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寂しくて辛い


濁流に心を投げ入れる日々の反芻で

いつしか下流には心が貯まっていき

知らずのうちに大きな中州を作ってくれる

途切れることなく供給される心心心

振りかぶって乱暴に

半ば自暴自棄に

橋の真ん中 両岸から最も離れた所から投げ入れる

流れは激しく荒々しい

水は泥色で川底なんて見えない


よかったね君の心 どんぶらこっこ流れていくよ

よかったね君の心 どんぶらこっこ去っていくよ

それが何個も何個も何個も何個も


まるで大きな桃みたい

明るいピンクのまるまる

ピッチリとしていてきれい

だけど心が割れることはない

中から新しい子が飛び出てくることはない

いったい心は固く閉じていて

その形のまますこしも欠けずに下流で貯まる

君には見えない遥か先の下流でね


中州には渡り鳥が休みにくるかもしれない

トンボが卵を産みにくるかもしれない

きっとそうだよ 鳥も虫も動物も

君の心でできた中州にくるよ


橋には自動車が通過するだけ

君は心を投げ入れ続ける

終わりが見えないスローイング

だけど君の見えない遥か先で

心はひとつひとつ貯まっているのさ

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