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ゲームスタート⑧
挙げればきりがないが、最後は料理について。元々は1日1食という食生活が身についていた魔王。それが華によって1日3食、定刻通り食堂の席につくよう調教された。料理も大変だろうから1日1食で、という交渉は3秒で決裂。だから朝は必ず起こされる。二日酔いだろうが、徹夜明けだろうが関係ない。時間の5分前までに食堂へ顔を出さないと、コツコツコツコツと、まるでホラーゲームの様に足音が接近してくるのだった。栄養は言わずもがな、量もしっかり管理されていて、魔王城に住んでからは、食べ過ぎという感覚を忘れてしまった。また食後にはデザートもついてくる。主に果物だが、ケーキやプディングが出てくることもあった。仕事中に口寂しくなると相談するとクッキーを焼いてくれた。厳しくも優しく、完璧。そんな魔王の右腕が華だった。