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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第ニ章 新たな世界へ
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プロローグ

 お待たせしました。第二章スタートしました。良かったら毎日投稿予定なので読んでいただけるとありがたいです!また、どうぞよろしくお願いします。


それでは 本編へGO!!



「新入り、ここでしばらく大人しくしとけ」

 

 粗末なあばら家の一室に無理やり放り込まれると、ガチャンという音とともに外から鍵がかけられた。


 既に時刻は夜になっているのだろう。部屋は窓も明かりもなく真っ暗で、どことなくすえた臭いだけが漂っている。


 少しずつ暗闇に目が慣れてくると、部屋の中にうずくまる何人もの子どもの姿が見えてきた。


「……お前も捕まったのか?」


 俺より少し年上に見える子が話しかけてくる。顔にいくつも青痣があり痛々しい。


「……そうらしい……怪我は捕まった時に?」

「ああ、暴れたらしこたま殴られた」

 

 ひっく ひっく

「お母さん……」


 どこからか泣き声も聞こえてくる。

「大丈夫だ、必ず助けは来るから」

 その彼が泣いている子に近づき、頭をなでる。 


「……僕達、どうなるのかな……」

「お家に帰りたい……」

「助けて……」


 皆が口々に不安を口にする。


「もうちょっとの我慢だ」


 どうやら俺に話しかけてくれた彼が今いる子ども達のリーダーらしく、皆が少しでも安心できるように声をかけているらしい。


「……ちなみに俺達どうなるんだ?」

「……分からん。ただ、お前で数が揃ったから明日には移動するとヤツラは言っていた」


 大体今20人くらいか……

 逃げるにしても、子どもだから体力もなさそうだし捕まって疲労困憊な子も多そうだからなかなか難しそうだよな……。


 そもそもこんなに子どもをつかまえていったいどうするきなのか……。


 ……いや、それにしても。

 

「……なんでこうなった」


 俺は思わず頭を抱えた。

 安心安全な俺の暮らしはいずこに!?


 ただ、冒険者ギルドで依頼を受けただけなのに……

 しかも俺だけってどういうこと?


 たまたま、エイダンもスカイ達もいない時ってどんだけ運が悪いんだ。


 普通こういうシチュエーションは俺が強くて悪い奴らをなぎ倒し、皆で脱出だろうけど残念ながら俺にその力はない。


「なんでこうなった――!!」

 


 ◇ ◇ ◇ ◇


 〜 8時間前 冒険者ギルド 〜


「今日は、何の依頼を受ける?」

 俺とケインは依頼板とにらめっこをしていた。


 姉とフェレナが抜けてはや一ヶ月。

 

 前衛職がいなくなり、チームとしてどうなるかと心配していたが、エイダンとぺぺ、グリンの活躍により、大きなトラブルもなく、無事に依頼を達成していた。


 そう、グリン。

 

 グリン

 ✕✕✕の幼体。スキル 巨大化 才能 雷魔法

 主 スバル


 鑑定してもらうと謎の巨大化というスキルを持っており、体の大きさを自由に変えられることが分かった。


 普段は小さくて可愛いらしい姿だが、一度モンスターに遭遇すると大型犬ほどの大きさになり、鋭い牙でモンスターに噛み付き、致命傷を負わせていた。


 ということで、今日も依頼を受けるべく冒険者ギルドへやって来たのだ。


「なぁ、今日はいつもの宿屋の依頼にしないか?俺、久しぶりにまかないが食べたくなった」


 ハイドが口を挟む。


「良いですね。最近いろいろ依頼を受けてましたから、たまには初心に戻って宿屋の依頼も良いと思います」


 宿屋か……。あんまり気分じゃないな。

 ハイドとケインは乗り気のようで既に依頼の紙を依頼板から取っていた。


「なぁ、今日は俺は別行動でも良いか?なんか違う依頼受けてみたくて」

「もちろん」

「かまわないぜ」

 二人が快諾してくれたので、今日はハイドとケインと別行動することにした。


「また、夕方ギルドの食堂で待ち合わせにしましょう」

「また、後でな」


 そう言うと二人は依頼を受けに受付へ向かった。


「さて、何にするか……」


 俺はもう一度依頼板を眺める。今日は朝地獄の訓練に参加してからギルドに来たため、時間がいつもよりかなり遅くなった。そのため依頼板を眺めるのも俺だけなのでゆっくり探すことができる。


 しかし、父と母の許可を得て冒険者一本でしばらく過ごしているのだが、姉とフェレナからは週一の早朝訓練参加が義務付けられていた。


 そのため今日は既に疲労困憊しており、宿屋の依頼も乗り気になれなかったのだ。あの依頼、地味に重労働だからな。


 それにしても、今朝の訓練もハードすぎるだろう。最近体力作りをサボってるからと、これでもかと走らされた後、筋トレまでさせられた。


 ……正直死ぬかと思いました。


 そう、姉とフェレナとは体の造りが違うので仕方がないのである。どうして人間の俺に合わせてくれないのか……。


 なぜか急に背後が寒くなり、ぱっと後ろを振り向く。

 が、誰もいない。


 セーフ


 危ない危ない。油断は禁物、口は災いの元である。

 最近二人が側にいないせいか、耐性が下がってきている気がする。こういうのって忘れた頃にドカンとくるから、気をつけないとな。


 と、依頼板を眺めていると気になる依頼書が目に飛び込んできた。


 猫探し。

 いなくなった猫を探して欲しい。

 報酬 銀貨1枚

 依頼主 孤児院長 リーン

※ 失敗のペナルティ無し


 猫探しならぺぺの能力で余裕である。万が一見つからなくともペナルティは無いしな。孤児院にいる猫って、以前依頼で見かけたシロかもしれないし……。


「よし、これにしよう。みんなも猫探しで良いかな」

「キュウ!」「ぺぺ!」「キャン!」こくり


 スカイ、ぺぺ、グリン、エイダンの承諾も得られたので決定だな。


 俺は依頼板から依頼書を取ると受付へ向かった。

  

 


 


 


 


 

 

 

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