なんで私も
そんなこんなの入学式から数ヶ月が経った。学校探検や一年生を迎える会、初めてのお楽しみ会などのイベントがあってその度に友達もどんどん増えていった。それでも、泉ちゃんとは仲良しのまま。それでいいんだ。私たちはお互いがいちばんの友達、大大親親友友だから。そんなある日、お母さんにいきなりこんなことを言われた。
「準備して。出かけるよ。」
小学校に上がってからお母さんと2人でお出かけなんて初めてのことでちょっとワクワクした。
「バッグはあの大きいリュックでそのなかに筆箱入れて。」
あの大きいリュックとは先日お姉ちゃんからもらった、無駄に横幅のあるお下がりリュックだ。そんなリュックに筆箱?まさかの私もデビュー?気になって
「どこまで行くの?」
と聞いてみると
「学校の近く。でもその前に寄るところがあるから。」
と言われた。なぁんだ。お姉ちゃんとお兄ちゃんが通ってる塾は学校の近くではなくて駅前だ。それに、そこに行くんだったら、書類とかそういうものもいらなく、そのまま行くだろう。素直に準備をし終えると歩きで行くと言われた。学校まで歩くなんて登下校のようでうんざりした気持ちだった。するとお母さんが進んでいった道は学校とは逆方向だった。途中で寄るところの道がそっちなのだろうか。嫌な予感がする。常に右に曲がるな、左に曲がるなと願いながらお母さんは願いとは逆に進んでいき、確信に変わった。その方向は…
「ごめんねぇ、待たせちゃって。」
「いいえ大丈夫よ。こっちもちょうど出てきたところだから。」
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。なんだ、このバカップルのデートの待ち合わせのような出会いは。同じことを考えていたのだろう。そこにいた凰樹も呆れ顔だった。そう、お母さんの言う『途中で寄るところ』とは、凰樹の家だった。予感は的中。2倍の辛さで押し潰されそうだ。
「お待たせ〜!!!」
甲高い、聞いたことのあるかわいらしい声が聞こえてきた。振り向くとそこには川村凛花と柏山麻耶がいた。その後ろには齋木恭也。年下の女の子2人と歩いてるなんて思われたくないのだろう。だいぶ離れたところにいる。川村凛花は1つ下だけど同い年くらいしっかりしている。頼り甲斐があって、お姉さんキャラっぽいけど仲良くなればだいぶ可愛い妹みたいなものだ。柏山麻耶は凛花と同い年だけど麻耶の方が年下らしい性格だ。凛花は上にお兄ちゃんがいるから面倒見がいいんだよって前に麻耶が言ってたっけ。
「それじゃぁ行こうか。」
「え?この5人なの?」
「そうだよ。凰樹はセンパイだからね。」
弱虫カメラと意地悪バスケ(カメバス)第3話です!実は今回で小学1年生はおしまいです!次回は最上学年小学6年生になります!1年生の時との対応の違いや、今の関係などがわかるかも…!!!次回も楽しみに!!!
※この作品は事実をもとにしたフィクションです