けてくださいました!」

「良いのよ。お隣同士、何かあれば遠慮なく声をかけてちょうだい」

 フレイとカレンは感激した様子でアダムスさんを見つめる。いや、本当に見た目と違って男前で頼りになる。


「何があったんですか?」

 今後のためにもトラブルの内容を聞いておこう。


「実は保冷剤が冷たくならなかったと言って、返金を求められまして。買った次の日なら不良品の可能性もありますので返金に応じるつもりだったんですが、調べたら1週間以上前の商品でして」

 確か、冷たくなくなる日が分かるように、買った日付を保冷剤には記入するようにしていたな。


「返金はできないことを告げると逆上されて、困っていたら、カレンがアダムスさんを呼んで来てくれて……男の方を一喝してくれて何とかなった感じです」


 なるほど。ただで使おうとしたのか……ズルいやつだな。


「持ちつ持たれつよ。気にせず何かあったら呼んでちょうだい」

 アダムスさんはそう言ってくれるが、たびたびだとリュック作りにも支障が出そうだな。


「こんなことは、よくあるんですか?」


「いえ、家は辺境伯がバックについていただいているのを皆さん知っているのでめったにありません」

 でも、初めてではないんだな。


「なんだったら何かあった時の対応に冒険者を1人雇う?」

 女性が多い職場だから、安心安全な環境は確保してあげたい。


「……そうですね。普段はお客様をさばくのにまわってもらったら良いし、また検討してみます」

「また、お金の面で困るようなら遠慮なく相談してください」

 今の俺なら1人くらいは余裕で雇える。保冷剤の売り上げの一部ももらってるし。


「いえ、うちの商会まだ初めたばかりですが、こんなに儲かって良いのかというくらいのすごい売り上げです!」

「なので、バイトもまだ増やすことを検討してたところなので、ご心配なく」

 2人が言い切るので大丈夫かな。


「じゃあ、私は隣に戻るわね」

「はい!ありがとうございました!」

 2人が丁寧に頭を下げる。

 

「アダムスさんも何かあったら遠慮なく声をかけてください」

「分かったわ、じゃあまたね♡」

 颯爽と店を去っていった。できる女(男?)は違うな。


「そう言えば、スバルさんはどうしてこちらに?」

 ヤバい!!皆を外で待たせていたの忘れてた。


「すみません。用事の途中なのでまた。何かあれば辺境伯家に連絡してください」

 慌てて外に出ると、ぺぺが石段に座り、それを囲むように鳥たちが休んでいる。……可愛くて癒される光景である。隣のアダムス商会から出てきた客がぺぺの姿を見つけ、遠巻きに集まっていた。


 これは、早く出発しないと囲まれるな。


「ぺぺ待たせた。行くぞ!」

「ぺぺ!」

 俺の声にすぐ反応すると、俺はぺぺを抱っこしてその場を足早に立ち去った。


「……ああ、ぺぺちゃん」

 がっかりする声が聞こえてくるが、今はシロチビちゃん探しが先決だ。(そういう俺が寄り道したんだが……)


 そのまま通りをどんどん進んでいく。


 赤い鳥が白い屋根の家に止まった。

 ここが最初のシロチビちゃんがいる場所だな。

 できれば最初から当たりでありますように……。


 俺はゆっくりと赤い鳥が止まっている家に近づいた。


 

 

 

 


 

  

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ