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ためるな、危険⑰
3日程下界に滞在した華が魔王城に戻ると、いつになく魔王が真剣な眼差しでスクリーンを凝視していた。トントンと扉をノックしたが返事を得られず、「ただいま戻りました、魔王様」。いつもであれば気配を察知すると、わざわざ表まで顔を出してくれる魔王。それを華が期待していたわけではない。だから落胆するようなことはなかったが、心配にはなる。城を空けたのはおよそ72時間。その間ぐらいは冷蔵庫の作り置きで凌げるはずだが―最初は寝室を訪れた。ぐうたらな生活を送っていたら少々戒めをと考えていた華だったが、寝床はきちんと整頓されていた。外の喫煙スペースにもいなかったから、あとは仕事場か。とことこと歩いていくとしかと気配は感じられた。だのに返事がないから無駄に心拍数が上昇してしまった。




