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ためるな、危険⑩

 事態を重くみた華が人間界へ赴くことになった。魔王の指示ではなく、華自身が請願して。華さんがそんな危険を冒すこともないでしょうと初めは止めた魔王だったが、華が押し切った。

 

 華にとって久々の人間界はやはり眩しかった。常に厚い雲に覆われる魔界では雨が降ることはあっても、火の注ぐことはほとんどなかった。薄暗い日常に慣れてしまうと輝かしい人間界はどうにも落ち着かない。

 華の選んだ場所は『巨人の森』と呼ばれる一角。その名称の由来だが、別にサイクロプスみたいなモンスターが棲んでいるわけではない。ただ木々が、樹木がとてつもなく大きいだけだ。その高さが100メートルを超える物もある。森の中では日差しは愚か、よほどの大雨でなければ大地に届かない。華が、そして、悪巧みする勇者達が身を隠すには絶好の場所だった。

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