オカマと苦言と自嘲
安すぎてビビる
なによその歌
みんなとおんなじこと言ってるだけじゃない
どこの誰ともわからない
『君』を好いてるワケを
際限もなくグダグダ並べてさ
似たり寄ったりすぎるのよ
この調子だと
恋人なんて誰でもよくて
あとからの理由づけの方が大事みたいじゃない
……でもきっとそれは真実なの
世界に一つしかないものなんてないの
探してないだけでいくらでもあるの
人間なんて石ころと一緒ね
おちゃらけたギターのスラップと
感情の無いドラムのリズムが
鳴り響いている
近所のホームセンターの店内放送
量産型の哲学に浸って
賢くなったつもり?
ハンマーで打ち壊したくなるわ
ところで私は
なんで笑っているのかしら
洗濯洗剤と…
…あとなにか買い忘れていた気がする
私みたいな人を世界の中で探せば
それはいくらでも見つかるだろうけれど
私が自分の個性を探そうとしても
それはどこにだって見つからないの
今日買ったものが
綺麗なガラスの靴だったりしたら
ちょっとは特別な人間になれたかもね
洗剤を買い足して今日は終わり
ホームセンターだけで一日の物語が完結するような
つまらない私がここに居ました