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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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キャンプに行こう 11(女性陣の帰還)


 帰り道も特に変わったモンスターもでず、サクサク進む。先頭を行くグリンONぺぺがモンスターを発見しだい蹴散らしていくので主にすることはモンスターの回収くらいである。


 ケインの索敵にも大物のモンスターの反応もなく、思った以上に男子チームも順調に進めている。……いざとなれば隠し玉のエイダンもいるし。


「キャンキャン」


 グリンが何か見つけたのか吠えて、こちらを見てくる。ぺぺもグリンからおりて何か見ているようだ。


「ぺぺ?」


 近寄ってみると、どぎついピンク色の傘のキノコが密集して生えている。明らかに毒々しいが、念の為ハイドに聞いてみる。


「ハイドこのキノコ知ってるか?」

「いや、俺も父ちゃんと山によく行くけど見たことないぜ」

「ケイン、知ってるか?」

「……いや、僕も知らないです」


 グリンはお座りして、こちらを褒めてほしそうに見てくる。


「……グリン、このキノコ食べられるのか?」

「キャン!」

 ……本当に大丈夫だろうか。でも珍しいキノコなら、高く売れる可能性もあるから、採っていくか。


「……分からないけど、念の為採取していこうと思う」


 皆で手分けしてピンクキノコを採取する。意外と周辺を探すと見つかり、結構な量がとれた。


「後でジェーンさんに聞いてみよう」


 その後は特に異常も無く、無事にキャンプ地に戻ってきた。


 朝片付けたテントをもう一度設営し、薪と水を取ってくる。これで後は女性陣を待つばかりである。



「帰ったわよ」

 そうこうしているうちに姉の声が聞こえてきた。


「大量です」

「今日も肉祭りよ」

「解体頑張らないといけないですね」

「キュウ」


 みんなでワイワイ言っているが、肝心の肉が見当たらない。


「あれ、皆さんお肉は……」

 代表して、ケインが確認してくれる。


「あら、もちろんあるわよ。スカイ出してくれる?」

「キュウ!!」

 スカイがポケットからドシンという音とともにシシを五体出した。


「……シシってこんなに大きいんですか……」

 

 前世のイノシシを想像していたが、それよりも数倍大きく牙も太くて鋭い。小型の象くらいの大きさである。それが五体も……肉祭りはできそうだが、早く解体しないと俺達以外のテントを張るスペースが確保できない。


「夕方までに解体できそう?」

 いや、本当に早く処理しないと。

 

「愚問です。すぐに取りかかります」

 そう言うとフェレナがシシの解体にかかった。その補助に姉が入る。初めてのモンスターでも2人はテキパキと解体を進めていく。


 解体は上手なのになぜ料理は上手に切れないのか……?


 謎は深まるばかりである。


 やはり肉になると、何か別の能力が発揮されているのだろうか……。


 そりゃあこの大きさのシシを殺れるんだから、シシより強靭な肉体を保持しているのは間違いない。その力で切れば料理のように一刀両断のはずだけれど……。皮を剥ぎ取り肉の部分を上手に捌いている。なぜこれができて料理ができないのか。器用さと不器用さを併せ持つ生き物ゴ✕✕。まさかフェレナも……。

 

 鋭い目つきをして解体ナイフを手に持つフェレナと目が合う。


 ヤバい。


「……ジェーンさん、コボルトは無事に解放できたんですか?」

 話を変えないと。

「ええ、上層で檻の入り口を壊して、桃とオレンジを置いてきたからたぶん大丈夫です」

 

「良かった」

 グリンの親でもあるからな。チビもたくさんいたし、ひどい目にあったんだろうから仲間のところに無事に戻れると良いな。


「ちなみに檻の入り口はフェレナさんが一閃して、スパッと切ってくれました」


 スパッと。


 またもフェレナと目が合う。


 ヤバいヤバい。


「スカイお帰り」

「キュキュウ!」

 スカイを抱っこしているとぺぺとグリンもやって来た。そのまま3匹を抱っこする。


 ふぉーー。


 3匹になりもふもふ度が増している。


 やっぱり癒やされるな――。


 俺は3匹を抱えて自分のテントに引きこもろうとすると、肩をトントン叩かれた。


 振り向くと血だらけのナイフを持ったフェレナが立っている。


「キャー」


 絹を裂くような悲鳴が辺りに響いた。


「……スバルなんで何回も繰り返すんだろう……」

「そりゃあ、スバルだからじゃない?」


「キュウ?」

「ぺぺ?」

「クーン?」


 その場に3匹のテイムモンスターのみが取り残された。

 


 

 

 


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