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安心安全✕テイマーはじめました  作者: 国先 昂
第一章 新しい世界で何をする?
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初めてのゲット7(説明回)

「よし!じゃあ早朝特訓を始めます!」


「はい!」


「……はい。」

 

 姉が教官になり、毎朝の特訓が始まる。

 俺は基礎体力が無いらしく、とにかく走らされる。

 と言っても、姉もフェレナも一緒に走るから、平等ではあるが。

 

 俺は卵をリュックに背負って参加している。重くなったからそんなに走れないアピールもしてみたが、実際に姉が背負って走ってもいつもと変わらず走れることが判明したため、俺の走る距離減らそう作戦は脚下された。

 

 ちなみにここ最近の俺の日課は

 6時 起床

 6時半 〜 7時半 早朝特訓

 8時 朝食

 9時 〜 12時 家庭教師と勉強

 12時 昼食

 1時 〜 3時 騎士団見習いと初級訓練

 3時 〜 6時 自由時間

 6時 夕食

 7時 〜 9時 風呂と自由時間

 9時 就寝

 という流れだ。9歳の割になかなか濃い1日を送っている。


 ちなみにこの世界も1年は365日、1週間は7日。1日は24時間。地球と同じである。きっとご都合主義が働いたんだ。


 ただ、地球と違って週休2日制ではなく、体調が悪くて休むとか、用事があって休むとか、休日は申請制である。ブラック一直線だが、これが普通らしい。

俺は地球の感覚が抜けきらず、週に1日は休日をもらっている。本当は2日欲しかったが、脚下された。残念。


「スバル、あんた本当に体力無いわね」

 走りながら、息一つ切らしていない姉が言う。


「スバル様、もう少し自主練などしてみてはどうですか」

 同じく姉と同ペースで、余裕のフェレナに言われる。


「……はぁ、はぁ、……だから……俺は……戦闘系スキル……じゃ……ないっ……て……」

 全く余裕の無い俺は、しゃべる気力もない。


「早朝訓練のメニューを今度、騎士団のロキにでも相談してみようかしら」


「確かに、スバル様のこの調子だと、一生ランニングになりそうですし」

 

 一生!?

 勘弁してくれーー!!

 でも、ロキ……。

 初級訓練でも教官をしてくれているが、飄々としてつかみどころが無い反面、訓練生のギリギリを見極めてトレーニングを課してくるからな。

 姉かロキか……どちらがマシだろう。


「とりあえず今日は、あと10周!ペースを上げて行くわよ!」


「はい!」


「……うげ……ぇ…………勘弁してく……れ」

 

 どちらにしろ、俺の訓練は続くらしい。トホホ。


 訓練後は朝食を食べ、勉強タイムである。 

 訓練を始めた当初は疲労のあまり、勉強どころではなかったが、最近は普通に参加できる体力がついてきた。(……姉とフェレナと比べるとまだまだだが)

 

 家庭教師の先生はミレー先生。

 何とエルフである。

 本当に物知りで、1聞けば10答えが返ってくる。

 スキルも博学と言う、学習系スキルの上位種を持っている。


 勉強は姉、俺、フェレナ3人同時に受けている。

ちなみに出来は、フェレナ、俺、姉の順である。


 ここで俺が一番と言えないところは辛いが(前世と合わせると20歳を超えるのに……地頭が普通すぎて無理だった)姉より出来が良いので、良しとしよう。


「今日は、前回に引き続き神話について学びたいと思います。前回の話で神話について覚えていることはありますか?」

 

「確か始めに神様が火、水、土、風、闇、光の精霊王を作られて、それぞれに自分たちのお気に入りの眷属を作ったのよね。確か、火の眷属はドワーフ族、水の眷属は人魚族、土の眷属はエルフ族、風の眷属は竜族と獣人族、闇の眷属は魔族、光の眷属は天使族であってる?」


「はい。ステファニー様その通りです。では、その後について誰か分かりますか?」


 フェレナが姉の続きを話す。

「確か……誰が一番強いかで喧嘩を始めたと聞きました。お互いに譲らず、争いは長期化し、多くの眷属が死に、大地は誰も住めない不毛の地と成り果てる一歩手前まで来てしまったとか」


「そうです。では、その争いはどうやっておさまったのですか、スバル様」

 

「ええっと……神様が何者にも族さない人族を作られたと聞きました。人族は主たる精霊王がいないかわりに、何者にも染まることができた。また、神様によってスキルを授けられ、そのスキルによって争いを仲裁したで合ってますか?」

 ちょっとややこしかったけど、覚えている。

 

「その通りです。では何者にも染まることができるとはどういうことでしょうか」


「それぞれの種族は同種族でないと、子孫を残せないけれど、人族だけはどの種族でも子孫を残すことができるで合ってますか」

 簡単に言うと人族だけはどの種族の子どもも産めるってことだな。


「はい。争いで多くの種族が同族を失ったため、人族と交わることで数を増やしていきました」


「じゃあ、先生も人族の血が入っているの?」

 姉は相変わらずデリカシーがない。こういうプライベートな話は嫌がる人も多いはず。

 

「えぇ、私も曾祖父が人族です。ですから、人族にしか持ち得ないスキルも取得することができました。ただ、ステファニー様。世の中には純血種であることに誇りをお持ちの方もいらっしゃいますから、この話題は避ける方が賢明かと思います」

 やっぱり。

 

「じゃあ、逆に今しか聞けないってことね。先生、純血種の方の見分け方とかあるんですか?」

 ぐいぐいいくな、姉よ。でも、俺も気になるぞ。

 

「残念ながら、見た目の違いは全くありません。ただ、純血種の方はスキルを持ちません。元素たる力のみです。その元素たる力、才能と呼ばれている力がスキルと比べてもとても強いのが特徴と言えば特徴です」

 

「人族のスキルで仲裁したのに?」

「スキルも使い方次第ということだと思います」


「純血種の方は多いのですか?」

「申し訳ありません。どのくらいいらっしゃるかは正直分かりません。特に申請などはありませんから。わざと純血種を装う方もいらっしゃいます」


「何でですか?」

「我が国は、様々な種族が共存していますが、国によっては純血種がステータス、力や権威の象徴であることも多いためです」


 難しいな。

 でも、一つ言えるのはこの国に生まれて良かったってことだな。種族が違うだけで差別されるとか、弱っちい俺には死活問題である。

 

「それでは、次は……」

その後も先生は丁寧に俺たちの質問に答えてくれ、今日の授業が無事に終わった。



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