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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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キャンプに行こう 10 (後始末)


「それてはスカイさんと私たちは少し留守にします」

 コボルト入りの檻をポケットに入れたスカイに加え、姉とフェレナも今後の探索のためにジェーンさんに同行するようだ。


「了解しました」

 グリンに行くかと聞いたらスカイではなく俺の方に残ったので一緒にお留守番組だ。


「夕方までには戻ります。皆さんの家族には念の為もう1泊すると通信球で連絡してますのでご安心ください」

 ジェーンさん、段取りが良いな。もしかして元からゴブリン討伐も折り込みずみなんじゃ……。ま、そんなことはないか。


 いつもニコニコしているが、腐ってもゴールドランク。やはり視野が広いのだろう。


「帰って来るまでに火葬まで終わらせといてよ」

「帰ったらすぐに焼肉第2弾が良いですね」

「良いわね。またたくさん狩ってこないと」

「中層から上層にかけてはシシが出ますから、昨日とは違う焼肉ができますよ」

「シシ肉!良いですね」


 女性陣は焼肉話で盛り上がっているが、ここでその話をするか?大量のゴブリンの死体があり、強烈なゴブリン臭が漂うここで。


 この後火葬もあると思うと俺は既にグロッキー状態になりそうなのに。


「……とりあえず、いってらっしゃい」


 俺とグリンは女性陣とスカイを見送ると、ハイドとケインの元へ戻ろうと後ろを振り向いた。と、目の前に、ゴブリンの山ができている。どうやら俺がグリンをテイムしている間にあらかた片付いたのか、中央にゴブリンが山高く積まれていた。近寄っていくと、ハイドの声がする。


「スバル、危ない!!」


 その言葉と同時に俺の頭の横を緑の物体が横切り、中央のゴブリンの山に落ちた。


「……なんだ!?」


 いや、ゴブリンの死体だろうけど、なんで頭の横を横切るんだ?


「大丈夫か?」

 言葉とともにハイドとぺぺがやって来る。


「なんでゴブリンの死体が飛ぶんだ?」


「おーいぺぺ、こっちも頼む」


 ケインがぺぺを呼ぶ。


「ぺぺ!」


「見たほうが早いよ」

 そうハイドは言うとケインとぺぺの方を指差した。


 見るとぺぺがゴブリンの死体を中央の山まで投げ飛ばしている。


 俺は呆気にとられてその光景を見た。


「途中までは運んでもらってたんだけど、数が多くて全然間に合わなくてさ。そしたらぺぺが投げ飛ばして運ぶように変えたんだ」


 他の冒険者にも呼ばれて同じように処理している。


「というわけで、もうすぐ終わるぞ」

「……そりゃあ、良かった」


 死体を投げるのは前世からするとアウトだが、こちらとは考え方が違うからな。しかもこの量実際に運ぶことを考えると無謀だし……。すまんなゴブリン。


 俺はゴブリンの山に軽く手を合わせると、ケインとぺぺのところに向かった。


「スバル、ぺぺのおかげで助かったよ。剥ぎ取りだけでも大変なのに運ぶとなると重くて……」

「ぺぺ、よくやったな!」

「ぺぺ!」

 ぺぺも褒められて嬉しそうである。


 作業にあたっていた他の冒険者たちも集まってきた。


「そろそろ終わりかな」

「ああ、凄い数だった」

「……疲れた」

 やはりかなり大変だったようである。


「しかし、このテイムモンスター小さいのに力持ちだな」

 皆がうんうん頷いている。

「俺達の運搬も手伝ってくれたんだ。本当にありがとうな」

 ぺぺ大活躍たな。俺はぺぺを抱っこすると頭を撫でた。


「キャン」

 足元でグリンが鳴く。そういや、ぺぺにグリンを紹介しないとな。俺はぺぺを下に降ろすと、2匹に語りかけた。


「ぺぺ、新しく俺のテイムモンスターになったグリン。グリンこっちがぺぺ。仲良くするんだぞ」

「キャン」

「ぺぺ」

 ぺぺがグリンの頭を撫で、グリンがぺぺを舐めている。こちらも大丈夫そうである。


「すみません、後は炎の魔法で火葬をお願いできますか」

 

「ああ、今からやろうと思うが、かなり量があるからな時間もかかるだろうし、後の始末は俺達のチームが引き受けるから先にキャンプ地に戻っておいてくれ」

「いや、でも悪いですし何か手伝えたら……」

「いや、それを言うのはこっちの方だ。昨日の肉祭りに続き、今日も楽してかなりの儲けになっている。こっちが貰いすぎだからこれくらいは俺達チームにさせて欲しい」


 俺達は顔を見合わせると、頷いた。


「分かりました。すみませんがよろしくお願いします!」


「ああ、任せてくれ。終わり次第俺達もキャンプ地に戻る」


 後の処理をお願いして自分達だけでキャンプ地に戻る。今までは何だかんだ強者の女性陣がいたが帰りは自分達で何とかしなければならない。


「ケインキャンプ地まで索敵できるか?」

「はい!大丈夫です」


「先頭は……」


「ぺぺ!」「キャン!」

 グリンに乗ったぺぺが手をあげる。

 ん?

 小さいグリンに小さいぺぺがジャストフィットして乗っている。……可愛いの2乗だな。


 確かに前衛はぺぺしかいないか。


「じゃあぺぺとグリンが先頭。次にケイン、ハイド、俺、最後尾にエイダンで良いかな?」


「「了解」」「ぺぺ」「キャン」こくり


「それじゃあ出発!」

 

「「おー!!」」「ぺぺ!」「キャン」


 


 

 


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